今どき、こんなことをしていませんか?
・酒がなくなったら飲酒運転で酒を買いに行く
・「ちょっとしか飲んでいないから」といって運転する
・飲み会の帰りにいつも運転して帰る
昭和時代、30年くらい前ですか、会社の人も筆者も酒気帯び運転をしていました。しかし、家族ができてからはまったくやらなくなりました。しかし、飲酒運転、酒気帯び運転の罰則が厳しくなった現在でも、昔の感覚で飲んで運転する人が後を絶ちません。
●都会より田舎、若い人より年配が多い
若い人より年配の方のほうが、都会より田舎のほうが、飲酒運転をする方が多いように感じます。そしてアルコール依存症の飲酒運転は多いです。どうして罰則が厳しくなったのにもかかわらず酒気帯び運転をするのでしょうか。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
飲酒運転、酒気帯び運転はなぜ危険なのか
飲酒運転、酒気帯び運転はなぜ危険なのか思い出してみましょう。
飲酒運転、酒気帯び運転が危険なわけ
アルコールには麻痺(まひ)作用があり、脳の働きを麻痺させます。 飲酒時には、安全運転に必要な情報処理能力、注意力、判断力などが低下している状態になります。
警察庁ホームページ より引用
具体的には、「気が大きくなり速度超過などの危険な運転をする」、 「車間距離の判断を誤る」、「危険の察知が遅れたり、危険を察知してからブレーキペダルを踏むまでの時間が長くなる」など、飲酒運転は交通事故に結びつく危険性を高めます。
少しでも飲んで運転すると危険な状態になります。ある程度の飲酒量では「捕まってはいけない」といつもより安全運転になったりしますが、それを超える飲酒量だと危険な運転になります。
飲酒時の危険な運転
スピード違反をしたりしますが、スピードは出せば出すほど2次曲線で衝撃力は上がるため、2倍のスピードでぶつかると4倍の衝撃になります。
飲酒運転は死亡事故率が跳ね上がる
また、コーナー(カーブ)を曲がり切れなくなり車線を飛び出す危険があります。ブレーキの反応が遅くなり、人が横断しているのを見て止まるまでの距離が飲酒なしの場合と比べて遅くなります。そのため、飲酒運転は事故死亡率7.8倍にも跳ね上がります。
飲酒運転の行政処分
酒酔い運転、酒気帯び運転は次のような厳しい処分をされます。
(警視庁ホームページより引用)
状態 | 点数 | 処分 | 期間 ※2 |
酒酔い運転 ※1 | 35点 | 免許取り消し | 3年 |
酒気帯び運転 呼気のアルコール0.15ミリ/リットル以上 0.25未満 | 13点 | 免停 | 90日 |
〃 0.25ミリ/リットル以上 | 25点 | 免許取り消し | 2年 |
※1 血中アルコール濃度に関係なく、正常に運転できない状態。白線の上をまっすぐ歩けない千鳥足やロレツが回らないような状態。
※2 免許を取ることができない期間。
飲酒運転の罰則
酒気帯び運転、酒酔い運転は次のような厳しい罰則があります。
運転手
酒酔い運転 | 5年以下の懲役 または 罰金100万円以下 |
酒気帯び運転 | 3年以下の懲役 または 罰金50万円以下 |
車を貸した人
運転手が酒酔い運転 | 5年以下の懲役 または 罰金100万円以下 |
運転手が酒気帯び運転 | 3年以下の懲役 または 罰金50万円以下 |
酒を出した人または同乗者
運転手が酒酔い運転 | 3年以下の懲役 または 罰金50万円以下 |
運転手が酒気帯び運転 | 2年以下の懲役 または 罰金30万円以下 |
実際のところ、酒酔い運転(初犯)では60~70万円、酒気帯び運転(初犯)では30~40万円が多いようです。
昭和時代の飲酒運転、酒気帯び運転
懲りない上司
筆者が免許取り立てのころ、まだ昭和の約30年前は、酒気帯び運転でも6点で免停、罰金も10万円程度でした。
なので上司は毎日のように飲んで酒気帯び運転で帰ってました。 それが普通のことなのかと思い、筆者もそれに見習っていました。
検問で免停に
その昭和の頃、その上司は検問にひっかかり免停になりました。
これで飲酒運転を止めると思いきや、同じところで続けて2回も検問していないだろうとまた飲酒運転で帰り、また同じところで検問に合い、今度は免許取り消しになってしまいました。
懲りない上司は3度捕まる
それでも懲りない上司は無免許運転でまた飲酒運転で帰りました。
するとまたまた同じところで検問をしていたのです。今度は逮捕されてしまい、交通刑務所で半年ほど服務したようです。
福岡でのいたましい事件
まだ記憶に新しい、平成18年の福岡での事件。
飲酒運転のクルマに、衝突され、車ごと川に転落。三人の子どもたちが川の中の車に閉じ込められ、母親が必死に救出しようとして川に飛び込みましたが、三つの幼い命を救えなかった。
幼い子供たちが飲酒運転、酒気帯び運転の犠牲となった、悲惨な事件でした。
