ピリリリリ・・・・・・
枕元の目覚まし時計がけたたましく鳴る。
私「・・・・・・また朝か。 ・・・・・・起きようか」
私「嫁を職場に送らんといけんし。なんかだるいな、酒を飲んだからか?」
私「うーん・・・・・・また飲酒欲求がでてるな。起きてすぐだというのに」
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
朝から酒のことばかり考える
9月某日、まだ暑い日。
朝、車でいつものように妻を職場まで送った。
良く晴れた、真っ青な空。
助手席の妻が何か話しかけてくるのだが、まったく頭に入らない。車の運転中なのに、酒のことばかり考えていた。いや、もっと前、朝起きてからずっと、酒のことが頭から離れない。すぐにでも酒を飲みたかった。目の前のコップに酒がついであれば、誘惑に負けて一気に飲み干しただろう。
ワンカップ焼酎1本で飲酒欲求が復活
私は断酒中だった。なのにもかかわらず、おとといから焼酎を飲んでしまった。ワンカップ焼酎かのかを1本づつだけ。ほんの1本で止めるつもりだった。
しかし、1本ではやめられなかった。すでに朝から強烈な飲酒欲求に襲われているのだ。断酒してほとんど消えていた飲酒欲求が、ほぼ100%復活していた。
脳みそが、身体中がエタノールを要求している。
私(うう・・・・・・酒が飲みたい。だけど今すぐは飲めない、運転中だし、嫁さんが助手席にいるし)
どちらもなければ、誘惑に負けてすぐにでもワンカップ焼酎かのかを買って空けていただろう。
当時のワンカップ焼酎
当時はコンビニブランドの激安焼酎はまだ出ていなかった。
広島のコンビニは、焼酎といえば「ワンカップ焼酎かのか」「ワンカップ宝焼酎」の2択だった。隠れて飲むときはゴミが目立たないよう、白い容器の「かのか」を選んでいた。ワンカップ宝焼酎はキャップが赤いため、目立つので隠すときに困る。(25度は赤。20度は青、35度は緑と、なぜか度数によってキャップの色が違う設計になっていた)
アルコール依存症ははじめの一杯で飲酒欲求が復活する
朝、目覚めてすぐ、もうアルコールを欲していた。何か月か続いた断酒で、飲酒欲求はほぼ消えていたのに、だ。ワンカップ焼酎かのか、たった2本で断酒した苦労がフイになった。
- 喉が渇いて水が飲みたい
- 腹が減ってメシが食いたい
- ニコチンが切れたからタバコを吸いたい
それと同じように
- 酒が切れているから酒を飲みたい
と、本能のように飲酒欲求がおこる。これがアルコール依存症の姿なのだ。
片道1時間の送迎が終わると、妻の借りている駐車場へ車を停めた。そもそも妻は車通勤で職場に駐車場を借りているのだが、休職中の私が送迎していた。仕事が終わったら迎えに行くため、昼に酒を飲むことができないからだ。
・・・・・・職場についた。
嫁「どうも、ありがとさん」
私「いや、いい」
誘惑に負け、ワンカップ焼酎を飲む
私(やっと送迎が終わった。どうしよう、ものすごく酒が飲みたい・・・・・・)
私(そうだ、いい考えを思いついた)
私は車のキーを右フロントタイヤの下に隠した。
妻に「用事ができた。キーはタイヤの下にある」とメールして、コンビニへ向かう。妻の職場は病院なので、メールを見るのは昼休憩か、それ以降だ。
私は誘惑に負けた。走ってコンビニに行き、ワンカップ焼酎かのかを2本購入した。断酒していたのに、3日続けて誘惑に負けてしまった。買いこんだワンカップ焼酎をに胃に一気に流し込む。
アルコール依存症者は、チビチビ飲んで味わうようなことはしない。一気に流し込んで、一気に酩酊までもっていくのだ。
食道から胃が急に熱くなってくる。そして10数えるより早く、快感が押し寄せてくる。
私(コレコレ、コレが欲しかったのよ)
身体全体が熱くなっていくのを感じた。また、酒を飲んでしまった。
まったく知らない場所にいた
ふと、気がついた。私は正気に戻っていた。
私(暗い・・・・・・)
私(なぜだ? 地べたの上に敷いてあるふとんの上にころがっている)
見たこともない場所にいる。
私(酔いはまだ醒めてない。 なんなんだここは?)
えらく薄汚れた、古ぼけた天井。鉄パイプが10センチ間隔でずらっと並んでいる。その向こうに廊下が見える。
私「これは・・・・・・鉄格子じゃないか! なぜだ!」
まとめ かのかワンカップ焼酎たった2合で飲酒欲求が復活
- うつ病の薬を常服しているため、ほんの数合の焼酎で記憶が飛んだらしいのです。
薬を飲んでいなければ、ふだんは日本酒一升くらいは平気で空けていたのですが。 - うつ病の薬を飲み始めてからというもの、アルコールとの相性が悪く、ワンカップ焼酎3本くらいで記憶が飛ぶのです。
- 以前にも書きましたが、気がついたら病院に運ばれていたり、気がついたら警察署にいたり、自分でもわからなくなるようです。薬飲んでの酒はやめましょう。
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