アルコール依存症の症状とチェック方法|酒の飲みすぎで依存性に

アルコール依存症の症状とチェック方法|酒の飲みすぎは依存性の原因

この記事で、アルコール依存症がどのような症状か分かります。また、どんなタイプの人がアルコール依存症になりやすいかチェックできます。

こんなことをしていませんか?

  • 仕事帰りにコンビニでお酒を買ってすぐに飲む
  • 主婦が昼間から飲む
  • パチンコなどギャンブルをしながら飲む
  • 休日は朝や昼から飲む
  • 採血結果で、肝臓のγーGTPやすい臓のアミラーゼなどの値が悪い
  • 酒気帯び運転をする

このような行動や状態は、アルコール依存症者によく見られます。

この記事は、夫や妻がそのような状態、もしくは自分がそのような状態で、もしかしたらアルコール依存症ではないかと疑われている方のために書いています。アルコール依存症者は自分では気がついていないだけかもしれません。アルコール依存症の症状をチェックして、自分または家族の人が指摘してあげましょう。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

アルコール依存症とは

アルコール依存症とは
アルコール依存症とは

アルコール依存症は、エタノールという薬物の依存症です。「合法」というだけで、他の許されていない薬物依存となんら変わりありません。

昔はよく「アル中」と言われていました。しかし「アルコール中毒」は正確には急性アルコール中毒を指します。一気飲みなどで酒を飲み過ぎてアルコール血中濃度があがりすぎ小脳が麻痺し、動けなくなったり呼吸困難、救急車を呼ぶような状態が急性アルコール中毒です。

一般的に、アルコールの飲み方に問題があり、病的にアルコールを飲み続ける人々をアルコール依存症またはアルコール摂取障害と呼びます。しかし、略して「アル中」という人が多いです。

アル中は差別用語に近いので、ちゃんとした病名の「アルコール依存症」と呼ぶようになったんだね。

最近はまた変わって「アルコール摂取障害」という場合が多いです。

アルコール依存症の症状のチェック

アルコール依存症にはいくつもの診断基準があり、何種類もあります。簡単なほうでチェックしてみてください。

CAGEアルコール依存症チェック

1. 今までに、飲酒を減らさなければいけないと思ったことがありますか?
2. 今までに、飲酒を批判されて、腹が立ったり苛立ったことがありますか?
3. 今までに、飲酒に後ろめたい気持ちや罪悪感を持ったことがありますか?
4. 今までに、朝酒や迎え酒を飲んだことがありますか?
2項目以上あてはまれば、アルコール依存症の可能性が高いです。

Goodbye-アルコール依存症サイトより  より引用
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新久里浜式スクリーニングテスト:男性版(KAST-M)

こちらは有名な久里浜病院のアルコール依存症チェックです。

1. 食事は1曰3回、ほぼ規則的にとっていない
2. 糖尿病、肝臓病、または心臓病と診断され、その治療を受けたことがある
3. 酒を飲まないと寝付けないことが多い
4. 二曰酔いで仕事を休んだり、大事な約束を守らなかったりしたことがある
5. 酒をやめる必要性を感じたことがある
6. 酒を飲まなければいい人だとよく言われる
7. 家族に隠すようにして酒を飲むことがある
8. 酒がきれたときに、汗が出たり、手が震えたり、いらいらや不眠など苦しい
9. 朝酒や昼酒の経験が何度かある
10. 飲まないほうがよい生活を送れそうだと思う
4 点以上がアルコール依存症の疑いありです

アルコール依存症ナビ.jp より引用

どうでしょうか。何か所か当てはまるのではないでしょうか。

アルコール依存症になりやすい肝臓のタイプ

アルコール依存症になりやすい肝臓のタイプ
アルコール依存症になりやすい肝臓のタイプ

日本人は、遺伝により肝臓のタイプが3種類に分かれています。

お酒が強い人と弱い人

◆NN型・・・・ALDH2型の正常活性遺伝子型(お酒に強い)
◆ND型・・・・NN型の16分の1の活性しかない遺伝子型(ある程度は飲める)
DD型・・・・ALDH2型の活性のない遺伝子型(ほとんど飲めない)

税庁ホームページ  より引用

簡単に言うとこのように分かれます。

  • アルコールが飲めない人(下戸の人)
  • アルコールが適度に飲める人
  • 大酒飲みの人。
  • 病的な飲酒を繰り返す、アルコール依存症と診断される人々

アルコール依存症になるのはNN型のお酒が強い人です。お酒を飲み過ぎてアル中になる場合が多いです。

お酒が飲めないタイプの人は、当たり前ですがアルコール依存症になりません。

外国人はお酒が飲める体質

欧米人やロシア人は99%NN型大酒が飲めるタイプです。そのためアルコール依存症者の人数が日本と比べ物にならないほど多いです。日本ではアルコール依存症者の割合は1.1%ほどですが、アメリカ人4.7%、ロシア人は9.8%もいます!

