アルコール性の肝硬変は治る!アルコール依存症男性の症状 依存症11

アルコール性の肝硬変

アルコール依存症の知人の体験談です。

断酒して健康を取り戻した人、命を落とした悲惨な人などさまざまな体験を聞きました。

そのうちのひとつの話です。

以前、J氏について書きましたが、続きになります。

J氏はアルコール依存症専門病院・呉みどりヶ丘病院で同時期に入院し、同じ部屋で数ヵ月過ごしました。いわば同僚、同期です。

彼は当時38歳でしたが、若いころから毎日焼酎を1升飲んでいたといいます

ちょっとそれは多すぎるのではないかと思いましたが、その通りで、肝臓のガンマーGTPは2,000ほどに上がり。

それでも飲み続けたため、30代で肝硬変になってしまいました。

肝臓が普通の人の3分の1しか働いていないというのです。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

肝硬変とは

肝臓
肝臓

アルコールによる肝障害は次のような段階があります。

脂肪肝

お酒の飲みすぎにや食べすぎにより脂肪肝になります。

  • 脂肪肝は、肝臓の中や表面に脂肪が溜まった状態で、肝臓の働きが悪くなります
  • 肝臓の数値、ガンマ-GTP、GOTやGPTが悪くなります
  • お酒を止めると治ります

アルコール性肝炎

脂肪肝でさらに飲酒を続けた場合アルコール性肝炎になります。

  • 腹痛、発熱、黄疸などが現れます
  • さらに飲酒をつづけると、肝硬変になります

肝硬変

アルコール性肝臓病の最終段階です。

  • 肝臓の細胞がほとんど壊れ、筋しか残っていない状態です
  • 肝臓としての働きはほとんどしません
  • 腹水、黄疸、吐血などの症状が出ます


肝硬変と言うともう治らない病気と考えられていますが、アルコール性肝硬変の特徴のひとつに、断酒を継続していると肝硬変が改善するという点が挙げられます

e-ヘルスネットより引用

肝硬変は治らないと考えていましたが、一部改善する人がいるようです。

肝臓がん

そして最後に肝臓がんになり、サヨナラとなります。

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30代の若さで肝硬変

肝硬変
肝硬変 Wikipedia 肝硬変より引用

J氏は30代で肝硬変になってしまいました。

誰がなんと言おうと、もう酒を止めるしかない、そんな身体の状態でした。

筆者は「ふたば断酒会」から別れたオリジナル断酒会に通っていたのですが、J氏はそれについて熱心に聞いてきます。

断酒会にいくんなら、金田一さんと同じところにいく」というのです。

病院のほうは主治医が違うため、彼のほうが2週間ばかり早く退院していきました。

断酒会にちゃんと来た

断酒会
断酒会

果たしてJ氏はくるのかだろうか。

酒を止める気はないだろう。

口だけだろう。

と、疑っていたら、本当に来ました。

しかも彼女同伴で。

どこの断酒会も同じでしょうが、新人が来たらねほりはほりいろんなことを聞いてしまいます。

「家はどこなのか、誰と住んでいるのか」

「彼女とは何年付き合っているのか?結婚するのか」

などなどどうでもよいことの質問攻めです。

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快気祝いで飲んでしまった

お酒1合
お酒1合

退院してから、飲んでないの?

という質問が出ました。

実は、快気祝いに1合だけ飲んだ

ようです。

本格的な断酒は初めてだろうから、そんなものでしょう。

会社クビで泥酔

再飲酒で泥酔
再飲酒で泥酔

断酒会には本人が来たり、同居しているお母さんが来たりしていました。

ある日、J氏から電話がかかってきます。

明らかに酔っている声でした。

ちょっと・・・飲んでしまったので・・・・・・金田一さんに電話しました

飲んだか。

別に電話しなくていいのに。

そういえば病院で「飲みたくなったら、飲んでしまったら、誰かに相談しなさい」と習った記憶がある。

泥酔していても、習ったことを律儀に守っている。

飲んだ理由を尋ねると

会社を首になった

んだだそうだ。

会社クビならまあ、飲むかな・・・・・・。

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正月も飲酒

正月の酒
正月の酒

そして正月も、飲んでしまったらしい。

母親と居た3日ほど飲んでしまった。

が、4日目に彼女が家にきたら、ピタリと飲まなくなったそうです。

彼女からの叱責のほうがかなり怖いようなのです。

お母さんが断酒会に来た時、漏らしていた。

玄関の外に出ては、酔って戻ってくる。
 おかしいと思い、庭を探してみたら、4リットルの焼酎が見つかった


ということらしいです。

お母さんは本人にその酒を見せて、どうする気か問い詰めました。

J氏は焼酎のフタをあけ、ドボドボと流しに捨てたとのこと。
 
酒を止める気は、あるということのようです。

アルコール依存症が単身赴任

単身赴任の部屋
単身赴任の部屋

J氏は社長の口利きで、別会社に就職できました。

しかし、現場が広島ではなく静岡県に単身赴任、ということで断酒会の皆が心配ていました。

まず、現場の仕事なので、終わったら皆で飲むのではないか。

しかし、上司や同僚にアルコール依存症の話が伝わっていて監視が厳しく、ノンアルコールビールしか飲んでいないらしいのです。

本当はノンアルコールビールもよろしくないのですが、そこまでは言わないでおこう。

また、休みの日、独りになってさみしくなり飲んでしまうんじゃないかと

その心配も無用でした。

仕事で疲れすぎて、飲む気力すらなかったようです。

3月に静岡の仕事が終わり、戻ってきました。

ちゃんと断酒していた

断酒して痩せた
断酒して痩せた

久しぶりに断酒会に顔を出したJ氏は、退院時よりかなり痩せていました。

病院に居た時のようにオヤツを食べず、酒も飲まずに仕事をしたようです。

最近の新人にしては、よく頑張っています。

そして久しぶりに病院にいき検査をしてもらうと、「肝硬変」ではなく「慢性肝炎」に戻っていたそうです

慢性肝炎は肝硬変の一歩手前ですが、病状としては「よくなった」ともいえるのです。

肝硬変は治らないと聞いていましたが、上記の引用にあった通り、肝臓が少し治ってきたらしいのです。

若さのせいか、肝臓の回復力のせいでしょうか。

このまま断酒も、仕事も頑張ってほしいものです。

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まとめ アルコール性の肝硬変は治る?アルコール依存症38歳男性

アルコールが原因の肝臓障害は、アルコールを止めると治ります。

そして治らないと聞いていた肝硬変も、酒をやめることにより回復したのがJ氏です。

実例により、慢性肝炎や肝硬変はアルコールをやめることで復活することがわかります。

医師に宣言されても、きちっと断酒をしていけば回復する可能性があります

あきらめずに頑張りましょう。


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