看護師「マロさん、検温ですよ」
まだ眠気が残る早朝、検温のためムリヤリ起こされた。時計がなく時間がよくわからないが、確か検温は朝6時半。まだタバコが吸えてないため、ボーっとしていた。
保護室の壁を見ながら、今日一日なにを考えて過ごそうか、などと考えていた。ガチャン、ガチャン、と、保護室のドアが次々に開く音がしてくる。
朝食が8時くらいか、ムリヤリ起こされたため、やることがない。
看護師「マロさん、朝食ですよ」
やっときたか。
私の部屋の鍵とドアが開けられた。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
デイルームにいき、自分の名前の朝食プレートを探し、テレビの前に移動させる。せめてニュースくらいは、とNHKニュースを見ながら朝食に手をつけた。
朝食というとたいていの人はご飯なのだが、トースターでパンを焼いている人がいた。
看護師に聞くと、ご飯食かパン食かを選べるようだった。こんな「ご飯と味噌汁と漬物だけ」の朝食では、栄養不足になってしまう。パンの場合は牛乳がつくので、明日からパンに変えてもらった。
食事が終わると、また保護室に戻らされる。
ついに牢屋のような閉鎖病棟の保護室から解放される
鉄格子の中で考え事をしていると、パタパタと足音が聞こえてきた。
看護師「今日から中間開放になりますので、10時からデールームで過ごしてください」
そう言われ、ドアを開けられた。
良かった・・・・・・日中の一部の時間帯だが、デイルームで過ごせる。鉄格子の保護室から出られる。
牢屋のような鉄格子の保護室にいると、マイナス思考になり要らないことばかり考えてしまう。保護室にいつまで閉じ込められるのか、いつ緑色の離婚届けが送られてくるのだろうか。胸の中いっぱいに負の感情が広がり、嗚咽しそうになる。
恐い恐い恐い・・・・・・またマイナス思考にとりこまれるのが怖かった。
保護室から解放されると、少し自由が増える
それが、昼間の半分はデイルームで過ごせることになった。
テレビを観られる、マンガも読める。
タバコは1日4本のままだが、これは仕方がない。(現在は全面禁煙になっています)他の患者とおしゃべりができる。昼の間は牢屋のような鉄格子の保護室から開放された・・・・・・。
アルコール依存症患者以外は会話にならない
デイルームにでると、昨日タバコルームで出会った旧友たちは1人もいなかった。
彼らはまだ開放されていないのか?
保護室でつらい思いをし続けているのか?
デイルームには患者が何名かいた。しかし、まともに会話ができないような、統合失調症や発達障害だった。これではおしゃべりが楽しめない。気が紛らわせない。
ニュースでも見てシャバの事件や世界情勢でも知っておこうとしました。しかし、アナウンサーの声は聞こえるのだが頭に入ってこない。まだアルコールの飲みすぎで頭がボケているのか。マンガを手に取って開いてみた。絵はわかるのだが字が頭に入ってこない。
アルコール離脱症状が治まらない
まだアルコール離脱症状が出ている。手が震え、脂汗もでている。不安感もあり、つらい。
何かに集中すれば時間が経つのだろうが、なかなか集中できず時間がたたない。食後と3時のタバコタイムの時だけは、保護室で閉じ込められている人が出てくる。やっと話ができる。
アルコール依存症患者たち
喫煙所で待っていると、次々と旧友がやってきた。ヤナイさん(女性、2歳上)が入ってきた。(以下すべて仮名)
私「ヤナイさん、調子はどうですか?」
ヤナイ「もう気が狂いそうよ。もう2週間も閉じ込めされとるんよ。あれ? 3週間かな?」
私(うわ、3週間・・・・・・すでに日付がわからなくなってるし)
ワタナベくんは点滴棒を引っ張ってきた。腕には点滴針が刺さったままだ。私は点滴は1日3回で終わったが、彼は症状が重いようだ。
私「ワタナベくん、調子は?」
ワタナベ「ボーっとしてます。幻覚が見えるんですよ。部屋の木の模様が魚になって泳いだり、虫になって這っていったり・・・・・・」
私(うわ、幻覚って本当にあるんだ・・・・・・)
こんなの、人間のいるところじゃない。こんなところにいたら発狂する! 嫌だ!
私「どこでもいい、普通の病棟にいかせてください!」
看護師にお願いした。
精神科・閉鎖病棟の保護室からの解放。鉄格子から脱出 精神病院体験談
- 昼間はデイルームで過ごせる「半開放」処置になりました。
- しかし、半開放になってもアルコール離脱症状は続いています。
手の震え、発汗、精神的には不安感や恐怖感です。
そして酷い場合はワタナベくんのように幻覚がでます。 - ある断酒会の人は、ひどい幻覚が起きてマンションの8階から飛び降りようとしました。
- 連続飲酒が抜けたすぐあとは、まったく集中力がおきません。テレビの声も、マンガのセリフすら頭に入って来ない状態です。
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