今回は精神病院に入院してきた身長2メートルの大男の話。彼は心の病でメンヘラ男子になっていたのだ。
●メンヘラとは
メンヘラをいう言葉をよく聞きます。なんとなくはわかるのですが、正確にはどういう意味なのでしょう。
メンヘラは「メンタルヘルスになんらかの問題を抱えている人」を指して使われるようです。ネットで生まれた言葉で、「メンヘラ女子」は「重い、面倒くさい女」などと使われています。
本当に精神的な病を持つ人を指す場合と、病気ではないものの、「すぐ怒る」「かまってちゃん」「SNS上でのストーカー」などを指す場合もあります。今回は本物のメンヘラ男子の体験談をちょっと載せます。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
デイルームに格闘家のような大男がいた
見上げるような背格好の男が、デイルームをのそりのそりと歩いていた。背が高く、肩幅も広く、まるでプロレスラーのようだった。話しかけると、アリマさん(仮名)と名乗った。ぼそりぼそりと喋り、無口で自分からはしゃべらない、そんなおとなしそうな人だった。
私の背丈は180センチ、若干ではあるが平均より少し高いほうなのだが、その目の高さのあたりに彼の肩がある。彼は、背が私より頭一つぶん以上高かったのだ。
まさに大男と言われるような体つき。背があまりに高い人によくある特徴で、彼はいつも前かがみで、猫背だった。申し訳なさそうにかがんでいる肩の位置が、ちょうど私の目の高さ。背筋を伸ばしてしゃんと立つと、2メートル近くあるか。
肩幅は広く、脂はない。こんな大柄な精神病患者が暴れたりすると大変なことになる。瀬野川病院の男性看護師は柔道をやっていたが、3人がかりでも取り押さえられないだろう。
のそのそとゆっくり歩く姿は、まるでプロレスラーか格闘家。他の患者は彼がおっかないのか、話しをしているを見たことがない。
首に包帯を巻いている
そんな彼の顔を見上げると、包帯が首にぐるぐる巻きにしてある。何か事故をしたのか。ケンカか、事件でも起こしたのか。こんな2メートルもあるような大男とケンカするヤツは勇気があるな、と思った。
彼はメンヘラだった 頸動脈を切る
数日後、包帯は取られていた。その包帯が巻いてあった場所、首の左側の鎖骨からアゴの下まで、頸動脈にそって20センチほどの長い生傷があった。「首をかき切った」ように、首筋にナナメに傷跡がはっていた。
たった今、傷が塞がったといわんばかりの幅2センチほどの傷跡が赤く残っており、生々しい。彼が生きている、ということは傷は頸動脈までは達していなかったようだ。もうほんの少し深く切っていたら、部屋中に鮮血が飛び散っていたということになる。
彼はここにはいなかったであろう。よくぞ死ななかった。
そして話を聞くと、彼は「うつ病」だといった。
だからしゃべらないのか。「自分でやった」のだ、と、彼は遠くを見つめながらつぶやいた。
メンヘラ男性の最後は自殺未遂
彼は自傷、しかも本気で頸動脈をかききって死ぬ気だったようだ。リストカットなんていう甘いものじゃない。たかだか手首に切り傷をいれるなんてものじゃない。
頸動脈。本気だ。
よくまあ死ななかったことだ。どうやらうつ病の限界で、自傷行為があるため入院させられたようだった。
身体は人より大きいのに心は人より弱い。すこし可哀そうになった・・・・・・
メンヘラ男性が頸動脈を切る。うつ病で自殺未遂だった まとめ
私も重いうつ病にかかった時、自殺未遂を図りました。
しかしそれは、大量に酒を飲んで大量の睡眠薬を飲むという、比較的恐怖感のないやり方でした。
自ら刃物を頸動脈にあてるなんていう勇気はありませんでした。
大男はよほどつらい目にあっていたのか。
それ以来、聞きづらくて話をしなかったので、詳細はわかりませんでした。
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