アルコール依存症の外国人女性が断酒できず、ビルから飛び降りる 依存症4

アルコール依存症の外国人女性が断酒できず、ビルから飛び降りる

アルコール依存症の知人の体験談です。

断酒して健康を取り戻した人、命を落とした悲惨な人などさまざまな体験を聞きました。

そのうちのひとつの話です。

私が地元の断酒会に通い始めたころ、いつもDさん(仮名 女性)が出席していました。

彼女は南米出身で、なれそめは良く知らないが、日本人男性と結婚し、そして離婚。

日本からすると地球のま裏の出身にもかかわらず、日本に残り子育てを頑張っていました。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

欧米人はアルコール依存症になりやすい

欧米人はアルコール依存症になりやすい
欧米人はアルコール依存症になりやすい

ところで、お酒が強い人弱い人は、肝臓のアルコールとアセドアルデヒドを分解する酵素の働き強いか弱いかにかかわっています。

これは親から遺伝され、次のタイプに分けられます。

  • ALDH1型アセトアルデヒド濃度が高くなってゆっくり分解する
  • ALDH2型アセトアルデヒド濃度が低くても作用する

お酒の強さは、ALDH2型酵素のはたらきによって決まります。タイプとしては次の3種類の型があります。

  • NN型:お酒に強い
  • ND型:練習すれば飲める
  • DD型:下戸でまったく飲めない

つまりお酒が飲めるかどうかは、両親からの遺伝で決まるということです。

アルコールが飲めない人の割合

アルコールが飲めない人
アルコールが飲めない人

また、人種によってもかなり差があります。

ヨーロッパ等の人種は殆ど全員がNN型でお酒に強く、モンゴロイド(蒙古系人種)に属する中国、朝鮮半島、日本、東南アジア地方の人種は一定の割合でND型あるいはDD型といったお酒にあまり強くない人がいると言われています。

お酒にあまり強くない人の割合
日本人・・・・44%
中国人・・・・41%
タイ人・・・・10%
フィリピン人・・・・13%
ヨーロッパ系白人・・・・0%
アフリカ系黒人・・・0%

国税庁ホームページ「あなたはお酒が強い人?弱い人?」 より引用

モンゴロイド(東洋人)の人はかなりの割合でお酒が飲めないか、飲むために訓練が必要ということです。

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アルコールが飲める人の割合

アルコール依存症の外国人
アルコール依存症の外国人

上記の数字を逆にすれば、アルコールが飲める人の割合となります。

ロシア人やアメリカ人にアルコール依存症が多いのは100%全員がアルコールを飲める体質だからです。

それに加えて、社会的要因(失業率や離婚率など)も加わっています。

アルコール依存症の割合

資料から見ると

1位 ベラルーシ 11.0%
2位 ハンガリー 9.4%
3位 ロシア   9.3%
あの大国ロシアの成長を妨げていたのはウォッカによるアルコール依存症だとも言われています。

12位 アメリカ 4.7%
12位 韓国   4.7%
136位 日本    1.1%

世界ランキング   より引用  

データ上は、日本は以外と低いのです。ただ日本には、アルコール依存症者は4万人以上いると言われています。これは2%を超えます。

このデータは医療機関でアルコール依存症と診断された人口の割合のため、その国の医療体制いかんで数字が変わってくるものだと考えられます。

地球の裏側から日本に来て頑張っていた

Wikipediaより引用
Wikipediaより引用

外国人女性の話に戻ります。

彼女は母国を離れて、ずっと日本に住んでいました。

筆者より1つか2つ年上です。

始めのうちは心もとない日本語でしたが、かなり勉強したようです。

後に、新聞を読めるほどに上達していました。

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離婚、そして孤立

離婚、孤立
離婚、孤立

彼女には2人の娘がいましたが、離婚しました。

離婚はしたが、娘たちが小さいため母国に帰らず、ずっと日本で娘たちの面倒を見てきました。

その頃から酒浸りになっていたと聞きます。

娘たちが小さいころ、断酒会に来たこともあります。

ハーフなので、それは可愛らしい娘さんでした。

登校拒否

登校拒否
登校拒否

その娘さんが中学校になって、登校拒否になりました。

お父さんはいない、お母さんはアルコール依存症

登校拒否になるのも無理はない環境です。

娘たちにとっては悲惨な環境でした。

酒のせいで娘さんとよく喧嘩をしたらしいです。

唯一の肉親が酒浸りでは、文句を言いたくもなるでしょう。

Dさんはわりと酒乱癖がありました。

ある日の夜、酔っぱらって包丁を持ってコンビニで暴れたのです。

とうぜん警察沙汰になりました。

とくに誰かを刺したわけではく、金銭を要求したわけではないので、すぐに釈放されました。

断酒会の人が

なぜそんなことをしたのか

と尋ねてみると、

うちの国では普通の事よ

と、あっけらかんと答えたといいます。

それほど南米の治安は悪いらしいのです。

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アルコール依存症で精神病院に一緒に入院

アルコール依存症で精神病院に入院
アルコール依存症で精神病院に入院

かなり昔、筆者がスリップ(再飲酒)して精神病院の閉鎖病棟に入院したことがありました。

その時はR4病棟で、男女混合です。

入院したてだったので、デイルームでいろんな人を観察していました。

ふとみると、Dさんが窓際に座っていました。

彼女もやはりスリップして入院していたのです。

偶然でしたが、戦友を見つけた気分になり、嬉しくなりしゃべりかけました。

そして彼女のほうが早く入院したため、早く退院していきました。

しばらくすると、彼女は、断酒会に来なくなりました。

娘たちはもう大人です。

大丈夫かねえ、飲んでないかねえ

と断酒会の面々は心配していました。

マンションから飛び降りる

マンションから飛び降りる
マンションから飛び降りる

ある日、会長から聞ききました。

「Dさん、マンションの4階から飛び降りたらしいよ

訳を聞いてみると、娘さんと大喧嘩して、とつぜん4階の窓から飛び降りたとのこと。

いくら感情的になっても、素面(しらふ)で4階から飛び降りるのはとてもじゃないが怖くてできっこない。

当然、飲んでいたのでしょう。


骨盤を骨折したため、後遺症で下半身麻痺になるのではないかと噂されました。

が、数か月後にDさんの目撃情報が。

杖をついて歩いていた

という。

後遺症はほとんどなく、足の一部を痛めただけですんだようです。

そして数ヵ月後、何事もなかったかのように、断酒会に現れました。

その時は飲んでないようでした。

しかしそれは昨年の話になります。

それから数ヵ月経ちますが、顔を見てません。

飲んでなければいいのですが・・・・・・

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まとめ アルコール依存症の外国人女性が断酒できず、ビルから飛び降り

高齢の母親と兄弟が南米にいて、母親の面倒を見に帰りたがっていましたが、莫大な費用、片道36時間、さほど収入がない彼女は帰るに帰れず、ずっと耐えていたようです。

最近、母親が亡くなったとの知らせが届いたとのこと。

娘が結婚してしまったので、本人は本当に孤立してしまいました。

酒に走らなければいいのですが。

ちょっと日本人には当てはまらない環境になりますが、アルコール依存症にはこんな例もあります、という体験談でした。


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