アルコールによる慢性すい炎はアミラーゼが上昇|症状は命にかかわることも 依存症8

すい炎で救急車で運ばれる

●このようなことはありませんか

  • 理由がないのにお腹の上側や背中が痛い
  • 吐き気や嘔吐する
  • 採血したらアミラーゼの数値が高い
  • 下痢や、食べたものが消化せずに出てくる
  • 健康診断で、飲み過ぎと言われた

もしかしたら「慢性膵炎(すい炎)」になっているかもしれません。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

すい臓とは

すい臓
すい臓

すい臓は、消化酵素を分泌し、食べたもののタンパク質や脂質、炭水化物を分解する働きがあります。

また、インシュリンなどを分泌し、血糖値を調整するという重要な働きをしています。

お酒の飲みすぎ、また胆石ですい炎になる可能性があります。お酒が原因の場合、すい液の分泌が高まったりすい管がむくみ、すい液が出ることができず、すい臓内にとどまってしまいます。

胆石が原因の場合、胆石により出口がつまり、胆汁やすい液がとどまってしまいます。

慢性すい炎とは

慢性すい炎とは
慢性すい炎とは 出典:NHK今日の健康 より引用

慢性すい炎とは、正しく出れない膵液がすい管内に溜まり、自分を溶かしてしまう病気です。

ほぼアルコール、お酒の飲みすぎが原因で、すい臓が破壊されていくため、治すのが難しい病気です。

すい液の分泌が少なくなり、消化が悪くなり下痢になったり、体重が減ったりします。

採血すると、アミラーゼの数値があがります

すい臓がんへ発展する可能性もあります。

慢性すい炎の症状としてはこのようなものがあります。

最初の数年

  • 腹痛     
  • 背中の痛み 
  • 吐き気    
  • 嘔吐
  • アミラーゼの上昇

●5年から10年

  • 腹痛は減る
  • 下痢
  • 脂肪便
  • 体重減少
  • 糖尿病
  • アミラーゼの上昇

悪いのは、インシュリンの分泌も減るため糖尿病を併発しやすくなることです

スポンサーリンク

慢性すい炎の検査

すい炎の検査で採血
すい炎の検査で採血

すい炎の検査は、まず採血をおこないます。

採血結果

すい臓の場合、アミラーゼの値を見ます。アミラーゼは37~123が基準値です。

ただ、アミラーゼの場合は「唾液性」で高くなる人もいます。

それは筆者なのですが、断酒して何か月経ってもアミラーゼが200を超えていました。

不思議に思い主治医に聞くと、アミラーゼは「すい臓が出す」ものと「唾液から出る」ものがあるということでした。

アミラーゼはでんぷん質を分解する酵素で、おもにすい臓と唾液腺(だえきせん)でつくられ、それぞれすい液と唾液に分泌されます。その一部は血液に出てきます。

唾液から出るものは問題ないとのことで、いつもアミラーゼが200ほどあります。

唾液性ではない人は、急性すい炎、慢性すい炎、すい臓がんが疑われます

超音波内視鏡

エコーです。

慢性すい炎は早く発見すると治療を行えます。病院で超音波内視鏡という方法で胃の方から検査します。

慢性すい炎であることがわかったら

慢性すい炎は禁酒
慢性すい炎は禁酒

まず、すい炎の原因のお酒を断たなければなりません。禁酒、断酒です。

すい臓がやられると、適切な量のインシュリンを分泌できなくなり、そのため糖尿病になる可能性があります

糖尿病を併発していたら、インシュリン注射などで血糖を調整しなければなりません。

糖尿病はカロリー・糖質制限などが必要で、食生活がとても面倒なことになります。

慢性すい炎になると、すい臓がんになる確率が12倍にもなります。

そのリスクを避けるためにもがん検診を受ける必要があります。

スポンサーリンク

断酒して糖尿になったAさんの例

断酒して甘いものばかり食べる
断酒して甘いものばかり食べる

Aさんは断酒を続けていたため、酒の代わりに甘いものばかり食べるようになっていました

1年くらい経った頃、採血すると血糖値が異様に高い。「糖尿病」の診断を受けました。

それから糖尿について勉強し、食事の血糖値を下げるなどの食事療法を行っていました。

が、食事療法は断酒するよりストレスがたまるそうです

すい臓は沈黙の臓器

すい臓は沈黙の臓器
すい臓は沈黙の臓器

急性すい炎は「のたうちまわる」ほどすい臓が痛くなり救急車を呼ぶはめになりますが、慢性すい炎はそれほど痛みが出ません。

エコー(超音波検査)でもすい臓は肝臓の裏側、検査しにくい位置にあるためすい臓がんは発見が難しいようです。

気がついたらすい臓がんになっていた、という可能性があります

すい臓は沈黙の臓器のため、がんが発見された時はもう手遅れだった、というケースはよくあります。

お酒の飲みすぎは要注意です

スポンサーリンク

まとめ アルコールによる慢性膵炎(すい炎)アミラーゼが上昇

すい臓の病気をおさらいしましたが、すい炎は症状がなかなか出ず、しかも自らを溶かしてしまう恐ろしい症状ですね。

また、アルコールによる病気は内臓だけでなく、脳、神経など隅々まで影響を及ぼします。

お酒で健康を害している方は、酒を控えるか禁酒をしましょう。

また次の機会に、他の病気について書いていきます。


あなたに役立つ記事