消防士が不祥事【飲酒運転】で人生転落から孤独死へ 依存症5

消防士が不祥事、酒気帯び運転で人生転落

アルコール依存症の知人の体験談です。

断酒して健康を取り戻した人、命を落とした悲惨な人などさまざまな体験を聞きました。

そのうちのひとつの話です。

幾たびもこのブログに登場したEさん(仮名)

消防署に勤めて消防士をしており、当時50歳でした。

一口に消防士といってもいろんな役目があります。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

消防士とは

消防車
消防車

消防士は、火の中へ飛び込んで消火活動をおこなったり、救急車で人命救助するようなイメージがありますが、組織はもっと大きく、消防組織で働く人が「消防職員」、その中の階級に「消防士」があります。

消火・救命をする担当が「消防吏員(りいん)」といい、その中でも下の階級が「消防士」です。

業務は大きくわけて消火、救急、救助、防災、予防があり、それぞれの担当が業務に携わっています。

消火活動

消火活動をする消防士
消火活動をする消防士

火災現場に出動し、出火をくいとめ、人命救助を行います。

救急活動

119番から、交通事故や急病人に応急手当をし、医療機関に搬送します。

救急車に3人が乗り、ひとりは「救急救命士」という国家資格を持つ人です。

救助活動

災害現場で人命救助にあたる人たちです。

交通事故現場では車に閉じ込められた人は救助したり、がけ崩れで生き埋めになった人、下敷きになった人を救助するのが任務です。

防災活動

火災が起きないよう啓蒙したり、住民の防災意識を高め、訓練指導を行います。

よく学校やオフィスビルにきて訓練するのはこの方たちです。

予防活動

建物が防火・防災に適しているかを検査し、指導を行います。

大きくわけると5つですが、さらに「はしご車」にのるはしご隊員、ヘリに乗る航空隊員など、細かに分かれています。

このような感じに役割が決まっています。

話は元に戻ります。

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不規則な生活でアルコール依存症に

消防士の大会
消防士の大会

Eさんは元気が良く働き盛りで、消防署の大会(高いやぐらのような所に登って作業したりするコンテスト)で優勝経験があるほどのエリートでした。

部署によりますが、Eさんのような現場の方は24時間勤務で、勤務の次の日は2日間休みになります。

その2日間で大量にアルコールを酒を飲んでいました。

そのためアルコール依存症に。

断酒会には欠かさず出席、シアナマイドも

シアナマイド
シアナマイド

アルコール依存症と診断されてから、断酒会には定期的に来ていました。

奥さんとは既に離婚はしていたものの、一緒に断酒会に応援に来たりするので、復縁するのではないかと噂されていました。

Eさんは真面目に断酒をつづけていました。

出勤したら、必ず上司からシアナマイド(抗酒薬)を飲ませられる。

アルコール依存症に理解のある職場だったようです。

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東北大震災に

ちょうどそのころ、3.11東北大震災が発生しました。

真面目なEさんは、ボランティアに近い感じで、自ら東北への勤務を申し出たのです。

東北に行ったはいいが、仕事は「遺体処理」がほとんどだったといいます。すべてのモノが流され、見つかった誰ともわからない遺体は、その辺に積み上げられていたらしいのです。

精神的にも、肉体的にもかなり重労働だったらしいです。仲間はみな、仕事が終わると疲れを癒すため、つらさを忘れるために飲みに行きます。

遺体の処理

東北大震災がトラウマに
東北大震災がトラウマに

積み重なった遺体は腐って、異臭をはなちます。その臭いが鼻につきトラウマになり、どうしても我慢できずに、とうとう飲んでしまいました。

アルコール依存症は、1杯でも飲むと止まらなくなります。

広島に戻っても飲み続けました。

飲酒運転で酒を買いに

飲酒運転で事故
出典:ダイアモンドオンライン  より引用

ある日、コンビニに酒を買いにいきました。飲酒運転です。

その際、駐車場から車を出すときにぶつけてしまい、物損事故になりました。

写真のような大きな事故ではなく、「ちょっとぶつけた」くらいだったと聞きました。

しかし警察沙汰になります。

ただの免許取り消しならまだよかったのですが、地元の中国新聞に書かれてしまったのです。

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消防士の飲酒運転で新聞に書かれる

消防士の不祥事、飲酒運転
消防士の不祥事、飲酒運転

よくある酒気帯び運転なら普通の人なら、3面記事の隅に

〇〇区〇〇町のダレソレ容疑者が、飲酒運転しコンビニの敷地内にぶつけた

と小さくかかれるくらいでしょう。

ところがEさんは消防署に勤める公務員の不祥事だというので、3面記事の下1段全部を使って、

公務員のくせに飲酒運転、なんて悪いことをしたのだ

というような内容で、大きく取り上げられてしまったのです。

・・・・・・そのくらいでは済みませんでした。

全4回にわたって、新聞に取り上げられました

これでもか、この悪人が!

と言わんばかりに、3面下1段全部使って記事が書かれたのです。

消防士の不祥事で懲戒解雇

懲戒解雇
懲戒解雇

新聞に大きく書かれるほどの不祥事なので、もちろん消防署は懲戒解雇になりました。

懲戒解雇なので、退職金は1銭もでない。

50歳なので数100万円か、1,000万円を超えてたかもしれない退職金がゼロ

飲酒運転は、もちろん悪い。

ただ、いままでの功績もすべて消されるのでしょうか。

断酒会会長、弁護士が消防局に直談判しに行きました。

ほんの少しばかりでも退職金が出ないものなのか。

結果は、やはり出ませんでした。

Eさんは50代で無職、金もなくなり、半ばやけになり独り酒を飲む日々を送りはじめました。

連絡もつかなくなります。

とうぶん経ったある日、元奥さんから連絡がありました。

Eさんは亡くなった」と。

独り酒を飲み続け、独り寂しく孤独死。

まだ50代半ばでした。

遺体は痩せこけ、酒ビンに囲まれていたという・・・・・・

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まとめ 消防士が不祥事【飲酒運転】で人生転落から孤独死へ

タラレバになりますが、すべて東北大震災でのボランティア活動が発端でした。

日頃、遺体を見慣れている消防士でさえトラウマになるほどだったらしいのです。

東北に行かなければ、こんな事にはならず、不幸な人生を送ることはなかったでしょう。

Eさんが行かなくとも、別の健康な方が行かれていたはず。

順調に断酒をつづけ、もしかしたら元奥さんと復縁していたかもしれません。

ボランティアは健康な人にまかせて、アルコール依存症者は静かに人生を過ごしていくべきかもしれません。

あと、酒は宅配してもらいましょう


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