HSPって何?精神科にヘッドホンをつけた奇妙な少年が来た 精神病院体験談(2-27)

HSPって何?精神科にヘッドホンをつけた少年が

ある日、黒いヘッドホンをつけた少年がテレビの前に座っていました。
年は20歳いっているかいないか、GパンにTシャツ、髪は坊ちゃん刈りで、いいとこのお坊ちゃんという感じです。

彼はデイルームの一番前の、テレビの真ん前の席に座って、テレビを独占していました。
そしてなぜか耳に、高級そうなヘッドホンを装着しているのが気になります。

●HSPとは

HSPとはあまり聞きなれない略語ですが、Highly Sensitive Person(ハイリーセンシティブパーソン)の略で、周囲の音・臭い・光などを普通の人より敏感に感じてしまう人たちのことです。
日常生活で気疲れし、生きづらさを感じる人が多いのですが、病気ではないので治療はないのです。

●筆者

アルコール依存症の筆者

アルコール依存症歴11年うつ、双極性障害あり。断酒はするのですが数年に1度くらいスリップし、連続飲酒にハマり入院する。精神病院入院歴10回以上ギャンブル依存症は克服済み。体験談や皆さんにお役に立てることを書いていきます。

ヘッドホンをつけた少年現る

HSPでヘッドホンを付けた少年
HSPでヘッドホンを付けた少年

8月、ちょうどオリンピックの時期だったので、テレビはロンドン・オリンピックが流れていました。
外国人選手たちの競泳競技が行われていました。
少年は黒いヘッドホンをつけたまま、テレビのソファーに座ってずっとテレビを見続けています。

まず疑問に思ったのは、ヘッドホンで何を聞いているのだろう、ということでした。
私は恐るおそる後ろに近づき、ヘッドホンを穴のあくほど観察してみたのだが、コードのようなモノは繋がっていません
(当時は、現在のようにiPadからBluetoothでヘッドホンに音を流すようなシステムはまだなかったのです)
少年はただ、ヘッドホンをしている。

ヘッドホン単体で何か音楽を聞けるようなモノかと思い、さらに穴があくほど観察してみたのだが、音が漏れるようでもありません。
少年がリズムに乗っているようでもないのです。

ただ、少年はテレビに写っている50メートル平泳ぎ競技などに夢中になっているようでした。
では、あのヘッドホンはいったい何ぞや?
音に過敏なら、耳栓でもつければいい。

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世にも奇妙な話、ヘッドホン少年

競泳 公益財団法人日本水泳連盟 より引用
競泳 公益財団法人日本水泳連盟 より引用

周りをみわたしてみても、目が合う患者たちは首をかしげるばかりです。

わが病棟は、「見たい番組がある人は、テレビのチャンネルを自由に変えてもよい」という暗黙の了承があったため、少年がオリンピックを観ても誰も文句を言う人はいませいん。
北島康介選手など日本人選手が活躍している競技なら別にかまいません。

しかし少年が観ているのは、日本人はいっさい出ず、ただベネズエラやキューバやニュージーランドの水着を着た水泳選手たちがひたすら泳ぐ、それをずっと見ているのです。

テレビのチャンネルの取り合い

テレビのチャンネルの取り合い
テレビのチャンネルの取り合い

日本人が一人も映っていないオリンピックを見続けている。
それには、やはりまわりの大衆の不満がつのっていきます。

誰かがリモコンでチャンネルを替え、リモコンはすばやく隠されました。
しかし、少年はバカかと思っていたのですがバカではなかったらしく、リモコンが無いとわかるとテレビ本体下側のボタンを直接操作してチャンネルを元にもどしたのです。

またリモコンでチャンネルを変える。
少年はテレビのボタンでチャンネルを戻す。
何回かそのやりとりが繰り返されたあげく、大衆の不満は看護師へと伝えられました。

そして少年は、その日のうちに看護師によって保護室へ連れ去られたのです。
大部屋には合わない」という判断が下されたのでしょう。
それ以来、まったく少年を見なくなりました。

あのヘッドホンは、一体なんのために装着してたのだろう?
耳鳴りがするのであれば、耳の中が悪いのでヘッドホンは意味ないし。
統合失調症患者のように聴こえてはいけないものが聞こえるのであれば、頭の中で聞こえるのであってヘッドホンはやはり意味がない。
その時はHSPのことは知らなかったため「不思議な病気もあるものだ」としか思っていませんでした。

今思うとたぶんですが、少年はHSPだと思われます。
冒頭で述べたように、HSPは
周囲の音・臭い・光などを普通より敏感に感じてしまう人たちのこと。
日常生活で気疲れし、生きづらさを感じるが、病気ではないので治療はない

たぶんこれだと思われます。

治療ができないのなら、一生つらいな・・・・・・

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