アルコール依存症で精神病院の閉鎖病棟に入院して、はや2ヶ月が過ぎました。
私は患者としては優等生なもんだから、週1で帰宅(外泊練習)も許可されています。
しかし、帰宅途中で酒を飲んだら一巻の終わりなので、車で妻に迎えに来てもらうのです。
アルコール依存症の外泊は、もちろん酒なし



最初のうちは1泊2日、問題なければ2泊3日を自宅で過ごします。
自宅で酒などを飲まず、平和な日常生活を送ることを練習するのです。
主治医から、家での患者の様子を記入する紙きれが渡され、それを保護者(妻、親)に渡さないといけません。
- 家での様子は 静かだった / 普通 / 良くしゃべった
- イライラしていなかったか はい / 普通 / いいえ
- 病院に要望はありますか ( )
このような質問がならび、最後に
- お酒を飲んだか はい / いいえ
ときます。
ほとんどの患者はなるだけ早く退院したいので、家でなにかあってもじっと我慢して「よい子」で過ごします。
外泊が終わり病院に戻ると、妻が看護師長にその紙切れを渡します。
それを2、3回繰り返し、「問題なく過ごせた」ことを主治医が認めれば、退院はもうすぐなのです。
しかし実際には、身寄りがいない独り暮らしの患者などは晩酌などをやってます。
入院し、一番最初に保護室に入った時、入院計画書に「3ヶ月の入院が必要」と記されていました。
しかし、閉鎖病棟のオリの中で3ヶ月も過ごしたくない。
早くシャバに戻りたい。
それだけを考えるようになってくるのです。
退院支援委員会で退院日が決まる



3回ほど外泊し、実績をつくった後、主治医との面接時に言った。



もうそろそろ退院したいのですが、どんなもんでしょうか。
主治医はすこし考え、こう言った。



来週末あたりにしましょうか。その前に退院支援委員会を開きましょう。
退院支援委員会とは
そして数日後、主治医、担当看護師、妻、私の4人で退院支援委員会が開かれました。
アルコール依存症は、他の病のように「病気がよくなったらすぐ退院」というわけにはいかないのです。
アルコール依存症は一生治らない病気、薬物依存のため
「家で酒を飲まずに生活していけるか」
が退院できるかできないかの重要なポイントとなります。
- 退院した後どうするか
- 仕事をするのか、しないのか
- 酒を飲まずにちゃんと生活できるのか
主治医と看護師と妻とで確認されます。
話しあいの後、主治医と保護者がOKをだせばめでたく退院のはこびとなるのです。
結局、一週間後に退院が決まりました。
長い一週間。
1日、1日とカウントダウンしていきます。
仲がよい患者にだけ、退院する事をいっておく。
心から喜んでくれるから。
そうでもない患者には言わない。
ねたまれるから。