この体験談は、私が精神病院・閉鎖病棟に何回も入院した経験のうち、2回目のものです。
たかが酒を飲みすぎたくらいで、なぜこんなところに・・・・・・家族を恨んたものです。
精神病院の閉鎖病棟はつらいです。もう度と二度と酒は飲まないと思いました。しかし、アルコール依存症は、喉元過ぎれば熱さを忘れて飲んでしまうのです。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
精神病院の閉鎖病棟とは
私は広島一有名な精神病院、瀬野川病院に入院させられました。瀬野川病院の中の閉鎖病棟でした。
精神病院の閉鎖病棟といえば、すべてのドアに鍵をかけられ、シャバには一切出ることができません。そこへ3ヵ月閉じ込められました。そこはアルコール依存症の行きつく先です。
最初はその中の、鉄格子の「保護室」につっこまれます。トイレすら自分では流せない。看護師に部屋の外から流してもらわねばならないのです。
トイレの大をしても流せないので悪臭が漂う。のどが乾いたら看護師に頼まないと水すら飲めません。
当時、タバコは一日4本だけ吸えました(現在は全面禁煙)。閉鎖病棟から出ることができず、毎週何回も何回もアルコールについての勉強をさせられます。断酒会、AAにも出席しなければならない。
⇒断酒会とは?ふたば断酒会、AA、広島だるま会など自助グループはどんなもの?
自分もつらいし、家族もつらいのです。なぜ夫を精神病院にまで入院させなければならないのか。どうして妻をそこまで追い詰めてしまったのか。
3ヵ月間、ずっと閉鎖病棟の中で日記を書いていました。当時、娘は小学生と保育園児でした。どうしてお父さんがいないのか、不思議に思っていたに違いありません。妻は娘たちにどう説明したのだろう・・・・・・
みなさんは精神病院・閉鎖病棟に入院することのないよう、大量飲酒には十分お気をつけください。終点までいかないよう、節酒・断酒に励んで下さい。
当時の日記を思い返してつづります。
夏の日の飲酒欲求
ある夏の暑い日。
陽の光は、真上から降り注いでくる。空は青く、ところどころに入道雲が立ち昇っていた。太陽は直視できないほど眩しく、強い陽射しがあたり一面を焼き尽くしている。木々の葉は光に照らされ、ところどころ白く光っていた。
山に囲まれた広島の郊外。北のほうを見ると、発達した積乱雲の下側は暗い影を落としており、にわか雨でも降っているようだった。
私の額からは汗がにじみ出て、Tシャツはじっとりとした汗で肌にはりついている。
私「暑い。酒が飲みたくなった」
私「止められているが、どうしても今、飲みたい」
アルコール依存症には酒を飲む特別な理由なんて要らない。飲みたいから飲むのだ。私は突然沸き上がってきた飲酒欲求に負けた。
スリップして再飲酒する
その日は抗酒剤シアナマイド※を飲んでいなかった。
※抗酒剤シアナマイドとは
⇒アルコール依存症の治療|断酒を成功させる4つの手段と4つのヒント
それをいいことに、すぐ近所の自販機でワンカップ焼酎を2本買った。そしてポケットに隠して家に持ち込んだ。半年ぶりの酒を飲む。ワンカップ焼酎を、一気に喉に流し込んだ。
味わうことなく、胃に流し込んだ。
とにかくエタノールを身体に入れたかった。味わうことなどはしない。前回退院して半年ぶりの酒。久々の酒はもしかしたらすごく美味いのだろうと、期待していた。が、それはまったく期待外れで、まったく美味しくはなかった。
私「ああ、再飲酒、スリップしてしまった。半年もたなかったな。ああ」
そう考えた瞬間、喉や食道、胃まで急に熱くなってくる。「再飲酒した、スリップしてしまった」と考えた瞬間、焼酎ストレートの25%エタノール溶液によって、口、喉、食道が焼けつように燃え、そして身体全体が熱くなっていくのを感じた。
私「ああ、コレや。コレを味わいたかったんや!」
酒をやめてからというものずっと遠ざかっていた、コレ、この感覚。
すぐれなかった気分が、次第にすぐれていく。
もやもやしていた気分が、晴れていく。
気持ちよさがいっぱいに広がっていく。
罪悪感が酔うにしたがって消えていく。
アルコール依存症の飲む理由はただ「飲みたい」だけ
私「ああ、気持ちい。コレで気持ちが良くなる。気分もよくなる」
私「バレないようにしないとな」
飲んだ理由は、ただ飲みたかっただけ。ほかにこれといった理由はない。ただ、久しぶりに飲んでみたかっただけ。
その日は昼寝をして、アルコールを醒ました。夕方、起きて嫁の勤務する病院まで車で迎えに行ったが、もうシラフになっており、気付かれはしない。
「今日、久しぶりに飲んだが、1合だけでおしまい。明日は飲まない」と決めた。
翌日の朝、嫁を職場に送迎し、帰宅した。その時、また酒を飲みたいと思っている自分に気がついた。
まとめ 精神病院・閉鎖病棟日記
普通の人は一杯飲んで満足するところが、アルコール依存症は一杯では満足できません。普通の人が晩酌ですむところ、アルコール依存症は「ごちそうさま」ができず、酩酊するまで飲んでしまうのです。
そして肝硬変やすい炎など身体を壊したり、二日酔いの無断欠勤などで社会生活が送れなくなります。挙句の果てに精神病院・閉鎖病棟に入院です。酒量が多い人は気をつけましょう。
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