精神病院にヤクザの中間管理職が入院してきた 精神病院体験記(2-26)

ヤクザが精神病院に入院してきた

●新しい患者がきた

ある日、威勢のいいオジサンが私のいる病棟に入院してきました。

私より10くらい年上で、ハツラツとしてちっとも病人に見えません。
髪の毛は「シンサイ刈り」、ようするに耳のあたりからこめかみあたりまでずっと刈っていて、その上には短い髪があり、左右の額から後ろに向けて今風の細い剃りこみが入れてあります。
DA PUMPのISSAとかそんな雰囲気をオジサン風にした、と想像してもらえばいいです。
菅原文太のようで、髪型だけを今風にした感じ。

●筆者

アルコール依存症の筆者

アルコール依存症歴11年うつ、双極性障害あり。断酒はするのですが数年に1度くらいスリップし、連続飲酒にハマり入院する。精神病院入院歴10回以上ギャンブル依存症は克服済み。体験談や皆さんにお役に立てることを書いていきます。

精神病院に入院してきたヤクザの人

ヤクザの部下がトラブルを起こす
ヤクザの部下がトラブルを起こす

その菅原さん(仮名)は幾度も入院しているのか、看護師長と親しげに何かしゃべったあと、私の病室に入り、ごろんと寝転がりました。

菅原「あー疲れた、やっと眠れるわい

そういってごろごろし始めました。

その菅原さんの空気が、カタギの雰囲気ではなかったので聞いてみると

菅原「ワシは〇〇組のもんじゃけど、組長にアレコレいわれるわ、部下がすぐもめごとを起こすわで疲れたんよ。一週間くらいおらしてもらうけ、ヨロシク

「は、よろしくお願いいたします」

菅原「昨日ものう、部下が乗った車がポリ(警察)と揉めとるちゅうて夜中に呼び出されて、ワシャもう疲れたんよ、寝る

そういって寝てしまいました。

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ヤクザの中間管理職

ヤクザの菅原文太
ヤクザ 出典:NHK人物録 菅原文太 より引用

同室でしかもベッドが対面だったので、後々話を聞いてみると

  • 組長があれやこれやウルサイ。ヤクザの世界は上に絶対服従なのでやっとれん
  • 部下が問題ばかり起こす。その尻ぬぐいに飛び回らなければいけないのでやっとれん
  • 最近、シノギ(その筋の人たちの稼ぎ)が少なくてやっとれん

・・・・・・これは、社長になんやかやいわれ、部下の教育を頑張っているが売上がなかなかあがらない、サラリーマンの中間管理職そのものではないですか。

菅原さんは

一週間ほどここで休ませもらうわ

などと閉鎖病棟をホテル代わりに使うようです。

確かに、入院していれば出ることはできないし、敵対する者は閉鎖病棟に入れない。
メシは上げ膳据え膳だし、とやかくいう人もいない。ホテルよりまったく安全。

いい隠れ家を思いついたものです。

面倒見が良いヤクザ

閉鎖病棟でのカラオケ
閉鎖病棟でのカラオケ

ヤクザだから怖いかというと、それは「ヤクザモード」になった時だけなのであって、素は普通の気のいいオジサンでした。

OT(作業療法)でカラオケなんかがあるのですが、シラフで歌うのは慣れているらしく、信じられない高得点を叩きだしました。スナックなどで相当遊んでいるようです。

根っから面倒見がよいからか、

おまえ、仕事何しよるんや?

ときかれ、

「入退院を繰り返したんで、首になりました。元はシステムエンジニアです」

と答えると

おう、知り合いにそういうやつがおるわ。紹介したるわ。電話番号おしえれ

と、病院内でも面倒をみる始末。

休みにきたのだから休めばいいのに・・・・・・」と心の中でつぶやきました。

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部下がお見舞いに来る

覚せい剤
覚せい剤

ある日、菅原さんの部下と思われる人が見舞いにきていました。

4人がけのテーブルに座った彼らを見ると

あ、あの2人、見たことがある!

と、思わず口に出してしまいました。

そう、部下のうち2人は、以前入院していた時に同じく入院していたのです。確かシャブ中だったと思います。

退院

普通の「医療保護入院」や「措置入院」では閉鎖病棟を一週間で退院することはありえないのですが、菅原さんのような「任意入院」では可能なのです。

本当にきっかり一週間で退院していきました。

参考:強制入院、医療保護入院でまた保護室へ

危うくヤクザになりかけた

ヤクザの組事務所を訪ねた
危うくヤクザになりかけた 出典:プレジデント オンラインより引用

私は菅原さん組事務所を知っていました。
繁華街のど真ん中に事務所を構えていたので、飲み歩く時に知っていたのです。

私が退院して、行く当てもなく仕事もなく困っていたところに、ふと菅原さんを思い出しました。
もう怖いものがなくなっていた私は、菅原さんを訪ね、組事務所にいってみることにしました。

事務所は黒い扉で、その上に防犯カメラが3つも4つも備えつけられていました。

呼び鈴を押してみます。

うんともすんともいいません。
もちろん監視カメラで確認されていたのでしょう。

白いTシャツに、ジーンズの半ズボン、デイバックを背負ったよくわからない青年平気でヤクザの組事務所の呼び鈴を何回も押している

むこうに「なんかヤバイヤツがきた」と思われていたかもしれません。
何回押しても返事がないので、諦めて帰りました。

もしあそこで誰か出て来ていたら、今ごろ私は裏の世界にいたかもしれません・・・・・・

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