アルコール依存症で精神科の入院生活はストレス満載 精神病院体験談1-22

アルコール依存症で精神科の入院生活はストレス

アルコール依存症で精神科の閉鎖病棟に入院して2~3週間経ったころ生活を紹介します。


私は元々のうつ病の症状と、アルコール性うつ(酒飲みがアルコールを抜いた時に、気分が沈む症状)のW効果で、朝4時には目が覚めてしまうのです

※アルコール性うつは時間が経つと、じょじょに薄れてきます

朝4時はまだ喫煙所のドアは閉まっており、6時になるまでテレビは点けられません。私と同じように目が覚めた患者、それにお年寄りなので早く起きてきた老人たちと、デイルームでしばらく雑談したりしていました。


●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

アルコール依存症での精神科の入院生活

精神科の入院生活の朝
精神科の入院生活の朝

時おり、紙コップ式の自販機で90円のコーヒーを淹れる。

閉鎖病棟は現金をもたせてもらえない。自販機でコーヒーを買うには、あらかじめ「WAONカード」というプリペイドカードにお金をチャージしておかなければならない。

激昂し恨みの念でぼくを睨んでいた妻だが、「病院の小遣い用の口座」には2万円ほど入れてくれていた。そして、WAONカードにも数千円チャージしてくれていた。普通の人間らしい生活が送れるようにはしてくれていたのだ。

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精神病院の病棟では、患者にたかられる

精神科病棟の自動販売機
精神科病棟の自動販売機

その自販機はデイルームにある。もし昼間、デイルームに患者が大勢いる時に自販機で買うと、遠慮のないヤツらどもが

誰か1杯おごってくれんかのう

ワシにもおごってや!

と、たかられるので人目のつかない時に買わなければならない。

急性期で入院している患者は、たいてい奥さんか親にWAONカードを購入してもらっている。しかし、慢性期で独り身で長期入院していて生活保護でお金がないような患者は、WAONカード(チャージ込み2,000円)すら買えないため、たいていたかってくる。

彼らにおごったことはあるが、一般的な常識が無く感謝すらされなかったり、「こいつには金がある」見られてたかりがどんどんエスカレートしていったりしてきりがない。

なので、本当に親しい人にのみ、おごる。しかし、「患者同士での貸し借り、モノのやり取りは禁止」となっているため、こっそりと買って持って行ってあげる。精神病患者との間でモノのやり取りをすると、非常識な行動をしたり嘘をついたりするためトラブルになるから。

入院生活の朝6時

精神科の入院生活・喫煙所
精神科の入院生活・喫煙所

入院生活、朝の6時。テレビが点く。

そして、喫煙所の鍵が開けられる。

喫煙者は、パチンコ屋の開店時のようにみな喫煙所になだれ込み、ポケットからタバコを出す。しかし、テーブル型の空気清浄機に、盗まれないよう鎖で取りつけられたライターは「ひとつ」しかないので、タバコに火を点けるための行列ができてしまう。

ただ、当直(夜勤)の看護師がキムラさんだった場合、6時より10分早く喫煙所が開く。キムラ看護師自身がヘビースモーカーなので、自分が早く吸いたくて開けるのだ。

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アルコール依存症の入院生活、朝の検温

検温の体温計
検温の体温計

閉鎖病棟では6時半あたりから全員が検温を行う。各部屋を看護師が回るので、ベッドに戻っておかねばならない。要領のいい看護師の場合、デイルームでテレビを観てても勝手に検温してくれるので楽なのだが。

本日、自分担当になる看護師が、体温と脈、便が昨日出たか、食事は全部食べたか、変わりがないかなどを聞いてくる。

私「特になにもないです

とか

私「夜中に何回も目が覚めて眠れていない

といったことを伝える。症状によってはそれが主治医に伝えられ、マグネット錠(便秘薬)や睡眠薬が変わったりする。

睡眠薬ハルシオン
睡眠薬ハルシオン

精神科の薬はほぼ便秘になるため、マグミット錠など便通を良くする薬を飲まされる。私の場合、いきなりマグミット錠3錠を処方され、便が固くなるどころか柔らかくなりすぎてしまい、まるで水のような下痢が続き、苦労した。

主治医に言うと「自分で調整してください」だと。マグミット錠は精神薬とは関係がないため、どのくらいを飲むかを自分で調整してよいらしい。いろいろ試して試行錯誤した結果、マグミット2錠で、軟便になるくらいに落ち着いた。

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運動不足解消のための運動

入院生活で運動不足解消の運動
入院生活で運動不足解消の運動

検温等ひととおりが済むと、まだ人がまばらなデイルームへ行く。検温が終わったらまた寝る人もいるが、うらやましいかぎりだ。私は一旦起きると睡眠薬なしでは眠れないため、しかなくデイルームの隅で柔軟体操をする。

その後、家から郵送してもらったダイソー商品の小さなキッチンタイマーを出し、3分にセットしてシャドー(ボクシング)を始める。まず、足のステップだけでウォーミングアップ。それから、ジャブだけ3分。ワン、ツー、右ストレートを主体にした3分。などを30分。

その後、スクワットやプッシュアップ、腹筋などを数セット。1時間、体を動かす。このくらいは身体を動かしていないと、運動不足で体力がガタ落ちする。

精神科の閉鎖病棟内で唯一運動をする人、私

その頃には「マロさんはボクシングが趣味で、いつも運動をしている人」と看護師さんにみなされているため、注意されなくなった。

私のそばにいたヒウラちゃんなどの女の子が私にむかって「シュッ シュッ」とパンチのマネごとをする時があるが、これは「危ないからダメです!」と看護師に注意されてしまう。

精神科の入院生活の風呂

風呂は、週にたった2回。夏でも冬でも関係なく、週に2回。そのため、風呂でない日に汗だくになった場合、洗面所で上半身裸になって汗を落とす

8時から朝礼、ラジオ体操。

アルコール依存症者は精神科の閉鎖病棟でこんな入院生活を毎日まいにち何か月も繰り返し送るのである。

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アルコール依存症で精神科の入院生活はストレス 精神病院体験談まとめ

  • 自販機でコーヒーを飲んだり、親しい人におごるのは、人目につかないところでしないといけないです。金のない長期入院の精神疾患患者にたかられてしまいます。

  • 喫煙所オープン時はまるでパチンコ屋。ニコチンに飢えた患者がいっせいになだれ込んできます。

  • 精神薬を飲んだらたいてい便秘になります。マグミット錠の調整が大変。マグミットを飲みすぎると水のような下痢に。

  • 風呂はどんなに暑かろうが寒かろうが週に2回。瀬野川病院の風呂は、ヤクザの人などが彫り物をしているため、虎や竜や桜が色とりどりで華やかでした。
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