タバコを吸いすぎ肺気腫が悪化したアルコール依存症者 依存症6

タバコを吸いすぎ肺気腫に

アルコール依存症の知人の体験談です。

断酒して健康を取り戻した人、命を落とした悲惨な人などさまざまな体験を聞きました。

そのうちのひとつの話です。

Fさん(仮名)はいつも眉間にしわをよせ、しかめっ面で、気難しそうな表情を浮かべています。

しかめっ面のせいか、メガネがずり落ちてくるので、しばしば人差し指でメガネを上げるのが癖でした。

Fさんは酒もタバコも両方の人ですが、「アルコール依存症」と診断されてからは酒を止め、タバコだけにしていました。

しかし、いつもゼーゼーとしんどそうなので、検査に病院に行きます。

すると結果は肺気腫で、実年齢は65歳なのに肺年齢は85歳と診断されたのです。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

肺気腫とは

肺気腫とは、タバコの煙などが原因で、肺の組織が壊れた状態です。

通常、気管から気管支を通り肺の中の「肺胞」と呼ばれる小さな袋に空気が送られ、呼吸ができます。

しかし、肺気腫は肺胞の壁が壊れて大きな袋になってしまいます。

伸びた風船のようになり、呼吸が苦しくなります。

一度壊れた肺胞を元に戻せません。

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肺気腫とCOPDの違い

肺気腫とCOPD
肺気腫とCOPD

以下のように言及されています。

肺気腫は、病気の名前というより「肺の組織が壊れた状態」を指します。

一方、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)は、タバコの煙などを長期に吸い込むことにより気管支や肺に病変が生じ、スムーズに息を吐きにくくなる症状(気流閉塞)が現れる病気のことです。

