夢の中は幸福、保護室の生活は悪夢 精神病院体験談2-15

夢の中は幸福、保護室の生活は悪夢 精神病院体験談

私はアルコール依存症で精神病院の閉鎖病棟にいくたびか入院しました。

この記事は、精神病院で起こったことや体験談を書いたものです。


精神病院の保護室に閉じ込められ、眠りにつくと必ず幸せな夢を見た。

しかし目が覚めるといつも鉄格子の中、ひとり悪夢が待っていた。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

保護室の生活は毎晩夢をみる

筆者の娘

毎晩、夢を見る。毎晩、まいばん、夜になると幼い娘たちが出てくる。娘たちとたくさん遊ぶ夢を見ていた。娘に囲まれた幸せな夢を毎晩見ていた。

私は娘たち二人と、夢の中で楽しく遊んでいる。彼女たちは小学生と幼稚園児。夢の中で楽しく公園に出かける。

ある日、「魔女の宅急便」の映画を観た。次の日、竹ボウキをせがまれました。今どき竹ぼうきなどど売っているのかと思いましたが、ホームセンターにちゃんと売っていた。300円くらだったか。

大人の背丈に合わせてある長い竹ボウキの、しっぽの部分を適当に切ってやった。二人が竹ボウキにまたがってキキのまねごとをしているのを、私は微笑ましく見ていた。

とても幸せな夢だった。

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毎日娘のブランコを押してやる

公園のブランコの娘を毎日押してやる
公園のブランコの娘を毎日押してやる

よく近所の公園に連れていってやった。公園での女の子の遊びは、ブランコか鉄棒か滑り台。たいてい最初にブランコに飛び乗る。

下の娘は小さく、まだ自分でブランコをこげないので背中を押してくれという。いわれるように、背中を押してやる。

娘は前に後ろにゆっくり往復する。

ブランコが止まりかけたらまた背中を押してくれというので、また押す。何回も、何回も。

ブランコに飽きたら、公園で走り回って遊ぶ。

夢の中で酔う

公園で飲む日本酒
公園で飲む日本酒

手が空いた私は、公園から歩いて30歩の近所の商店にかけこみ、ワンカップの日本酒を買う。ポケットに隠し、素知らぬして公園に戻る。ベンチに座り、隠していた日本酒のふたを開け、ゴクリとやる。

実はうちの団地には、幼女にイタズラをして逮捕、懲役になったクソ馬鹿野郎がいる。木の陰に幼稚園児を連れ込み、イタズラをしているところも目撃されているらしい。私はちびりちびりとやりながら、娘たちを性犯罪から守るため見張る

しばらくして公園に飽きたら、家に帰る。何本か飲んだので、私はすでに酔っ払いだ

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娘たちと昼寝をする

筆者の娘たち
娘たち

夢の中で、ゲームをしたりプリキュアごっこをして遊んでいた。いつも悪役をやらされるのですが、仕方ない。

そしておやつの時間になる。アイスクリームやチョコレートを飽きるほど腹いっぱい食べる。

幼い娘たちは可愛い盛りだった。娘たちと遊んでいる時間が一番幸せだった。疲れ果てて、腹いっぱいになった後は昼寝をする。

クイーンサイズの大きなベッドに3人川の字で寝る。3人で昼寝をする、毎晩こんな夢をみていた

家の天井じゃない

精神病院の保護室の天井
精神病院の保護室の天井

娘たちと仰向けに寝転んで、ぼんやりと天井を見ます。天井を見ているうちに、天井の形がだんだんと変わっていく。

蛍光灯が・・・・・・うちのじゃない!

薄汚れた黒い天井に、はめ込まれた蛍光灯。もちろん灯りはついていない。蛍光灯のまわりに、火災報知器やスプリンクラー、スピーカーが設置してある。

ハッ、と、家の天井じゃないことに気がつく。いっきに目が覚める。

そして入院してからの病院での記憶が脳の入り口からいっきになだれこんでくる

むりやり連れて来られた保護室。金属製のドアを閉められる「ガシャン」という音。鍵を閉められる「ガチャガチャ」という音。自分では流せないトイレ。シーツもなにもかかっていないマットに掛け布団。

急に襲い掛かってくる恐怖感、不安感。急に寒くなる。心が冷え冷えと寒くなる。つつまれていた幸福感から、いっきに現実へ引きずり出される

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夢の中では幸福、保護室の生活は悪夢

精神病院の保護室
精神病院の保護室

夢から覚め、保護室で監禁されてベッドにひとり寝ていた現実を思い出し、愕然とする

娘たちと離れ離れになっていたことを思い出し、落ち込む。これから数か月も逢えないことを思い出し、啞然とする。

娘たちに逢いたい・・・・・・

幸福な夢。しかし、目が覚めたら現実。

毎晩、この繰り返し。

夢で悪夢を見ているのではなく。夢から覚め、ひとり鉄格子の中にいるという現実が悪夢だった・・・・・・

夢の中は幸福、保護室の生活は悪夢 まとめ

願望なのか、後悔の念のためか、家で娘たちと遊ぶ夢を毎日見てました。

つらい閉鎖病棟の保護室の中では、寝て、夢を見ている時間が一番幸せでした。

しかし突然目が覚め、現実の悪夢を目の当たりにします。

逆に、アルコール離脱症状のせいで悪夢ばかり見る方もいます