梅雨に入り、ジメジメじとじとして気分がめいります。健康な人でも気分が下がったり、抑うつ状態になる人がいます。うつ病を持っている人は特に用心しないと、うつ症状が悪化します。
●梅雨時期にうつ症状が悪化する原因
梅雨時期のうつの悪化は次のような原因があります。
・日の光に当たらなくなる
・雲のせいで太陽光が弱くなる
・気圧が日々変化する
これらが集中して起こるので、うつ病の人はおろか健常者でも調子を崩す人が出てきます。
●記事の内容
梅雨時期のうつの対策として、セロトニンを増やす方法を書いています。
日光に当たる・散歩・食べ物・光療法・抗うつ剤などでなるべくセロトニン量を増やすことができるような方法を書いています。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
梅雨時期のうつの対策
梅雨時期にうつ的な気分になることを「季節性うつ」と呼びます。冬の寒い時期になりやすい冬季うつも「季節性うつ」の一種です。
どちらも、改善するには脳内のセロトニンを増やす必要があります。セロトニンは脳内ホルモンの一種で気分を安定させる働きがあります。梅雨時期や冬場は日照時間不足になり、セロトニンが減少してうつ的な気分になりやすいです。
また、大きなストレスや長期的な睡眠不足でセロトニン不足が慢性化すると、うつ病になります。
セロトニンを増やすには、以下のような方法があります。
- 日光に当たる
- 散歩などリズミカルな運動を行う
- トリプトファンを含む食べ物を摂る
- 光療法
- 抗うつ剤
1.なるべく日光に当たりセロトニンを増やす
ウィンターブルーや冬季うつ病はご存じでしょう。
- ウィンターブルーや冬季うつは、冬になると日照時間がへり、さらに外へ出歩くことも少なくなるので日光に当たる時間がへり、うつ病のような症状が出ることです
⇒ウィンターブルー冬季うつ病の症状と対策・冬になるとなぜ落ち込む - 北国へいくほど日照時間が短くなるため、冬季うつ病の発症率が高いというデータが出ています
- 梅雨時期も同じで、一日中雨が降っていたり曇っていると光が弱くなります。また雨だと外出も減るので日光にあたる時間が減り、気分が下がりうつ的になることが多いのです
- 低気圧だと片頭痛がおこる人がいます。不安定な天気で低気圧が続き、それにより自律神経も不安定になるため、調子を崩す人が多くなります。
日照時間が減るとなぜうつになるのか
- まず、日光に当たる(目に強い光が入る)ことで、脳内ホルモンのセロトニンが増えます。セロトニンは気分を安定させる働きがあります
- 梅雨に入ると雨雲により日の光が弱くなり、そして雨で出かけなくなるため日の光を浴びなくなります。するとセロトニンが減少し、うつ的な気分になります。
セロトニンとは
- セロトニンは脳内ホルモンのひとつで「幸せホルモン」と呼ばれています
- セロトニンは脳内の神経伝達物質で、精神を安定させたり、安心感や正常心をたもち、ストレスにも対応できます。
- うつ病は、強烈なストレスなど、なんらかの原因でセロトニンの分泌量が慢性的に減ってしまうのが原因です
セロトニンを増やすには
- 雨がふっていな時は積極的に外出して光を浴びましょう
- 本来、6月~7月ごろが年間で一番日光が強い時期です。梅雨の中休みの晴れた日は、特に日光を浴びるチャンスです。
- 雨で窓は閉めますが、カーテンは開けて光を浴びるようにしましょう。
- 会社員の人は、外食時ななるべく窓際の席にする、雨でなければ公園で昼食を、などの方法があります
曇りでも太陽の明るさを少しでも感じるようにカフェやレストランで窓際を選ぶ
ダイヤモンドオンラインより引用
雨が降っていなければ、オープンスペースや公園などでランチなどをとる。
2.散歩などリズミカルな運動でセロトニンを増やす
- 散歩やジョギングをすることでセロトニンが分泌されます。リズミカルな運動ほど効果があり、ウォーキング、ジョギングが適しています
- 雨が降っていれば、室内での軽い運動でもセロトニンが増えます。
雨で外に出られない場合は、足踏み運動、踏み台昇降(台は楽天で2,000円~3,000円で売っています)などが負荷が少なく、しんどくないです。どちらもテレビをみながらできるので、長続きします。
●踏み台昇降運動器具(楽天)
\踏み台昇降運動でセロトニン/
以前の主治医もこのようにいっていました。
