前記事で、アルコール依存症とギャンブル依存症のクロスアディクション(並行して別の依存症になること)が多いという記事を書きました。
そして最近は、一般的なギャンブルに加え、パソコンやスマホで手軽にギャンブルできる「オンラインカジノ」なるものが流行っています。
●オンラインカジノとは
オンラインカジノは、パソコンやスマホで実際にお金を賭けてやるギャンブルです。
日本でカジノは違法になりますが、カジノ業者は海外法人で海外にサーバを置いているため違法になりません。
ユーザはパソコンやスマホからインターネットで外国へ接続して遊戯するしくみです。有名どころのカジノはほぼ完全日本語対応で、英語は要りません。
お金のやりとりは、銀行振込やクレジットカード、ecoPayzなどの電子決済システムを利用します。
●オンラインカジノのギャンブル依存症者への危険性
次のような点で、ギャンブル依存症者には危険です。
- いちいち車でパチンコ屋にでかけなくてもパソコン・スマホでできるため、ギャンブルに対するハードルが低くなる。
- 開店閉店がなく、24時間営業のため、時間がある限りギャンブルにのめりこむ危険性がある。
- 借金癖がある場合、クレジットカードのキャッシング枠を超えて、買い物枠まで使えてしまうため大借金になる可能性がある。
⇒ギャンブル依存症はアルコール依存症とのクロスアディクションが多い
●記事の内容
- オンラインカジノの入出金について
- レート
- ゲームの種類
- 3か月毎日やってみた収支報告
- サポート体制
- オンラインカジノの3つの危険性について
以上について書いています。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
オンラインカジノは新しいギャンブルの形
これまでのギャンブルといえば
- 競馬
- ボート(競艇)
- 競輪
- オートレース
- 宝くじ
- ロト、ナンバーズ類
- パチンコ・パチスロ
このあたりでしたね。
「宝くじは夢を買うもので、ギャンブルじゃない」という人もいますが、たった数千円で「億り人」を夢見るのですから、ギャンブルの極地です。
どれも「券を買いに」「遊戯をしに」出かけなければならない、という共通点があります。(最近はパソコンで馬券を買えますが)
オンラインカジノは出かけなくても家で手軽にできてしまう
オンラインカジノは、パソコンやスマホさえあれば、出かけなくても手軽にできてしまうのです。しかもパチンコ・パチスロと同じように「面白く」「射幸心をあおる」ように作られています。
なので、ついついパソコンの電源を入れたりスマホを取り出して、ギャンブルをしてしまいがちになるのです。
オンラインカジノのレート
レートは自分のふところに合わせて選ぶことができます。
スロットなどのゲームの場合、最低が1BET=$0.2(20円くらい)、最高が1BET=100$(11,000円くらい)です。本物のパチスロの場合、約20円のコインを3枚入れるので、1ベット約60円となります。それよりは少し安いですね。
カジノなどになると、1BET=1000$(11万円くらい)の高額なレートもあるようです。
オンラインカジノにはどんなゲームがあるの
オンラインカジノは馬を育てるわけでもなく、競艇選手を育成するわけでもなく、プログラムを作るだけなのでさまざまなゲームが企画されています。
スロット系
オンラインカジノでは一番種類が多いゲームです。
アメリカ式のスロットで、絵柄が左から右へ、直線、斜め、ジグザグに揃うと小役の当たりになります。それぞれの機種で趣向をこらしており、特別な絵柄が3つ出現するとフリースピンなどスペシャルゲームに突入したりします。
スペシャルゲームでは、レートが最低=$0.2(20円)のときで数100円~数1,000円分の当たりが来ます。レートを10倍にすれば当たりも10倍になります。
「ジャックポット」付きのスロットでは、ジャックポット絵柄が3つ出現すると、溜まったジャックポットの払い出しがあります。ミニジャックポットで10万円程度、ビッグジャックポットは100万円を超える当たりとなります。
カジノ系
●スポーツ
●ライブカジノ(ポーカー、ブラックジャック等)
●ライブカジノ(ルーレット)
これらは本場のカジノにあるものと同じです。
- ブラックジャック
- ポーカー
- バカラ
- ルーレット
- スポーツ(サッカーの勝敗など)
これらを画面上で遊べるようにしてあるのです。
「ライブ〇〇〇」と名のつくものはカメラでトランプなどのテーブルを撮影して、外国人女性ディーラーが実際にブラックジャックやルーレットの相手をしてくれます。英語が分かる人は楽しいかもしれません。
落ちモノ系
これは一般のゲームでもある落ちモノ系をギャンブルにしたものです。
普段のBETでは小役しか落ちませんが、連続して揃うとコンボで倍々になり、一攫千金が狙えます。
といっても最低レートでは数100円~3,000円程度の当たりになります。
ハマるとボコボコ増えていくので、ゲームとしては面白いです。
パチスロ系
これらは日本人好みに開発されたゲームが多く、背景画像が着物女性やアニメちっくだったりします。
日本のパチスロと同じで3リール9ライン。普段は小役しか落ちませんが、ボーナスに入るとボーナスが連荘する、沖スロと同じゲームシステムです。
オンラインカジノの入出金はどうやるの?
