「ここは広島市安佐南警察署だ」
と、やってきた警察官はいった。
私「は?警察署?この鉄格子は・・・・・・留置所か?」
私「なんで警察署の留置所にいるんだ。」
私「どうしてだ?さっぱりわからない。なにか法に触れるような事をやったのか?」
私「なにも覚えてない。酒の飲みすぎで記憶がない・・・・・・」
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
酒の飲みすぎで記憶がない
私は急に不安になって、今日の朝からのことを思い出そうとした。やってきた警察官のオッサンから視線をはずし、壁を見て、鉄格子を見て、それから天井に視線を移す。その「間」に、すっかりはげ落ちている朝からの記憶を思い出そうとした。
妻を送迎し、妻の駐車場に車を置いた。車のキーはタイヤの下に隠し、妻にメールを送ったはず。そして走ってコンビニに行き、ワンカップ焼酎かのかを2本空けた。空腹で焼酎ストレートを一気飲みしたため、そこですでに酔っぱらった。それからパチンコ屋に行ってスロットを打った。
そこまでの記憶は毎違いない。
酒を飲みながらパチンコを打つ
あいまに、何回かコンビニで酒を追加した。パチンコ屋のうどん屋で焼酎を飲んだ気もする。どうもそこから記憶が曖昧になっていた。
どうやら酒を飲みすぎたようだ。そして今、警察の留置所に。
私「しかしなぜこんなところに閉じ込められているんだ・・・・・・酒の飲み過ぎで記憶がない!」
ブラックアウトとは
酒を飲みすぎて記憶がなくなることを、アル中用語で「ブラックアウト」という。
一般の人であれば飲み会で飲み続け、酔っ払い、午前様にもなると「最後の店でよく喋ったけど、何を喋ってか覚えてない」など、酒の飲み過ぎで記憶がないことがたまにはある。それはたまにはあることで、それはあまり問題ではない。
しかし、アルコール依存症者たちはアルコールを一気に飲み、一気に血中アルコール濃度を上げてぐでんぐでんに酩酊させる。快楽だけを求める飲み方をする。そのため、酒を飲みすぎて記憶がないというブラックアウトが頻繁に起こるのだ。
薬と酒の併用は危険
アルコール依存症者は、うつ病などの精神疾患を患っている場合が多い。そのため、普段から抗うつ剤や安定剤などを服用している。すると、薬とアルコールの併用によりあっという間にブラックアウトするのだ。
私は当時、パキシル(SSRI)、リーマス(抗うつ剤)などの向精神薬を服用してた。そのためか、酒を飲むと少量でブラックアウトする。
そもそもは酒が強く、日本酒1升くらいは平気だった。しかし、薬と酒の飲みすぎですぐに記憶がなくなってしまう。向精神薬を飲み始めてから、焼酎たった3合で記憶がなくなる。
まず、焼酎3合くらいをストレートで飲む。空腹時の焼酎3合ストレートは、ちょうど酩酊して気持ちいい具合になる。そして記憶がなくなるのだ。
警察の留置所では所持品はすべて没収される
警察官のオジサンにコップに水ををもらい、説明してもらった。
警察官「あなたの財布の免許証をみて、家族に連絡を入れてます。奥さんがすぐ迎えに来られるみたいですよ」
大した説明もなく、オジサンはそれだけ言うと、また向こうに去って行った。
ふと確かめてみると、右後ろのポケットの財布が消えている。前のポケットに入れておいた、スマホや鍵、そのほかの所持品がすべて無くなっている。
私(留置所に入れられると、持ち物はみな取られるのか・・・・・・)
私はコップの水を少しずつ口に含みながらペチャンコのベッドに腰かけ、今朝の事を考えていた・・・・・・
朝からの記憶をたどっていく
「朝は病院、それからパチンコ屋、そして今なぜ警察の留置所にいるのか?」
記憶の引き出しを順番に開けていく。酒の飲みすぎでほとんど記憶にないが、かすかな映像が残っていた。映像は、静止画のように、写真のように、ところどころに納められていた。
1枚目は、八木町の公園の小さな川土手を歩いていた。まるでアルバムのように、切り取られた写真のように、動かない画像がめくられていく。
2枚目は、緑井町の子どもの「スイミングスクール」で、ママさんたちと何かを話していた。
3枚目は、そのスイミングスクールの外で、なにかを待っていた。
そして4枚目は・・・・・・パトカー3台から、ヘルメットを被ったの警官たち6人がおりてきて、私の周りを取り囲でいた!
!!
記憶の引き出しを開ける最後の手が、止まった。
まとめ 酒の飲みすぎで記憶がない!気がついたら警察の檻の中
- 酒の飲みすぎで記憶がなくなることを「ブラックアウト」と言います
- ブラックアウトすると、事件を起こして警察沙汰になることがあります
- アルコール依存症にはうつ病などの精神疾患を同時に抱えている人が大勢います。
その人たちは大抵、向精神薬など薬を多く服用しています。しかし酒と薬は厳禁です。あっというまに記憶が飛ぶからです。薬を飲んでいる間は、大量飲酒は避けましょう。
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