目が覚めると・・・・・・私はまた茶色の鉄格子の中にいた。
私「また鉄格子の中だ!なんだこれは、わけがわからない!」
ついこの前も目が覚めたら鉄格子の中。その時は警察の留置所の中だった。そして今もまた、鉄格子の中。
私「ここは、見たことある部屋だ。しかし、わけがわからない」
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
鉄格子の部屋を観察する
天井を見上げると、長く年月が経ったような、元は白だったような天板が貼ってある。
真ん中あたりに暗い蛍光灯。その隣に、丸い火災報知器とスプリンクラーが並んでいる。その横は15センチくらいの丸い網、スピーカーか?天井の隅のほうに、50センチ四方くらいの黒いプラスチック板がある。
私「あの黒いプラスチック版は、記憶にあるぞ」
目をこらすと黒いプラスチック版が透けて見えてきた。丸い球形の黒いモノが中に見える。
私「あ、あれは監視カメラだ!」
鉄格子は茶色に塗られている。一部がドアになっているが、レバーを回しても開かない。鉄格子以外の3面は木の壁になっており、誰かが爪でひっかいたあとがたくさんある。
「出せー出せー」「退院させろや」
という落書きや
「たっくんLOVE」
のような中学生並みのモノも。みな、爪で必死に思いを書き残したような、そんな感じだ。
「ドン、ドン、ドン」
壁を殴るような音が聞こえてきました。隣の部屋か、その向こうの部屋からか、音が響いてくる。反響して、右か左かはわからない。
「ドン、ドン、ドンッ」
音はずっと続き、止まらない。そして、鉄格子とプラスチック版の奥の監視カメラで記憶がすべて蘇った。
私「ここは、精神病院だ!精神病院の保護室だ!」
なぜこんな所に?私はは昨日、部屋から一歩も出ずに一人で飲み、寝たはず。なんでこんな所にいるんだ!
精神病院の保護室、鉄格子の中
部屋の3方の壁は木製の板になっている。
鉄格子は、警察署の留置所のような「モロ鉄格子」といった感じではなく、太い鉄の格子に茶色の木目調のビニールが貼られている。ぱっと見は木に見える。
フラッシュバックした。ここは以前にも入院した、精神病院だ。瀬野川病院という、広島一有名な精神病院。
家からこの瀬野川病院までは遠く、20キロははなれている。どうやってここまで来たんだ?
鉄格子側のドアも木目調ビニールが貼られているが、実は鉄製だ。トイレは部屋の奥。ステンレスの便器で、鈍く黒い光を反射している。座る部分、便座だけアイボリー色のプラスチックになっている。
保護室の鉄格子の中で
私「あ・・・・・・服が違う」
服が私の服ではない。Tシャツとジーンズの半パンをはいていたハズ。しかし、なぜか着古した汚いシャツと着古したジャージを着ているだ。
私「マジックで『R1』と書いてある・・・・・・」
前回入院した時は『R3病棟』だったから、ここは『R1病棟』になるのか?
アルコールはすでに切れていた。そしてアルコール切れによる喉が渇きを感じる。しかし、水道は部屋のどこにもない。
私「誰か!誰かいませんか! おーい!誰かいませんか!」
誰も来ない。ドアには鍵がかけられている。ドアを、思いっきり殴ります。
「ドン!ドン!ドン!」
ああ、さっきの音は、これか・・・・・・
まとめ 気がつくと精神病院の保護室、鉄格子の中
- なぜ記憶がなくなっているの?
それは前日、精神安定剤を指定の3倍以上OD(オーバードーズ)して焼酎を飲んだからなのです。次回詳しくお話します - 精神科の薬を飲んだ時、アルコールは厳禁です
ブラックアウト(記憶喪失)して何するかわからないからです - 精神科の薬は、決めれられた量をきっちり守って飲みましょう
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