アルコール依存症の知人の体験談です。
断酒して健康を取り戻した人、命を落とした悲惨な人などさまざまな体験を聞きました。
そのうちのひとつの話です。
Iさんのお母さんが最近、断酒会に来はじめました。
Iさん(息子さん)がアルコール依存症で、50歳を少し過ぎたあたり。
職業はタクシー運転手なのに毎日酒を飲むため、何か月も仕事に行っていないというのです。
私は息子さんの年に近いせいか、
「頑張ってね」
と、よく励まされます。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
食べずに酒を飲み続けること2か月
Iさんは両親と同居ですが、息子さんのひどいありさまにたまりかねたお母さんがいろいろと探し回った結果、うちの断酒会にたどり着きました。
昨年12月から2か月間、物も食べずにずっと飲み続けているそうです。ずっと飲み続けているため、タクシードライバーの仕事はもちろんできません。
息子さんは、ネットでいろいろ調べるタイプで、自分の病状をわかっていました。
病院に行ったわけではないですが、自分が「アルコール依存症」であることを調べて理解してたのです。
アルコール依存症の生存率は2%
彼が(お母さんに)言うには
「アルコール依存症者が断酒して生存できるのは、最終的にはほんの2%程度しかいない。自分は到底その中には入れない」
なので、飲むのだというのです。
飲みたくはないが、飲んでしまうのだと。
飲みたくないが飲まなければならないのは、完全にアルコール依存症です。
酒はやめたい
酒は、一般的なアルコール依存症者のように大量に買うのわけではなく、日本酒のワンカップ2合だけを買ってくるのだそうです。
「次の2本で止めよう」
毎回そう思っているらしいのです。
が、無くなればまた買いに行く。
都合の悪いことに、住まいはマンション、1階にコンビニがあるとのこと。ふらふらになり歩けなくなっても、エレベーターで1階に下りればすぐ酒が買える。
アルコール依存症には最悪の環境です。
ワンカップを買って、なにも食べずに飲む。たまにほんの少量だけ食べるが、数か月にわたってまともに食べてないらしい。
息子さんが酔ってコンビニに行くが恥ずかしくて見ていられないのか、お父さんが酒を買ってきたりするらしいのです。
完全にイネイブリングです。(依存症を手伝うこと)
入院させたい母
お母さんは、息子さんをどうにかして入院させたいと思ったいました。断酒会でもそのような話になります。
「たくさん飲ませて、酔って寝たスキに救急車を呼べばいいんじゃない?」
「上司とか友達に事情をいって、病院に連れていけばいいのでは?」
などと断酒会メンバーは言いますが、最近は本人の同意がないと入院できないそうです。
どれも難しい。
たまたま、筆者が断酒会に遅刻していくと、Iさんの話になっていました。
「金田一さん、息子が入院しました!」
「本当ですか!おめでとうございます!」
と、変なあいさつすることになり。
アルコール依存症専門・呉みどりヶ丘病院に入院
ある日とうとう息子さんは観念して、入院すると言い出したそうです。もう身体が悲鳴をあげたのだろうと思われます。
お母さんは、広島で一番厳しい、呉市の呉みどりヶ丘病院というアルコール依存症専門病院に入院させました。私が入院していた病院です。
広島から呉市まで、タクシーで9000円かかったと。
それから、閉鎖病棟のこと、開放病棟のこと、お小遣いのこと、メシのこと、入院中の生活のこと、いろいろ聞かれました。
お母さんは、息子さんが病院を脱走することを懸念していました。しかし、脱走して広島に戻るには数千円の金が要る。
最初は閉鎖病棟なので脱走はできない。お小遣いがもらえるようになるまで、2カ月近くかかります。
もう、その頃は改心して脱走などしないでしょう。
息子さんは退院して、ちゃんと断酒してくれればよいのですが。
まとめ アルコール依存症のタクシードライバー
タクシードライバーでアルコール依存症は初めて聞きましたが、非常に危険です。
飲酒運転は誰でも危険ですが、本職は「慣れてるから」「無理にでも」仕事をしてしまうかもしれません。(個人タクシーなので強制的なアルコール検査がない)
今のところ、飲んだ時は運転しないらしいですが、いつまで続くかはわかりません。
酔いが醒めたと思い運転して、朝の検問に引っかかる例はたくさんあります。
そんな命がけのタクシーには乗りたくありませんね。
断酒を続けてくれればよいのですが・・・・・・
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