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アルコール依存症の症状

アルコール依存症で飲酒欲求が出ている男性
アルコール依存症で飲酒欲求が出ている

アルコール依存症の病状は人により若干違いますが次のような症状が多いです。

アルコール依存症の症状

アルコール依存症の初期は以下のような症状が現れます。

  • 朝から飲まずにおられない
  • 仕事中、休憩時間などに隠れて飲む
  • 晩酌から、酩酊するまで飲む
  • 二日酔いを紛らわすため飲む
  • 酒が切れると手が震えたり汗をかいたりする
  • 酒が切れると異常にイライラする
  • 家族に止められても隠れて飲む
  • 酒気帯びのためたびたび会社を休む

アルコール依存症をほおっておくと、最期にはこうなります

  • 肝硬変・肝臓がん
  • すい炎・すい臓がん
  • 逆流性食道炎
  • 脳萎縮による認知症
  • 末梢神経麻痺
  • 大腿骨頭壊死

といった、60種類もの病気になります。アルコール依存症の平均寿命は52~53才といわれていますが、このような病気がいくつも現われ、最終に死にいたるのです。

アルコールの薬物依存のため、本人はやめたくてもどうしようもなく飲んでいる場合が多いです。家族がチェックして指摘してあげなければ病気になるまで飲み続けてしまいます。

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アルコール依存症は治療が難しい

アルコール依存症は治療が難しい
アルコール依存症は治療が難しい

合法なので治療が困難

アルコール依存症はアルコールという薬物の依存症で、それなしでは生きることのできない状態です。
他の違法な薬物と症状はなんら変わることなく、アルコールを飲み続けてしまう病気です。ただ「酒は合法でコンビニに売っている」か「薬物は非合法で手に入れるか」の違いだけです。

130円あれば・・・・・・

タバコと同じで、お酒は合法でどこでも売っているために、逆に止めにくく、130円あればアルコールを手に入れることができます。そのため非常にやっかいな病気なのです。
他の薬物依存と同じく二度と飲まないようにしなければならないのに、100メートル歩けばコンビニで手に入ります

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タバコとアルコールの違い

タバコとアルコールの違いについて。タバコは副流煙にさえ気をつけていれば他人に迷惑をかけません。しかし、アルコールの飲み過ぎは人に迷惑をかけます。 DV、ケンカ、警察沙汰、免許取り消し、職場を解雇、家庭崩壊・・・・・・実に様々な形で家族や周りの人に迷惑をかけてしまします。

アルコール摂取障害

「アルコール依存症」もまた古い言い方になっており、「アルコール摂取障害」や「アルコール使用障害」と呼ばれるようになってきました。現場(病院や自助グループ)ではぜんっぶひっくるめてアル中と呼ぶ場合が多いです。

多量飲酒はアルコール依存症になる危険性大

酒の飲み過ぎはアルコール依存症になる危険性大
酒の飲み過ぎはアルコール依存症になる危険性大
日本人の適量飲酒量日本人の多量飲酒量
アルコール換算で20グラムアルコール換算で60グラム以上

ビール大瓶3本、日本酒3合、焼酎ストレート1.5合以上で多量飲酒となり、アルコール依存症になりやすいと言われています。

しかし、これは教科書的に書いてあるだけで、いままで出会った方はまったく違いました。多量飲酒量の何倍も飲んで依存症にならない人、ただの大酒のみがいました。また一方で、知人は毎日缶ビールたった2本でアルコール依存症と診断されました。

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アルコール依存症の症状・飲酒欲求とは

アルコール依存症の症状・飲酒欲求
アルコール依存症の症状・飲酒欲求

飲酒欲求は異常

アルコール依存症者は普段飲み続けているため、脳は「アルコールがあるのが普通の状態」と勘違いしています。そこでアルコール血中濃度が下がってくると、脳が「異常な状態」と感じ、アルコールを要求しはじめます。これが飲酒欲求です。

一般の方にはわかりにくいのですが、「喉が渇いたので水を飲みたい」「腹が減ったので飯を食べたい」と思うかのごとく、本能の欲求的に酒が欲しくなるのです。

アルコール依存症を防ぐには

アルコール依存症を防ぐには
アルコール依存症を防ぐには

まず病院で診察を

自分の意志で止められない場合は、精神科やクリニックに相談にいくことが賢明です。そして酒を止めることで、アルコール依存症を防ぐことができます。
内科へいってはだめです。内科は肝臓や膵臓を治すだけで、「酒を控えなさい」といわれるのがオチです。退院したらまた飲酒が始まります。アルコール依存症は精神的な病なのです。

手に負えない

しかし、病院へ連れて行こうとしても本人は嫌がる、または泥酔しているためするため行けない。
ほっとけば止まることなく酒を飲み仕事をしなかったり家庭内暴力で生活ができない。
肝臓のガンマは基準値をはるかに超えており肝硬変ももう間近。
どうにも手がつけられない。日常生活すらまともに送れない・・・・・・

そんな厳しい状況で日々過ごされている家族の方、本人様へ、アルコール依存症歴10年、精神病院の入院10回の筆者がなにかお力になれることがあれば幸いです。

アルコール依存症の信じられない行動

  1. 二日酔いを迎え酒で麻痺させる
  2. 会社の帰りにコンビニで飲む
  3. 家に帰ったら妻のロレツがまわっていない
  4. 酒気帯び運転をする
  5. 採血したらガンマーGTPが数100、数1000あった
  6. 休みは朝から酒臭い 、など

これらはアルコール依存症に見られる行動です。次の記事から詳しく述べていきます。

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アルコール依存症の症状とチェック方法

アルコール依存症になると「断酒」をしなければなりません。
一生酒を飲めなくなります。アルコールの薬物中毒だからです。まだアルコール依存症の一歩手前であれば「減酒」「節酒」という、一日にある決めた量だけ飲むという治療が可能です。アルコール依存症の疑いがある方は早めに精神科でチェックしてもらい、「減酒」で済むようにましょう。