それがきっかけで道路交通法が改定され、酒気帯び運転手および同乗者に厳しい処罰が課せられるようになったことは、記憶に新しい事実です。
現在の飲酒運転の風潮
飲酒運転の罰則が厳しくなったのと社会の風潮で、飲酒運転をする人が激減しました。会社の飲み会に車で来た人は絶対に飲まないです。
代行が安価になった
また代行運転のタクシーが以前と比べ激安になったせいでしょうか、代行で帰宅する人も増えてきました。
アルコールの代謝時間
以前はビール1杯、日本酒1合程度を肝臓が代謝するのに4時間と言われていましたが、最近の精神科で習うのは5時間かかるというように(精神病院では)訂正されました。ビール1杯で5時間なので、2杯、3杯と飲めばその2、3倍近くかかるということです。
二日酔いで運転すると酒気帯び運転に
そういうわけで、深酒すると朝まで酒が残ってしまい、朝に酒気帯び運転になってしまうのです。夜は飲酒運転せずにちゃんと帰ったのに、朝の運転で事故をしてしまい、酒気帯び運転が発覚して思い処罰になるのは、アルコールの代謝時間を考えていないからですね。
アルコール依存症の実態
「常習的に飲酒運転を繰り返す人がいるんです。アルコール依存症でやめられない人たち」だという。事故を起こす半数がこれだ。
Jcastテレビウォッチサイト より引用
テレビでこのように言われたようです。以下は筆者が通っている断酒会の人の話です。
田舎に住んでいるから・・・・・・
郊外の田舎のほうに住んでいる方は、車が離せません。食料や生活雑貨を買いに、必ず車を使わなければなりません。
旦那さんのほうがアルコール依存症で、奥さんだけが断酒会に来ていました。 酒が家にあるうちはいいのですが、酒が切れると必ず車で買いに行くのだそうです。もちろん酒気帯び運転か飲酒運転です。
田舎はコンビニがない
奥さんは酒を止めてほしいので、運転はしません。「酔ってないから大丈夫」、そういって勝手に何回も車で買いに行くとのこと。いつか事故をしないか、不安で不安でしょうがないそうです。
消防士のエリートが・・・・・・
毎週断酒会に来ている、アルコール依存症で50歳すぎの消防士Aさんがいました。あの高いやぐらのようなものに上って消防訓練を行う全国大会で優勝するようなエリートの方でした。
東北大震災にて
例の東北大震災が発生しました。ここ広島は被害はないのですが、消防士魂とでもいうのでしょうが、彼は自ら志願して東北に行き、被災地の復興作業のボランティア活動を行いました。
しかし暑い中、積み上げられた死体が腐ってもの凄い異臭を放ち、トラウマになるほどだったそうです。
再飲酒がはじまる
現地の消防隊は被災地での作業が終わったら疲弊して必ず飲むありさま。何年も断酒しつづけた彼も、疲弊し疲れ果てていたのでしょう、飲酒が始まりました。
広島に帰ってきた彼は、飲酒をやめることができず、それが原因で奥さんと離婚。それが拍車をかけたように、朝から飲み続け、酒が無くなったら車でコンビニに買いに行く始末。
飲酒運転で事故
ある日、コンビニの駐車場で物損事故を起こしてしまいました。警察沙汰となったのはいいのですが、地元の中国新聞に書かれてしまいました。普通の酒気帯び運転なら、新聞でいえば数センチ、10行くらい書かれて終わりなのですが。
彼は公務員だったからなのか、下1段全部使って書かれ、叩きあげられました。しかも4回もです。見せしめです。職場は懲戒解雇、50歳過ぎの当時でも数100万円か1000万円かあったであろう退職金はゼロ。もう飲み続けるしかなかったようです。
独り孤独死
ある日、不審に思った大家さんがアパートのドアの鍵をあけ部屋に踏み込むと、ガリガリにやせ細ったOさんの変わり果てた遺体が横たわっていました。
酒ビンに埋もれていたそうです。
アルコール依存症で酒気帯び運転は多い
このような例で分かる通り、アルコール依存症で 飲酒運転、酒気帯び運転する人はまだ多いようです。
目的はもちろん、酒を買いにいくためです。もちろん、アルコール依存症でも飲んだら絶対に運転しない方もいます。
酒を買いだめしておく?
常習的な飲酒運転を防ぐには、酒を買いだめしておくしかないのでしょうか?飲酒運転で物損事故をしたり人身事故をするくらいなら、酒で身体を壊すほうがマシだと筆者は考えますが、いかがでしょうか。
まとめ 飲酒運転・酒気帯び運転はアルコール依存症の症状
飲酒運転は人生を変えてしまいます。
アルコール依存症で飲酒運転するぐらいなら、酒を大量に買っておいた方がマシです。 人をはねるよりずいぶんマシでだと考えます。
Aさんの例では、アルコール依存症であることを理由に、断酒会の会長が少しでも退職金が出るように話をしに行きましたが、結局1銭も出ませんでした。
アルコール依存症でもそうでなくても、 飲酒運転、酒気帯び運転で人生が狂った人、狂わされた人がたくさんいます。
飲酒運転、酒気帯び運転はただちに止めましょう。