めちゃめちゃな診察を受けた(らしい)私は、診察室を後にしました(らしい)。
意識がとぎれとぎれで、半分は失神している、そんな状態でした。
当然、医療保護入院となったようです。
医療保護入院とは
医療保護入院とはなんなのか。
入院形態について簡単に説明しますと、精神病院の入院には3種類あります。
任意入院、医療保護入院、措置入院です。
任意入院とは
任意入院はいわゆる普通の入院で、入院が必要な精神病患者が、本人が同意して入院する形態。
いつでも退院ができます。
医療保護入院とは



入院しなければならないほどの精神病患者で、自傷や他人を傷つける可能性はないですが、任意入院ができない患者をなかば強制的に入れる入院形態です。
精神科の医師、または家族の同意が必要です。
自分が治ったといっても退院はできません。
退院するにも、主治医と家族の同意が必要になります。
アルコール依存症、双極性障害、統合失調症などに多いです。
親、配偶者が無理矢理連れてきて入院させる場合が多いです。
もちろんすぐには退院できず、たいていワンクールつまり3か月ほど閉じ込められます。
統合失調症などはもっと長い場合もあります。
措置入院とは
措置入院は医療保護よりもっとひどい状態で、入院させないと自傷や他人に危害を与えるおそれのある精神病患者を強制的に入院させます。
精神科医2名の診断が一致した場合に措置入院させられます。
警察から患者が送られてくる場合もあります。
なぜかというと、覚せい剤、麻薬、酔って暴力事件などを起こした人を入院させることができるからです。
入院時に暴れていたが、日にちが経つと実はおとなしい(覚せい剤、麻薬で性格が変わっていた)人がわりと多いです
参考 厚生労働省
アルコール依存症でまた入院、閉鎖病棟の保護室へ
私は意識が半分ないまま、診察が終わるとストレッチャーで運び出されました。(らしい)
ストレッチャーで運ばれる



焼酎の入れすぎで半分意識がない、半分起きている。
そんな状態でストレッチャーに乗せられた私はずっと廊下を通り、ドアを開け、どこかの部屋に入れられました。
じょじょに酒が抜け、意識が戻ってきます。
気がついたら、鉄格子の部屋の中で寝かされていました。
またもや保護室に
私「まただ・・・・・・ また保護室だ・・・・・・」
私がいるのは、また前回と同じ保護室です。
精神病院の保護室のようす



壁は茶色く塗られた木の壁。
茶色く塗られた床のタイル。
鉄格子の面は、警察の留置所とは違って茶色く塗られ、一応、むき出しの鉄ではなく木にみえるようにはなっています。
鉄格子にはめられている扉も、茶色い木目のビニールが貼られています。
格子と格子のあいだには、プラスチックの透明な板がはられています。
これは、冷暖房が効くようにとの気遣いのようです。



木の壁には、「出してくれー気が狂う」とか「しにたいしにたい」など、保護室に閉じ込められた患者が必死に爪でひっかいた後があります。
天井は、元々は白だったのがうす汚れて染みがついたような色に変わっています。
蛍光灯と直径15センチくらいのスピーカー、火災報知器にスプリンクラー。
天井の角には、50センチ四方くらいの黒いプラスチックの板があり、そこに透けて監視カメラが見えます。
地べたに敷かれたマットがベッド
とにかく、なにもかも茶色です。
床には、一畳くらいの水色のマットが地べたに直に敷かれています。
マットの上には、ベージュ色の古めかしい掛け布団。
布団カバーやシーツなどはないのです。
精神病患者はそんな扱いなのです。
トイレではなく、ふとんの上に糞尿をする患者もいたりするため、致し方ないともいえます。
部屋の奥にはトイレがあります。ステンレス製の鈍く光る便器があり、座面は一応プラスチックで肌色になっています。
トイレットペーパーが1つ、奥に置いてありました。
トイレをしても流せない



小便をしても、自分では流せないのです。
話によると、便器の水を飲む患者がいたので、部屋の外でボタンを押さないと流れない仕組みになったようです。
なので、大便をしても看護師が通りかからないと水は流せないのです。
臭いが充満するため、ティッシュペーパーで排泄物の上にフタをするしかない。
あまりにも臭うと、いちいち看護師を呼んでトイレを流してもらいます。
そう、前回とまったく同じだったのです。