高齢者のアルコール依存症、80代でアル中で入院 依存症2

高齢者のアルコール依存症

アルコール依存症の知人の体験談です。

断酒して健康を取り戻した人、命を落とした悲惨な人などさまざまな体験を聞きました。

そのうちのひとつの話です。

81才の高齢でアルコール依存症と診断され、入院させられた方の話です。

もう寿命であと何年生きるか、のお年でアルコール依存症で入院。

意味あるのか?

しかし、最近は高齢者のアルコール依存症が増えているそうです。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

高齢者のアルコール依存症

高齢者のアルコール依存症
高齢者のアルコール依存症

高齢者のアルコール依存症は特に定年後が多いです。

定年退職すると、職や地位、名誉、友人などを失います

娘が嫁に行ったのを悲しみ、毎日飲んでアルコール依存症になった人も。

さらに高齢者になると、財産、同胞、配偶者などを失います

ひとり寂しく酒を飲み続け、アルコール依存症になる人が多いようです。

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80代でアルコール依存症で入院

80才でアルコール依存症で入院
80才でアルコール依存症で入院

アルコール依存症専門の呉みどりヶ丘病院で入院中、ずっと隣のベッドだったお爺さんをBさん(仮名)とします。

背は小柄で中肉中背、髪は坊主にしていたが、ハゲてはいません。

80代にしてはしっかりしてます。

病院内の部屋も一緒で、断酒会でも一緒でした。

院内断酒例会は、「ふたば会」の親戚の「みどり会」という断酒会が主催して行われます。

お爺さんは愛媛県在住(四国)と遠いのに、なぜか広島の呉みどりヶ丘病院に入院しました。

何100キロ離れているのか。

聞いてみると、弟さんが現地の「断酒会会長」をしていて、むりやり入院させられたとのこと。

もう高齢で81歳にもなります。

わしゃーもうこんな年で、男子の平均寿命はとっくに過ぎとるんじゃけ、入院せんでもよかろう

というのがが口癖でした。

採血結果も悪くなかったのです。

そう思いますね。80も過ぎてるんなら、酒は好きに飲んで天寿をまっとうすればいいと思いますよ

と、適当に相づちをうっていが、実際にそう思いました。

アルコール依存症になるきっかけ

どぶろく
どぶろく

Bさんの若いころは戦後のどたばたの最中だったという。

Bさんのお父さんが「どぶろく」、いわゆる密造酒をつくって売っていました。

そのどぶろくを毎日味見させられて、酒の味を覚えたらしいのです。

昔の酒気帯び運転

密造酒を運ぶ
密造酒を運ぶ

愛媛から、よく野菜を売りに広島まで来たらしい。

トラックの荷台に野菜を積み、運転座席の後ろに一升瓶を隠し、信号で止まる度に一升瓶をとりだして飲みながら運転していたのだとか。

積載オーバーで捕まったときに、警察に

酒臭いぞ、飲むなよ

と注意されたことはあったが、実際に捕まったことはないという。

古き良き時代、現代と違い飲酒運転には寛容だったようです。

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密造酒の取り締まり

密造酒
密造酒

飲酒運転より、密造酒の取り締まりのほうが厳しかったようです。

押し入れに一升瓶が何10本も隠してある。

押し入れを開けた手前のところだけ、空の一升瓶を何本も置いておく

査察があったらそれを見せたという。

何回かはバレなかったが、そのうちバレた。

警察に、密造酒をつくる機械をぶちこわされた。

しかし、こりないお父さんはそのたびに作り直していたようです。

アルコール依存症の再発

アルコール依存症の再発
アルコール依存症の再発

Bさんは、最近10年近くは酒を止めていました

こころがある日、大風邪をひいてしまいます。

こころ優しい奥さんが、「玉子酒」なる、日本酒を熱燗にして玉子を入れたものを作ってくれたそうだ。

せっかく作ってくれたのに、飲まない訳にはいかない。

ぐいっと飲みこむと懐かしい味がした。

10年飲まなかったのに、それから再び飲酒が始まってしまったという。

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退院するには「試験外泊」が必要

瀬戸内海
瀬戸内海

退院するには、一旦「試験外泊」なるものをしなければならない。

家に外泊して、生活に問題がないかどうかを家族がチェックするのです。

私の場合は広島県呉市(戦艦大和を造ったところ) → 広島市内なので、片道2~3時間はかかりましたがなんとか往復できました。

81歳のお爺さんは、広島県呉市 → 海を渡って愛媛県 今治市まで、公共交通機関で何度も往復しなければならないというのです。

ちょっとそれはしんどいだろう思ったし、Bさんも

ちょっとやれん(難しい)のう、なんで何回も外泊せんといけんのや

と、怒り気味だった。

退院できない

ぼくは入院4か月目、秋口の10月に退院しました。

同じ時期に入院したBさんも退院できるハズだったが、退院が伸びたのです。

家族が迎えに来る → 愛媛県今治市までもどる → 泊まる →家族と広島県呉市の病院までもどる

という日程が、なかなかたたなかったのです。

御年81歳、自分の人生なのだから、もう好きにさせてあげればいいのに・・・・・・

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まとめ 高齢者のアルコール依存症、80代なのに入院

現役世代の若者より高齢者は自由な時間が増えるため、また配偶者が止めないなどの条件が重なり、アルコール依存症になるケースが多いようです。

次のように言及されています。

高齢者では高齢者特有のライフイベントがきっかけとなり、アルコール依存症となる例があります。

特によく見られるのが、定年退職を機に飲酒量が増えたという例です。

若年発症と高齢発症のアルコール依存症者の飲酒問題の契機を比較すると、高齢者では自由な時間の増加がきっかけとなっていることが多いことがわかっています。

また、家族との死別、生きがいの喪失、孤独感など高齢者特有の心理が飲酒問題の原因となることもよく見られます。

依存症対策全国センター 高齢者の飲酒について  より引用

酒におぼれず、よい趣味をみつけて充実した生活を送りましょう。


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