筆者は以前うつになったのですが、その時通っていた医師に「散歩をしなさい。そして太陽を浴びなさい。そうすることでセロトニンが出てうつが軽くなります」といわれました。
運動不足で7万人死亡!中高年のウォーキングは9つの効果で運動不足を解消より引用
実際にうつだと外に出る気もしないのですが、健康な人は冬でもどんどん外にでてウォーキングをしましょう。気分が安定し、不安感が減ります。
3.トリプトファンを含む食べ物でセロトニンを増やす
セロトニンの材料である「トリプトファン」と、その生成にかかわる「ビタミンB6」を意識して摂ることが重要です。
セロトニンの元になるアミノ酸「トリプトファン」とセロトニンの生成を助ける「ビタミンB6」を意識して摂りましょう。材料が無いとセロトニンが作れません。なのでトリプトファンがたくさん含まれる食物を摂るのは、うつ病患者の常識です。
ウィンターブルー冬季うつ病の症状と対策・冬になるとなぜ落ち込むより引用
トリプトファンがたくさん含まれているものは、バナナ、肉、レバー、チーズ、牛乳、ヨーグルトです。朝のバナナと牛乳が摂りやすくてオススメです。
朝バナナと牛乳が手軽にトリプトファンを摂りやすいです。また、大豆、乳製品、ナッツにも多く含まれています。晩酌をする人は冷ややっこ、枝豆、チーズなどが有効です。
4.光療法でセロトニンを増やす
光療法とは、LEDが発する強烈な光を浴びることにより日照時間不足を補う治療法です。ただの蛍光灯では光が弱すぎて効きません。天井の蛍光灯の光は100ルクス程度です。
光療法用のライトボックスは10,000ルクス以上の光を目から取り込み、身体の不調を改善します。光は強いですが、紫外線は入っていません。抑うつ症状のある人は、1週間程度で症状の改善を実感します。
●光療法ライト(楽天)
5.抗うつ剤を内服する
これは最終手段になりますが、うつ病と同じく、梅雨時など季節性うつも抗うつ剤で症状が改善します。神経科やクリニックで抗うつ剤を出してもらえます。うつを改善する薬はSSRIといいますが、副作用はほとんどありません。
SSRIとは
SSRIとは「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」の略です。通常、脳のシナプスがら出たセロトニンはシナプスの受け側の受容体に取り込まれますが、うつ状態だと少量しか取り込まれず、余ったセロトニンがもとのシナプスへ戻ってしまいます。
SSRIはその作用を阻止し、セロトニンが元のシナプスに戻らないよう働きます。ただ、効き目が現れるのに1~2週間かかるため、不調を感じたらなるべく早めに受診することが大切です。冬季うつの場合、秋に飲み始め、春には飲むのを止めます。それくらい余裕をもって飲みます。
季節性うつ病の治療には一般的に抗うつ薬が有効です。副作用の少ないSSRIという種類の抗うつ薬が主に使われています。季節性うつ病の場合、秋に抗うつ薬を飲み始め、春になったらやめるのが一般的です。
MIZENクリニック より引用
SSRIの種類
これらの薬が現在使われている代表的なSSRIです。これらは確実に効きます。
- パキシル
- ジェイゾロフト
- レクサプロ
\レクサプロ・ジェネリック/
まとめ 梅雨時にうつ症状が悪くなる場合の対策・対処法
うつ気味の人は南へ行くとよい
赤道付近の国の人々は、ほとんどうつ病にならないそうです。やはり1年中強い日差しが降り注いでいるからでしょう。
イギリスは季節性うつが多い
イギリスでは、3%の人が深刻な季節性うつにかかるそうです。イギリスは雨や霧のイメージが強いので、日照時間が少ないのかもしれません。
南へ移動していた作家
以前聞いた話で、ちょっと名前を忘れてしまったのですが。
ある有名な文学者がヨーロッパの北のほうに住んでいました。まだうつ病や日照時間のメカニズムが科学に解明されていない頃です。
彼は冬になるとどうしても体調が悪くなるのです。文学に差し支えるほどです。ヨーロッパの北のほうは日が短くなり、気温も落ちてきます。
彼は日がよく照る暖かいところでは調子が良くなることに気がつきます。そして、冬の季節はイタリアかどこかの暖かい南ヨーロッパに移住していたそうです。春になると、また北の実家にもどる。昔の人も日照時間、気温などが経験でわかっていたのですね。
梅雨時にうつ症状が悪くなる場合の対策の話でした。
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