●酒気帯び運転の結末
この記事は、酒気帯び運転の悲惨な結末を書いています。思春期の子どもたちを残して旅立ってしまった大黒柱の父親の話です。日ごろ酒気帯び運転をしている人も、この話で酒気帯び運転の結末が分かります。
●飲み屋の常連
会社帰りの道すがら、とある鉄板焼き屋がありました。
団地の途中にあり、現場で仕事している人たちのたまり場になっていました。鉄板焼き屋ではありますが料理をつくることはあまりなく、ほとんど客に酒を出すのが仕事です。
現場仕事の作業着の人たちばかり集まるので、スーツで登場するぼくが珍しいのか、みなが歓迎してくれました。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
酒気帯び運転を繰り返す大将
飲み屋の大将
「〇〇ちゃ~ん、いらっしゃい!」
大将はいつも声をかけてくれました。
大将は現場の仕事が終わると、家兼店舗に帰って、店をあけます。力仕事のせいか、背は小柄だったが身体は筋肉でまるまるとしていていました。腕っぷしは強く、腕相撲は誰にも負けない、というタイプです。若かりし頃は、キレてケンカになると手が付けられなかったとか。
翌朝仕事で早いのに、現場仕事の客は皆遅くまで飲んだくれていました。しかし、皆が帰るまで決して店は閉めませんでした。
主婦の奥さんも、店を手伝っていました。
酒気帯び運転を繰り返していた大将
その奥さんの唯一の悩みが、大将が酒気帯び運転をすることでした。何回言い聞かせても、直らない。飲み仲間と街中へ出かけると、必ず酒気帯び運転で帰ってきます。
ある日、軽ワゴン車で酒気帯び運転をし、交差点で曲がり切れずに横転させてしまったらしいのです。
「人身事故じゃなくてよかったですね」といったところ、実は大将と奥さんとは揉めに揉めて離婚話になっていたらしいのです。
※酒気帯び運転は危険!酒気帯び運転・飲酒運転の罰則、懲戒免職になった実例
⇒参考:飲酒運転・酒気帯び運転はアルコール依存症の症状|逮捕された公務員
町内会祭りの前日
ある日、仕事帰りにパンチに寄って、ほんの1、2杯だけ飲んで、大将と小話をして帰りました。明日行われる町内祭りの話で、お神輿(みこし)がどうのこうのと大した話題ではなかったと覚えています。祭りのため、その晩は早めに帰りました。
次の日は町内祭りです。神輿をかついで町内を一周します。朝、若い衆が神輿を担ぐために集まってきました。
酒気帯び運転の事故で大将が死亡
大将が事故った!
その中で、飲み仲間が近づいてきて、ボソッといいました。
「大将、亡くなったの知っとる?」
は? いったい何のこと? 昨晩、話をしたばかりだけど。
「あんね、昨日の夜、国道でバイクで2人乗りして、前の車に突っ込んだらしいよ」
え!?
片側2車線での酒気帯び運転事故
広島の近郊にドン・キホーテがあります。
そこは片側2車線ですが、右折してドン・キホーテに入ろうとする車がたびたび止まります。大将は、2人乗りバイクで左車線から遅い車を追い抜こうと右車線に変更したとたん、ドン・キホーテ待ちの車に突っ込んだらしいのです。
酒気帯び運転で事故死、2人とも即死だったとのこと。即死だから、追い抜く際に100数十キロを出して事故死になったと考えられます
現場はもう、2人のうちどちらが運転していたのかわからない状態だったらしいです。
その日の神輿は、「弔い合戦じゃ!」ということになり、一生懸命かつぎました。
葬式の日
次の日が葬式でした。
会場の右側が奥さんの親族、左側が大将の親族が座る場所でした。普通は一番身近な親族が一番前の席に座ります。しかしなぜか左側の一番前の席2列がお店の常連で埋まっていました。それだけ仲が良かったということでしょうか。
私もそれにならって、前から2列目の常連客の中に座りました。
大将には中学生の息子、娘さん2人のお子さんがいます。その中学生の学年全員が葬式に参列しました。300人~400人だったと思います。2学年全員が焼香するもんだから、会場の一番前から一番後ろ、そして会場の外まで列ができていました。
普通、焼香は30分くらいで終わるものですが、1時間たっても2時間たっても中学生の列は途絶えない。400人近くいたので。焼香を3時間くらい待って、やっと終わりました。
長い葬式でした。
まとめ 酒気帯び運転でバイクで事故死した大将
最期に大将にあいさつしようと棺をあけました。すると、顔は普段の倍くらいに膨れ上がり、まるで別人でした。人間の顔が、まるで大きなスイカのように膨れ上がっていたのです。
結局、やめろと言われていた酒気帯び運転で事故死し、2人の思春期の父無し子ができてしまいました。悲惨な結末でした。
残された奥さん、子どもたちともすすり泣いていました。
中学生の息子・娘さんには今から父親が必要な時期です。事故死でなくとも、酒気帯び運転はまわりに悲惨な状況を作り上げます。
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