脱法ドラッグ(合法ドラッグ)の効果とリスク、最後は逮捕 精神病院体験談(2-25)

脱法ドラッグ

※記事は、事実を元に構成されています。決して違法薬物の乱用を勧める内容ではありません。

中間開放になって数日がすぎた。いつものメンバーで、狭いデイルームでテレビを観たり談笑をしていた。

突然、デイルームのドアが開き、威勢のよいオニイチャンが入ってきた。しかも松葉杖をつきながら。年は30代半ばくらいで、保護室の死んだような目の患者と違う。活気のある表情をしている。

松葉杖をつきながらというからには足を骨折かなにかしたのか。しかしそうは思えず元気よく、1.5メートルくらいの歩幅でガッチャンコ、ガッチャンッコとかっぽしてきた。

●脱法ドラッグ(合法ドラッグ)とは

合法ドラッグ

脱法ドラッグ(合法ドラッグ)についてはこの記事に書いています。

精神病院は合法ドラッグ(脱法ドラッグ)患者と入れ墨ばかり

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

脱法ドラッグの入院患者

合法ドラッグのメリーさん
合法ドラッグのメリーさん

新患は、閉鎖病棟の重苦しい空気をまるで意にせず、ニコニコ笑いながらこちらに向かってきた。閉鎖病棟に慣れているかのようだった。

えらく場違いな雰囲気を漂わせたこのオニイチャンは、カネダ(仮名)と名乗った。「メリーさん」という薬物で措置入院にされたらしい。

「メリーさん」という薬物は別の患者からも、聞いたことがある。またもや「メリーさん」、有名な合法ドラッグだ。

「メリーさん」は、アンフェタミン類の化学記号の後半部分をいじくったもの

要するに、覚せい剤の分子記号の後ろの方を、少し変えたもの

化学記号が違うので、覚せい剤とは違う物質覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法が適用できない。警察は逮捕できないので、しかたなく精神病院に送ってきたようだった。

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脱法ドラッグは当時、合法だった

脱法ドラッグは合法だった
脱法ドラッグは合法だった

2016年に法律が改正され、脱法ドラッグはみな逮捕できるようになったのだが、それまでは違法にならなかった。それが「合法ハーブ」「脱法ハーブ」つまり合法、法律の抜け穴を通した薬物と呼ばれるゆえんである。

法律を改訂しても改訂しても、業者のほうが化学記号を少し変えた薬を出しては脱法してしまうため、イタチごっこになっていた。彼らに聞くと、ハーブと呼ばれる脱法ドラッグは「メリーさん」以外にも何種類も出回っているとのこと。

それらが違法になれば、また違う名前で市場に出してくる。そしてネットなどで「隠語」を使って売買されていた。

脱法ドラッグの効果とリスク

効果は、元の薬物とはすこし違うらしい。カネダくんがいうには、メリーさんは覚せい剤と同じく、アッパー系と呼ばれるのも。気分が著しく高揚しハイテンションになる、そういう部類に属するらしい。

ただ、脱法ドラッグのなかには品質が悪いものがある。男がドラッグを飲んでわけがわからなくなり、人に危害を加えたあと泡をふいて失神し、アスファルトの上で目をむいて倒れているような映像をNHKのドキュメンタリー番組で観たことがある。

正式な違法薬物のほうが安全なようだ。

酒、大麻ダウナー系といわれ、逆にテンションが低くなる。

酒を飲んでハイテンションになるのは、飲み始めに脳の抑制系、つまりタガが一時的に外れるためで、最初だけはじょう舌になったり大胆な行動をするようになる。しかし酔いがすすんで泥酔に近づくと、テンションが低くなりしゃべらなくなってくる。

カネダくんいわく「メリーさん」は3時間でピークがくるとのこと。そして「キレメ」いわゆる「覚せい剤が切れた時に起こるなにもしたくないうつ的な症状」や禁断症状がないのだとか。

こんなことを聞くと、アルコール依存症に属する人間は興味がわいてくる。しかしよく考えたら、そういう気分になれば単にアルコールを飲めば良い。

それはまったく合法なわけで、違法薬物なんかに手を出す必要はまるで無い。ただ、人に迷惑をかけるかもしれないが。

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脱法ドラッグ(合法ドラッグ)の効果とリスク、最後は逮捕 まとめ

このお話は2012年3月時点のもの。

4月から法律が改訂され、「メリーさん」などの脱法ドラッグは一切がっさいすべて違法となりました

所持使用が発覚した時点で即刻逮捕となります。

みなさんは絶対に手を出さないよう注意していただきたい。

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