「禁酒でダイエットに成功した!」と聞くことがあります。
晩飯からお酒のカロリー分引かれるので、体重が落ちるのでしょう。
しかし、アルコール依存症の実際の例からすると、禁酒・断酒でダイエットできた方よりも、太った方のほうが多いのです。
なぜでしょう?
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
禁酒・断酒でダイエットの効果があった方
実際にアルコール依存症で禁酒でダイエットできた女性ブロガーAさんは、1年で14kg落ちたとのことです。
病院には入院されていないので、アルコール依存症としては軽度の方だと思われます。
この場合は飲酒中も晩ご飯はしっかり食べておられ、晩酌のアルコールのカロリーを禁酒で減らしたため痩せたのだと考えられます。
禁酒・断酒でダイエットできない人
本格的なアルコール依存症になると、飯をほとんど食べなくなります。
というか食べられなくなります。
食道、胃や腸がアルコールでやられて、食べ物を受け付けなくなるのです。
アル中は飯を食べないことが多い
幾たびも入院しましたが、入院しなければいけない状態は、連続飲酒でもはや人間の生活を送れていない状態でした。
朝、昼はもちろん、晩飯もろくに食べず。それが1週間や10日も続く。
「食べないと命がヤバイな」と思い、無理矢理食べることがたまにあるくらいなのです。
入院しても食事が食べられない
精神病院に入院して、アルコールが切れて、最初はおかゆを出されるのですが。
おかゆでさえ、3口も食べられない。胃が受け付けない始末。
消化器官がアルコールで荒れて食欲どころではない、という感じでした。
甘いものが食べたくなる
数日経つと胃腸の荒れもおさまり、ご飯が食べられるようになります。
胃腸が元気になってくると、今度は食欲がすごいことに。
そして無性に甘いものが食べたくなるのです。
それには脳内の快楽報酬系が関わっているといわれています。
脳内の快楽報酬系とは
アルコールが脳内の快楽報酬系に及ぼす影響については、以下のように述べられています。
アルコールは“依存性薬物”と同じように扱われているようです。
その理由は、「脳内報酬系」または「快感回路」などと呼ばれる神経系が関係していると考えられているからです。
「脳内報酬系」とは、欲求が満たされた時に活性化し、その個体に快感を与える神経系であり、アルコールを含めた依存性薬物のいずれも、これらを投与することで「快感」をもたらすという共通の特徴があります。
CAVEサイト より引用
甘いものがが脳内の快楽報酬系に及ぼす影響については、以下のように述べられています。
糖質も甘味も薬物依存と同じ作用をすることが動物実験などで明らかになっています。
Daiwa 糖質と甘味は中毒になる より引用
快感を求めて甘味や糖質の摂取を求め、次第に摂取量が増え、摂取しないとイライラなどの禁断症状が出てきます。ラットの実験で、薬物よりも甘味の方がより脳内報酬系を刺激するという結果が報告されています。
つまり、甘味は薬物よりも中毒(依存性)になりやすいという実験結果です。 砂糖の多い食品や飲料の過剰摂取は甘味による快感によって引き起こされ、これは薬物依存との共通性が指摘されています。
アルコールの快楽報酬系と甘いものを食べた時の快楽報酬系が似ているのです。
なので、禁酒・断酒を始めた人は、アルコールの代わりに甘いものを食べて快楽報酬系を満足させようとするのです。
禁酒・断酒して太った例
アルコール依存症専門病院呉みどりヶ丘病院や、瀬野川病院に一緒に入院していた人ですが、ほとんどの人が甘いものを食べて太っていました。
Bさんは3ヵ月で+15キロ。
Cさんは3ヵ月で+10キロ。
筆者も4か月で+6キロ。
禁酒・断酒に太った理由
普段、酒だけで食べ物をあまり食べていなかった。
それが、入院して3食ちゃんと食べるようになった。
さらに、アルコールの代わりに菓子、特に甘いものを欲しがり食べるようになった。
入院中は極端な運動不足になる。
これらがいっぺんに起こるため、Bさんのように+15キロも太ったりするのです。
禁酒・断酒はダイエットに効果的だけど、アル中は太るのはなぜ まとめ
禁酒・断酒することによりダイエットになることが一番良いのですが。
甘いものを食べてしまいダイエットにならなくても、大量飲酒の害に比べたら100倍マシです。
甘いものの食べすぎは肥満、高脂血症、糖尿になる可能性がなくはないですが、アルコール依存症の酒の身体への害は比較になりません。
甘いものを食べて死ぬことはありません。
適度に甘いものを食べて、禁酒・断酒を頑張りましょう!