●連続飲酒発作とは
連続飲酒発作とは、朝から夜寝るまで飲酒が止まらない状態だ。アルコール依存症患者はほぼこの連続飲酒になり、仕事どころか食事もろくに出来ない状態が続く。
家族がいる者は運がよく、強制的に精神病院に入院させられてアルコールを切ることができる。が、独身の独り暮らしなどは誰も止めないため、栄養失調や肝不全で一人孤独死するケースが少なくない
実際に身近で酒瓶にかこまれて孤独死したケースがあったが、その人は断酒会の一員で奥さんと離婚していた。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
連続飲酒発作が続く
早朝、目が覚める。酔いがまだ残っている。しかし、タバコのニコチン禁断症状より100倍ひどいアルコール離脱症状がいつ襲おうかと待ち構えている。
ベッドの下に手をのばし、隠してある1.8リットル紙パック焼酎を取り出し喉に流し込む。もちろん25度をストレートでだ。そしてそのまま布団をかぶる。いつの間にか寝ている。
ふと目が覚めて、また焼酎を流し込む。ベッドでマンガを読んだり、パソコンつついたり、歩く元気であればパチンコに出かける。
酔いが覚めると、再び血液にアルコールを供給する。夜、寝るまで、いや夜中に目が覚めても、ひたすら焼酎を胃に流しこむ・・・・・・
連続飲酒一週間目のことだ。
連続飲酒の恐怖
もう、酒は止まらない。
「この状態はマズイな」と自分では分かっているのですが、激しい飲酒欲求に襲われ止めることができない。酔いが覚めてくると手が震え、不安感が胸からあふれそうになる。完全に酒が切れると、離脱症状に襲われ苦しいため、さらにアルコールを追加する。
妻となにかをしゃべった気がするが、まったく覚えていない。テレビをなにか観たが、まったく記憶にない。一日中、泥酔している。
外にでると、またいつかのように警察沙汰になったらマズイ。
酔っていてもそんな記憶があるため、自分の部屋に閉じこもり、また飲み始める。静かに飲んで静かに酔う、サイレントドランカーだ。
連続飲酒1週間、回復できない
連続飲酒1週間以上つづき、会社も休んだまま。自力ではもう、シラフにもどれない。苦しい、だれか、強制的にとめてくれ。どこかに閉じ込めてくれ。アルコール離脱症状を抑えるセルシンという薬だけをくれ・・・・・・
ふと、ズボンの右ポケットの携帯が鳴り始めました。取り出して画面を見ると、上司、いやもっと上の常務役員の名前が表示されている。
通話ボタンを押して耳にあてました。そして挨拶をしたのち、こういわれた。「前みたいに警察沙汰になる前に、入院しなさい」私はギブアップして、入院する覚悟を決めた。
連続飲酒とアルコール離脱症状
アル中用語の「連続飲酒」とは、あまり聞きなれない言葉だと思う。その名の通り「朝から寝るまでアルコールを飲み続ける」ことだ。一般の方は深酒をすると、朝に酒が残る二日酔いとなる。会社にいっても頭が痛かったり体がしんどくて、「もう酒は飲まない」と後悔する、普通は。
アルコール依存症の行動
しかし、アルコール依存症者はそこからが違う。酔いが覚めていくと、じわじわとアルコール離脱症状が始まる。
- 手をひらくと指が震える。
- 足もがくがく震える。
- 身体中が小刻みに震えだす。
そして、暑くはないのに額、首筋、わきの下に脂汗をかき始め、ポトポトとたれ床に落ちはじめる。
心は強烈な不安感に襲われる。そのようなアルコール離脱症状に耐えられなくなり、自分の部屋に戻りドアを閉める。薬物が切れたのと同じ状態だ。
アルコール離脱症状を止める
そしてわからないように隠してある2つ目の一升紙パック入り焼酎を探し出し、息を吸い、25%アルコール溶液を喉に一気に流し込む。
すきっ腹に焼酎ストレートを流し込むため、喉から胃までの温度が一気に上がり、熱く燃える。アルコールが胃と十二指腸で吸収され、脳に到達すると、手の震えがピタリと止まる。足の震えもピタリと止まる。
まるで映画のワンシーンのように、震えていた指がピタリと止まる。
不安感が嘘のように消え、快楽が押し寄せてくる。二日酔いで続けて酒を飲むことなど普通には考えられないが、アルコール依存症者には普通のことだ。酒を飲んで二日酔いのつらさを麻痺させる。
そしてまた、酒をやめるとこができないアルコール漬けの一日がはじまる・・・・・・
まとめ 連続飲酒の恐怖|連続飲酒発作から1週間、回復しない
- 朝から寝るまでアルコールを飲み続けることを連続飲酒発作といいます。
- 本人は止めたいとおもっていても、酒が切れると手の震えや発汗、不安感や恐怖感に襲われ、それを打ち消すためにまた酒を飲んでしまうのです。
- 朝起きたら酒が切れているので、やはり手の震えなどアルコール離脱症状に襲われ耐えられなくなり、朝から酒を飲む状態になってしまいます。
- 連続飲酒に入ると食べないせいもあり、一気に肝臓・すい臓などの数値が悪化します。
- こうなったらもう入院するか、相当の根性で酒を断ち切るしか方法がありません。
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