オンラインカジノは直接現金のやりとりをしません。オンラインカジノで遊ぶには、会員登録と入金が必要です。
1.会員登録
オンラインカジノサイトは、有名どころだけでも20サイトくらいあります。会員登録はほぼメール認証※だけで済み、厳しいところでは
- 運転免許証 または
- パスポート または
- IDカード(マイナンバーカード)
のいずれかの写真をとり、画像アップロードさせられます。
※メール認証:メールアドレスを入力し、来たメールのURLをクリックすることで本人確認すること
2.入金
それぞれ微妙に違うのですが、ほぼ全部のカジノにクレジットカード決済があります。
それから、ecoPayz、SticPay、iWalletなどの電子決済※。
まれに海外送金(銀行振込)OKのところがあります。
単位はたいていドルで、10,000円入金したら、画面上に$91.7と表示されます。($1=109円の場合)
完全日本人対応で、円で遊べるカジノもあります。
※電子決済:個人情報・運転免許証・携帯番号で確実に本人認証して会員登録し、お金を入金しておけばさまざまなサービスで使えるシステム。主に海外通貨、暗号通貨とやり取りする場合が多い。
途中でやめたい、あるいは勝ったので出金したい場合。
3.出金
出金になると、入金より厳しくなります。まず、本人認証を済ませておかねばなりません。
本人認証はさきほどの
- 運転免許証 または
- パスポート または
- IDカード(マイナンバーカード)
に加え、住居証明として
・公共料金の領収証(住所付き) または
・住民票 または
・クレジットカード明細(住所付き)
を写真にとって送付しなければなりません。
ウチは家の名義が妻のため、公共料金の領収証がすべて妻の名前。1万円いくらか勝っていたので捨てるわけにもいかず、市役所に住民票をとりにいきました。
これらは主に「不正を防ぐ」のと、「入出金が別名義のマネーロンダリング※を防ぐ」目的があるようです。
※マネーロンダリング:窃盗、薬物などで不正に集めたお金を資金洗浄、出所を分からなくして、さもまっとうに入れたように見せかけること
クレジットカードには出金できないため、電子決済(ecoPayz、SticPay、iWalletなど)へ送金するか、一部は銀行振込してくれる所があります。
収支報告
4月から3か月弱、休憩時間に毎日やってみました。収支を付けていたのは、パチスロ4号機からのクセです。
※名前がごちゃごちゃ書いてあるは、その名前のカジノサイトです。
- 3か月トータル収支 マイナス△22883円
台を選んだりできないため、運を天にまかせた結果です。レートはほぼ最低レートの$0.2(20円)で打っています。
2万円くらいだと、パチンコ・パチスロは半日で負けますから、3か月で-2.2万円は割と出玉率が良い、遊べたほうじゃないでしょうか。
オンラインカジノのサポート体制
各社に日本語対応部署があり、日本語メール・日本語チャット対応しているため、分からないところはすぐに聞けます。
ただ、日本語メール、日本語チャットは相手の国の出勤時間からなので、昼からだったりします。これは少し待てばよいので特に問題はなかったです。
どこか1箇所、英語のチャットでした
が、グーグルで「翻訳」と入力すると、ブラウザ上に翻訳機能が出てきます。相手の会話を全部コピペして翻訳しながらチャットしました。
こちらは頑張って中学英語を使い、なんとか会話がなりたちました。
まとめ ギャンブル依存症者がオンラインカジノをやる危険性
オンラインカジノは、ギャンブル依存症でない人が軽く遊ぶ分には問題ないと思います。
ところがギャンブル依存症にとっては危険なところがあります。
遊戯時間について
パチンコ・パチスロは閉店まで、馬やボートはレースが終わるまで、という時間制限があります。
ところがオンラインカジノには時間制限がありません。24時間営業でいつでも出来てしまうため、依存がずっと続く、という状態になってしまいます。
場所について
いちいち車を出してパチンコ屋に出かけたり、JRAの馬券売り場に行く必要がありません。(最近はパソコンで馬券を変えますが)
オンラインカジノは、やりたくなったらパソコンやスマホのブラウザを開くだけ。時間が空いたらギャンブル、ということになりかねません。
クレジットカードについて
パチンコ・パチスロや競馬などを、クレジットカードで借金する場合、キャッシング枠までしか借りれません。たいてい10万円~20万円なので、カード3枚あれば30万円~60万円です。
ところがオンラインカジノの場合、「お金(ドル)を買い物する」という形式です。つまり、クレジットカードの限度枠50万円まで使えてしまうのです。3枚を別々のカジノで使えば、借金が150万円まで膨れあがります。
カジノ側のイカサマはないのか
オンラインカジノはプログラムなので、出玉率を簡単に買えられそうに見えますが。以下の引用のように、イカサマはないことになってます。
しかし、日本のパチンコ・パチスロのように、こればかりはわかりませんね。
オンラインカジノでは詐欺・不正は行われないのか?運営の仕組みを解説! より引用
オンラインカジノのゲームは、すべてRNGというイカサマのできない完全にランダムにカードや結果を生み出す機能を持ってゲームの勝ち負けを判断しています。これは実はランドカジノ(ラスベガスなどの実物のカジノ)と一緒の技術で、スロットマシーンなどに導入されています。
さて、このRNGゲームエンジンが本当にイカサマできないものなのか、これがゲーム結果を判断する際にちゃんと使われているのか、というのが次の疑問点です。
そこで、オンラインカジノの安全性と信頼性を担保するためにライセンス制度と第三者の監査機関が生まれました。
そして、そもそもカジノ運営とソフトウェア管理が分かれているというオンラインカジノ運営の特徴も運営図を踏まえて理解する必要があります。
もし「客に勝たせない」イカサマをやると、SNSで噂が広まり、結局大勢の客が逃げてよそのカジノにいってしまいます。そのため「出ないようにする」ことは、カジノ側にとっては不利になります。
結局、オンラインカジノは
- 中毒性がある
- 手軽にできすぎる
- コロナ禍でもギャンブルできる
- 現金を持たず、画面上のドルの数字が減っていくだけのため、負けても実感がわかない
- 時間制限がない
- 周りから見ると、仕事をしているように見える
これらの点から、ギャンブル依存症または疑わしい人は、避けたほうが無難でしょう。
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