アルコール依存症は遺伝する?吐血、病院で幻覚幻聴 依存症3

アルコール依存症は遺伝する

アルコール依存症の知人の体験談です。

断酒して健康を取り戻した人、命を落とした悲惨な人などさまざまな体験を聞きました。

そのうちのひとつの話です。

10年断酒しているCさん(仮名)。

お父さんがアル中で50歳で亡くなったそうだ。

小さいころからアル中のお父さんを見て育ち

ぼくは決してアル中にはならない

と決めていたのに、結局本人もアルコール依存症になってしまった。

お爺さんもアル中だったそうです。

アルコール依存症は遺伝するのでしょうか。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

アルコール依存症の遺伝

遺伝する
遺伝する

まず遺伝子的にですが、「お酒に強い肝臓は遺伝します。

お酒に強い肝臓の遺伝

肝臓には以下の3タイプがあります。

  • NN型 (酒に強い)
  • ND型 (訓練すれば飲める)
  • DD型 (酒がまったく飲めない)

両親からNかDのひとつづつをもらうため、NN型になってしまえばお酒が飲める強い肝臓が遺伝します。

逆にDD型になれば飲めない肝臓が遺伝することになります。

しかし、いくら強い肝臓が遺伝したからといって、アルコール依存症になるわけではありません

あくまでも肝臓のタイプであって、お酒を飲まなければアルコール依存症にはなりません。

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環境遺伝によりアルコール依存症、DVなどが遺伝する

アルコール依存症の環境遺伝
アルコール依存症の環境遺伝

遺伝子による遺伝とは別に、アルコール依存症の親や家族の元で育った子どもは、アルコール依存症になる可能性が高いと言われています。

それは子どもだけではなく、孫の世代や親戚にまで遺伝します。

世代連鎖」とも言われています。このようにも言及されています。

アルコール依存症の親をもつ人は、そうでない人よりも、大人になってから依存症になっている割合が高いことがわかっています

アルコール依存症の親のもとで育った女性が、大人になってからなぜかアルコール依存症者の配偶者となっていたり、ギャンブル依存症の夫のもとで苦労していた、ということがよくあるのです。

父親が母親に暴力をふるうのを目撃しながら育った(面前DVといいます)息子が、大人になってからDV加害者になっていたという連鎖も、よくみられます。

特定非営利活動法人アスク 世代連鎖を防ぐ  より引用

アルコール依存症、DV、ギャンブル依存症などは世代連鎖という形で環境遺伝していくのです。

小さい頃から親の姿を見て育ち「こうはなるまい」と思っていたのに、いざ大人になってみると同じことをしているのです。

これは、幼少時の「学習」や「トラウマ」の心理状態が関係しています

断酒歴は長いが、最初は断酒できなかった

隠れて酒を飲む
隠れて酒を飲む

冒頭のCさんは今やもう、10年以上断酒継続しています。

模範生、と言いたいところなのですが。

最初のうちは、3ヵ月断酒してはスリップ(断酒中に再飲酒)。

また3ヵ月断酒してはスリップ。

またまた3ヵ月してはスリップ。

3ヵ月男」と呼ばれていたそうです。

断酒会に出席はしていましたが、隠れ飲みもしていたとか。

そんなこんなが4年くらい続きました。

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大量の吐血

大量の吐血
大量の吐血

まだスリップを繰り返していたころ。

ある日、血を吐きました

吐血です。

黒い、元は真っ赤であったであろう血が胃から逆流して口から噴き出てきました。

あまりの大量の血に驚いて、とりあえず洗面器に吐きます。

大量飲酒による幻覚

トカゲの幻覚
トカゲの幻覚

すると、洗面器の中の血にまみれて、トカゲのような生き物がはっていたそうです。

またびっくりして、とりあえずトカゲを捕まえ、それをジップロックに捕獲して冷蔵庫に入れました。

そして断酒会の会長に電話で助けを求めます。

会長が駆けつけると、部屋は血まみれ、洗面器には大量の血。

すぐに救急車を呼びました。

Cさんが

胃の中にトカゲみたいなのがおったけ、捕まえてジップロックに入れ冷蔵庫に入れた

と繰り返し言うので、冷蔵庫をあけてみます。

確かに血まみれのジップロックがあったのですが、中はもぬけの殻。

幻覚でした。

それから、ある総合病院に入院ます。

何人かが一緒の大部屋です。

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アルコール離脱症状による幻覚幻聴

オーケストラの幻覚
オーケストラの幻覚

夜、寝ていたら、なんか騒がしい。

音楽が聞こえる。

病室のドアを開けてみると、そこにはオーケストラの楽団がいたそうです。

オーケストラが大きな音で演奏してる。

ははあ、きっとぼくの誕生日が近いから、皆で練習しているのだな

と思ったのだと。

そしてしばらくすると、あの松崎しげるが部屋に入っていて大きな声で歌いだした。

Cさんに歌声を披露した。

ははあ、きっとぼくへの誕生日プレゼントだな

と思ったのだと。

近くにいた看護師に、

すごく楽しい。ぼくのためにわざわざありがとう

とお礼まで言ったそうです。

ここは病院です、もちろんすべて幻覚幻聴です。

ある日は、ドアが開いて、旧日本兵が戦地に行く恰好をしてライフルを持ってどかどかと入ってきた。

しばらくすると通り過ぎて行ったと。

これは怖かったらしいです。

アルコール依存症の父の寿命を超えた

そんなCさんは、断酒して10年を越し、60歳になった頃、

「絶対アル中にはなるまいと思ってアル中になってしまったけど。

ああ、父の寿命を越してしまった

アルコール依存症の平均寿命52~53才も越してしまった・・・・・・

断酒を続けていてよかったと。

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まとめ アルコール依存症は遺伝する?吐血、病院で幻覚幻聴 

Cさんは祖父と父親の影響を受け、環境遺伝したのかアルコール依存症に。

筆者も父がアルコール依存症に近い状態で、やはりアルコール依存症に。

何%という数字は出てないのですが、アルコール依存症が環境遺伝する確率は高いと考えられます。

それか、親を反面教師としてまったく酒を飲まないかです。

とえあえず断酒を続けることによって、アルコール依存症の平均寿命を大きく超えることは可能なことは実証済です。

Cさんはもう60代になりました。

アルコール依存症者は断酒をしてまっとうな人間らしく寿命を迎えましょう。 今は100歳の時代です!


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