アルコール依存症は「失う病気」とも言われています。
アルコール依存症の症状が進むにつれて、仕事、金、健康、家族、信頼など次から次へと失っていきます。
アルコール依存症の末路は悲惨なものです。
アルコール依存症の末路、さまざまなものを失う
アルコール依存症や大酒飲みはいろいろなものを失います。それは何をするにおいても、優先順位が「酒が1番」という行動になるからです。
仕事より家族よりなによりも酒、酒、酒が中心の生活になってきます。そして最後には失職し、家族からは嫌われ、友人も離れていきます。
そんな人生を送りたいですか?
嫌ですね。
そのために大酒飲みの人は酒を減らす、アルコール依存症と診断されていれば断酒することが大切です。そうすると、 仕事、金、健康、家族、信頼がじょじょに回復していきます。
このような実例があります。
アルコール依存症の末路 失職
体験談①失職し職を転々と
筆者が最初に入院したのはうつ病が原因でした。
うつ病が回復し退院して復職したところ、また再発し、あまりにもしんどいので酒を飲み続けていたところ「アルコール依存症」と診断されました。
2回目はアルコール依存症で入院となりました。
2カ月後に退院、復職しました。復職して頑張っていたつもりなのですが、仕事のストレスで再飲酒してしまい。それがきっかけとなって連続飲酒に発展し、有給をとって朝から飲むようになってしまいました。
これではいけないと、また入院させられました。
バリバリの営業から総務部へ左遷
2カ月後に再び退院しました。元々は営業兼システムエンジニアだったのですが、総務部に異動させられました。そして何も理解してくれない上司から
「もうそろそろ(退職しては)どうか」
と暗に退職を勧められ、自己退社ではあるものの、事実上のクビになりました。
その後、有料老人ホームの管理者や、派遣社員などもやったりもしましたが、ストレスや人間関係のトラブルで再飲酒・入院してしまい、長続きせず。
3社ほど転々とし、結局失職しましたが、また飲んでしまうのが怖いため障害年金をもらって仕事は一旦あきらめました。
自営業なのに飲酒して仕事ができない
断酒会で、Aさんの例です。
彼は30代で起業し、母親と共に弁当屋を営んでおりました。一応社長であるので自由がきくため、毎日缶チューハイを飲みながら弁当を作っていました。
しかし、長らくの飲酒と運動不足のせいで糖尿になってしまい、足先が腐って強烈な異臭を放ち、足の爪が取れて無くなってしまうほどの酷い症状になりました。
仕事をしながら一日中飲む日々が続く
結局、現場で立ち仕事の弁当を作ることができなくなり、奥の部屋の事務所に引っ込んで事務作業をもくもくと行う日々が続きました。
奥の事務所には誰も来ることなく、母親が時おりのぞきにくるだけ。そのため酒は飲み放題で、一日中ずっとストロングチューハイを飲み続けていたのだとか。
それ以降、彼が現場に復帰することはなく、断酒会にも来なくなりました。
その後の知らせでは、酒を切らすことなく飲み続け、40代の若さで亡くなりました。 悲惨なアルコール依存症の末路でした。
公務員で運転免許取り消し、懲戒解雇になり失職
以前登場した公務員でエリート消防員のBさんで、同じ断酒会です。
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彼はアルコール依存症で断酒してました。
彼の正義感で、広島から東北大震災の復興作業に向かいましたが、積み上げられた遺体の強烈な臭いがトラウマになり、再飲酒が始まりました。
広島に帰ってきても飲酒は止まらず、奥さんとも離婚。ますます飲酒に拍車がかかり、あげくのはてに酔って車でコンビニに酒を買いに行き、物損事故。
警察が呼ばれ、酒気帯び運転で免許取り消し。
公務員で消防士の酒気帯び運転ということで新聞に4回も大きく取り上げられ、懲戒解雇に。
消防士のためつぶしがきかず、新聞に4回も取り上げられたため50歳で再就職ができない状態になり、ひとり部屋で飲み続ける日々が続きました。
彼も50歳で独り孤独死します。 悲惨なアルコール依存症の末路です。
酒を飲んで社長と喧嘩し失職する
肝硬変のC君は、一緒のアルコール依存症専門病院に入院してた30代の若者です。現場系の仕事をしていましたが、そこの社長が良い人なのでしょう、退院後の復職の道を考えておられたようです。
C君は3ヵ月の入院の後、筆者より一足先に退院しました。しばらくして筆者も退院したのですが、突然、彼から電話がありました。
飲んで仕事を失う
酔った声で「会社をクビになった」のだと。話をよく聞いてみると、「飲まなかったら復職させる」条件だったのが、飲んでしまったらしいのです。
飲んでしまい社長と喧嘩してクビ。他にも関連する会社に雇ってもらいつつも、やはり酒で社長と喧嘩してクビになり。
今では日雇いの現場系の仕事で食いつないでいるそうです。
アルコール依存症が原因で失職
お酒が原因で仕事を失う例を一部あげてみましたが、このようなケースは数え切れないほどあります。
アルコール依存症に理解があり、断酒の手助けをしてくれる良い上司はたくさんいるのですが、自分で飲んでしまい、結局仕事を失う。
精神病院の常連は生活保護者ばかりです。
アルコール依存症が退院して無職で断酒を始めたら
アルコール依存症が入退院して、無職でもすぐに仕事につかないほうがよいとされています。筆者のように、ストレスでまた飲んでしまうからです。
まず1年は我慢するように言われますが、経済的に余裕がない限りそんなことはできません。時間があるため仕事もしていないのに飲んでしまう人もいます。
ひとまず障害者就労継続支援A型(作業所)や障害者就労支援施設に通う手段もあります。
運転免許取り消し
酒気帯び運転は昔は6点の免停で済んだものが、最近は13点、あるいは25点の免許取り消しと処分が厳しくなっています。
酒酔い運転では35点で一発取り消しです。 アルコール依存症者で免許証がない人は多いです。
酒酔い運転
酒酔い運転 千鳥足やロレツが回らないなど | 35点 | 免許取消し 欠格期間3年 |
酒気帯び運転
呼気中アルコール濃度0.15mg/l 以上 0.25mg/l 未満 | 13点 | 免許停止期間90日 |
呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上 | 25点 | 免許取消し欠格期間2年 |
警視庁HP より引用
飲酒運転で運転免許証取り消し
前述の消防士Bさんは、泥酔して事故を起こしため一発で運転免許取り消しになりました。車から出たらフラフラで足元がおぼつかない状態だったらしいです。
若い時に運転免許取り消し
肝硬変のC君の場合、すいぶん昔に免許取り消しになったようです。仕事が現場の力仕事なのですが、その系の仕事は現場ごとに集合場所が変わります。
同僚に頼みこんで車に乗せていってもらっていたそうですが、現実的には、現場関係の仕事で免許なしで新しい職場に就職するのは難しいと考えます。
就職が難しくなる
どちらにしても、デスクワークでない限りは運転免許証がないと就職が難しくなりますね。 デスクワークでも、履歴書に免許証の記載がないとあやしくなります。
まとめ アルコール依存症の末路 職を失う・公務員で失職など
アルコール依存症は、たびたび深酒をするようだと、遅刻したり欠勤したりして、職場の信頼を失います。そして最後にはほぼ仕事を失い、失職します。アルコール依存症の末路です。
それを防ぐために、酒飲みなら酒を減らす、アルコール依存症なら断酒すること。これにによりじょじょに信頼が回復していきます。
アルコール依存症が仕事を失った例を挙げましたが、次は友達、健康、金、家族、命を失ってしまいます。また次回。