MedicalNote 肺気腫とは? 原因や症状・治療について より引用

よく混同されますが、COPDが病名です。しかし同じようなものです。

肺気腫の原因と症状

タバコで咳
タバコで咳

肺気腫の主な原因は喫煙です。

大気汚染や受動喫煙が原因のこともありますが、まれです。

風邪でもないのに

  • 息切れする
  • 咳が続く
  • 痰がからむ

このような症状がずっと続きます。

話は戻ります。

会社の帰りに飲む

キオスクで酒を買う
キオスクで酒を買う

Fさんは地方ラジオ局に勤めていました。

そこは、ずいぶんとストレスがたまる職場だったらしいのです。

会社が終わるとJRで帰るのですが、必ずキオスクに寄ってワンカップを2本ほど購入し、飲みながら帰っていたといいます。

家に帰っても、ずっと飲んでいたらしいのです。

それでも定年まで勤めあげ、めでたく定年退職となりました。

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定年退職からアルコール依存症へ

定年退職からアルコール依存症
定年退職からアルコール依存症

今まで勤め人だったの人が急に定年退職すると、時間を持て余すようになります。

朝から酒を飲み始める人も多いといいいます。

Fさんもたぶんにもれず酒を飲みはじめ、調子が悪くなってきました。

ある神経科クリニックにおもむくと、「アルコール依存症」と診断されてしまいました

アルコール依存症から断酒会へ

酒を止めて断酒会へ
酒を止めて断酒会へ

奥さんが熱心な人で、ネットでいろいろ調べ上げ断酒会なるものを知りました。

Fさんに酒を止めさせ、夫婦で断酒会に出席するようになったのです。

Fさんはいつもしかめっ面であまり発言がなかったが、いったんしゃべりだすと止まらなくしゃべる、そんなタイプでした。

奥さんはかなり気の強い方で、よく発言をしていました。

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酒を止めたらタバコが増え、肺気腫に

タバコが増え、肺気腫に
タバコが増え、肺気腫に

Fさんは酒は止めたのはいいが、その分タバコをよけいに吸うようになりました。

いつもゲホゲホ、ゼーゼーと、痰がからんだような咳をするのです。

呼吸も苦しそうでした。

これはどうにも苦しい、ということで、呼吸器科にいきます。

するとこんどは「肺気腫(COPD)」と診断されたそうです。

65歳なのに、肺年齢は85歳レベルだったとか。

このまま病状がすすむと、酸素ボンベになってしまいます。

奥さんは、Fさんにタバコもやめさせようとしましたが、これはなかなか難しい。

家では吸わなくなったが、陰で隠れて吸っていました。

アルコール依存症で精神病院へ

アルコール依存症で精神病院へ
アルコール依存症で精神病院へ

定年後、時間を持て余すからか度々スリップ・再飲酒するため、夫婦で精神病院へ行きました。

Fさんは単に診察のつもりでいったらしいが、奥さんのほうは入院させるつもりだったらしいのです。

医師と、入院の話が進んでしまいます。

ところがFさんは入院する気はまったくない。

しかし入院の話はどんどん進んでいる。

Fさんは頭にきて、奥さんに手を出してしまいます。

奥さんの顔を殴ってしまったのです。

即刻、看護師に取り押さえられて、医療保護入院になってしまいました。

※医療保護入院 医師と保護者の許可がないと退院できない入院形態

閉鎖病棟へ

鍵のかかった閉鎖病棟に入れられました。

退院は、たいてい3ヵ月後です。

手をださなければ、任意入院として一週間や10日で退院できたのに・・・・・・

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精神病院で認知症に?

精神病院で認知症に
精神病院で認知症に

退院してしばらくして断酒会にくるようになりましたが、Fさんの様子がどうもおかしい

以前のようにしかめっ面をしない。

ボーッとしている

発言もない。

何か月もみましたが、その様子がどんどんひどくなっていきます。

断酒会の面々が話をしても、どこ吹く風で、まったく頭に入ってない。

また神経科にいくと、こんどは「認知症」との診断でした。

アルコール依存症に肺気腫に認知症の三重苦

ドクターストップ
ドクターストップ

アルコール依存症肺気腫認知症、奥さんは大変です。

それでも夫婦で断酒会にきておられました。

ある日、断酒会の若い人、Gさん(仮名)と言い合いになってしまいます。

こういうことは、断酒会では珍しい。

うちの断酒会では初めてのことです。

また次の週も、Gさんと言い合いになります

筆者はたまたま現場を見てないので、そこが書けない・・・・・・

聞いた話しかかけず、内容がわからないので申し訳ない。

またその次の週も言い合いが続きます。

勝気な奥さんと、そのGさんはどうも馬が合わないらしい。

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断酒会を辞める

奥さんはとうとう

ここの断酒会は辞める!

と言い始めました。

そして次の週から、うちの断酒会には来なくなります。

ふたば断酒会から別れた、別の断酒会に通い始めたという。

それから何年もたちますが。

Fさんは肺気腫で認知症のまま、別の断酒会にあしげに通っているらしい。

どこの断酒会に行ってもかまわないのだが、勝気な奥さんはそこで喧嘩しなければいいが・・・・・・

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まとめ 酒を止めるかわりにタバコを吸いすぎ肺気腫の症状が悪化

アルコール依存症者は酒を止めると同時に、どうせならとタバコも止めたくなるものです。

しかし酒を止められてもタバコが止められない人が多いのが事実です。

皆に「タバコと酒どちらが止めにくいか」と質問したところ、8割くらいは「タバコ」と答えたように思います。

ひと昔前は、閉鎖病棟では喫煙可の精神病院が多かったです。

生活保護で入院している人が多いためが、みなエコーわかばなど安くてきついタバコを吸っていました。

かつ、閉鎖病棟でやるこがないのでタバコばかり。

何か月も入院するので、「ゲホゲホ、ゲロゲロ」と、肺気腫ではないかと思われる患者がたくさんいました。

酒は止めたがタバコは止めれない、依存症というのはなかなかに難しいです。


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