私はアルコール依存症で精神病院の閉鎖病棟にいくたびか入院しました。
この記事は、精神病院で起こったことや体験談を書いたものです。
●精神病院の隔離病棟とは
隔離病棟は一般的には、精神病院の出入り不可能な「閉鎖病棟」、もしくは内側からは鍵が開かない「保護室」を指します。
瀬野川病院では患者間の方言で、保護室から昼間だけ解放される「中間解放」処置とされた患者が行動できる狭いエリアを「隔離病棟」といったりすることがあります。その隔離病棟と呼ばれる「中間解放」の患者は、午前中2時間、午後3時間ほど、牢屋のような保護室から出されデイルームで過ごすことができます。
閉鎖病棟では週一に売店日には病棟から出て(もちろん看護師の見張り付き)お菓子やジュースを購入することができますが、「中間解放」の患者は病棟の外には出れず、許可されきません。その代わりに看護師に頼めばタバコやお菓子などを買ってきてもらえます。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
精神病院の保護室からの中間開放
昨日、やっと保護室から開放された。囚人のような牢獄から開放されたのだ。
昨日は入院から4日目。「中間開放」なので午前中2時間、午後3時間だけデイルームで過ごせるが、24時間ずっとひとり牢獄の中にいるよりはずいぶんとマシだ。
今日は入院して5日目、アルコール離脱症状はかなり治まってきた。振戦(震え)も、手をパーにしたらかすかに震えているが、入院当日のアルコールが切れた時ほどピグピグと生き物のようには震えてはいないかった。
足や身体はまったく震えていない。意味不明な脂肌も引いてきた。96時間にわたるアルコール離脱症状がほぼ治まり、かなり楽になった。ただ、不安感がまだ出るため、セルシンという精神安定剤を飲んでごまかしていた。
隔離病棟のデイルーム
日中はできるだけデイルームで過ごす。ただ、前回の入院時に自分の保護室を開けっぱなしにしておいたら、知らない間に荒らされていました。
お菓子を全部捕られた
黒いバッグの中に入れておいた袋菓子や飴を全部取られてしまったのだ。
え? まさか? にわか信じられない状況だった。そしてなぜか・・・・・・バスタオルやふとんなどがキレイにたたんであった。バスタオルはたたまれて、菓子を盗んだ黒いバックの上に丁寧に置かれていました。
「たたむ」という行為からして、犯人は女性なのか?盗みだという意識があれば、菓子を盗ってそのままわからないように逃げるハズ。
本人に罪の意識がないのか?なぜ防犯カメラがあるのにわざわざていねいに痕跡を残したのか?
精神病院の患者はやはりどうかしてるのが多い
やはりここは「精神病院」だ、ということを思い出し、気にしないことにした。菓子くらいは、週に1回金曜日、補助看(準看やバイトできている看護師。掃除などの雑用をする人)に頼めば買ってきてもらえるのだ。
犯人は菓子も買えないほど金がないか、食いつくしてしまったのか。防犯カメラは部屋にも廊下にもあるので、看護師に頼めば犯人を追えるが、哀れになってやめた。
・・・・・・なので、今回はデイルームにいる間は自分の部屋の扉を閉め、レバーでロックするようにした。
保護室にはなるべく戻らないようにも。保護室にいると、飲んでしまった過去の後悔の念や、解雇、離婚、愛娘との別れのことをまた考えてしまうからだ。
午前と午後の作業療法には必ず参加する。集中していると、イヤな事を考えずに済むから。
隔離病棟での作業療法
午前午後に1時間づつ、作業療法がある。療法といっても、ストレッチしたりパズルをしたりの簡単なことばかりだ。
OTさん(作業療法士)は必ず2人ペアで来る。パズルやゲームを持ってきたり、マンガ雑誌を10冊くらい持ってきたり、気分転換ができるよういろいろと考えてくる。
私はマンガ本を時間つぶしに眺めたり、まったく解ける様子がない知恵の輪をえんえんとやり続けたりした。しかしそれで、その時間だけでもつらいことを忘れることができる。
ミュージックステーションの録画を流すこともあった。若い患者は夢中で見ていたが、世代が違うからか知らない歌手ばかりで、興味が失せた。
前回も書いたが、音楽リクエストといって、MDに録音してある曲を各患者がリクエストして流す時もある。気分が上がるエアロスミスやAC/DCやメタリカはなかったので、しょうがなくビートルズなんかをかけてもらう。
OTさんとの会話は楽しく感じた。なぜかというと、まともな人間だから。気の触れたのが多い精神科の隔離病棟では、普通の人がとてもまともに感じる。
薬物依存やアルコール依存症も、それが抜けたら普通の人なので普通に会話ができる。だが、依存症以外の患者との会話は難しい。統合失調症の重い人、発達障害の人、自閉症の重い人、などはまったく会話にならないことが多い。
瀬野川病院はアル中や薬物依存以外もいろんな精神病患者を受け入れる。統合失調症は話が飛ぶし、発達障害の人は話しが幼稚だし、自閉症は喋らない・・・・・・
保護室からは解放されたが、頭がぼやけている
そのような症状だったので、ヒマつぶしにデイルームでほかの患者を観察することにした。そのほうが、よほどか興味深い。
この人は話がぐちゃぐちゃになるので、たぶん統合失調症だろう。
この人はまともなので薬物かアルコールなのかな。
この人は人と交わらないので適応障害系だろう。
このしゃべり方は発達障害だな。
2回も入院すると、精神病の症状がなんとなくわかってくる。それから、デイルームでずっと患者たちを観察していた・・・・・・
精神病院の隔離病棟の様子 まとめ
考えることは、「早く保護室の隔離病棟エリアを抜けて、閉鎖病棟へ行きたい」そのことばかりでした。
そっちへ移動できばタバコ吸い放題(現在は禁煙)、自販機で冷たいジュースも飲める。
朝6時起床ですが、夜21字までテレビが観られる。
閉鎖病棟が天国に思えてきました。
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