アルコール性てんかん?急に発作が起きてけいれんする 体験談3-11

アルコール性てんかん

私はアルコール依存症で精神病院の閉鎖病棟にいくたびか入院しました。

この記事は、精神病院で起こったことや体験談を書いたものです。


(つづき)

意識はあるのに・・・・・・急に体が銅像のように固まって動かなくなった

私の身体は、タバコを吸うため座っていたベンチの右側へ倒れていった。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

アルコール性てんかんとは

一瞬、疑ったのは「アルコール性てんかん」だ。

アルコール離脱症状のひとつに、アルコール性てんかんがある。

急に気を失ってけいれんを起こすため、運転中など非常に危険なのである。

アルコール性てんかんの症状は以下のよう症状である。

アルコール性てんかんとはアルコールの離脱症状のひとつで、飲酒中断後48時間以内に出現するけいれん発作のこと。

飲酒を中断した際に出現するけいれん発作のことをいいます。

ほとんどがアルコールを断ってから48時間以内に発症し、アルコールの離脱症状(俗に言う禁断症状)のひとつと考えられています。

アルコールてんかんで起こるけいれん発作の特徴は、意識消失とともに全身筋肉の強直性、次いで間代性けいれんをきたし1~2分で終了します

厚生労働省 e-ヘルスネット アルコールてんかんより引用

アルコール性てんかんは通常のてんかん発作と似た症状で、普通はアルコール離脱症状の比較的初期、48時間以内に起こる。

私は現在、アルコールが抜けて10日近くは経っている。どうもアルコール性てんかんと決めつけるのは疑わしい。

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発作の症状

発作の症状
発作の症状

発作の初期症状

脳の中では言葉がぐるぐると回っているのに、クチが動かない

言葉が口からでない。

声帯が鳴らない。

言葉が発せられない。

なんなんだ、この現象は。

けいれんか、発作か?

つづけて、身体のチカラがすべて抜けていくのを感じた。

座っているベンチの、右側に倒れていくのがわかった。

すうっと身体が右側に倒れていく。

倒れる先は、枠に木版をはめたベンチの金属部分だ。

まずい、このままでは頭を打つ・・・・・・

頭がベンチにぶつかる寸前に、肩を間に入れた。

肩がベンチに当たり、ガツンと音がした。

頭は打たなかった。

どうなっているんだ、私の体は。

予想だにしない、突然の発作だった。

けいれん発作が始まる

喫煙所の皆は話しをやめ、「おい、金田一さんどうした」「おいおい、大丈夫か」と声をかけてくるのが聞こえた。

そして周りがざわつきはじめた。

私はベンチに倒れて、そのまま仰向けになった。

そして太もも、腹、指先の筋肉がビグビグとけいれんし始めたのだ。

だらんと伸ばした腕の筋肉がピグッ、ピグッと引きつるたびに手のひらが上がる

太ももがビグリビグリと引っ張られ、脚が飛び上がる。

腹部に電流を通したように硬直を繰り返し、その度に胸が持ち上がる

まるで全身にEMS(微弱な電気を筋肉に流して刺激を与え、筋肉を鍛えるというフィットネス器具)をつけているような感じだ。

目はちゃんと動かせる。

周りのざわつきも聞こえるので、耳もおかしくない。

ただ、身体がけいれんし思ったように動かせないのだ。

アルコールてんかんではない、謎の発作が始まった。

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“てんかん発作” はまずい

アルコール性てんかんのけいれん発作
アルコール性てんかんのけいれん発作

誰かが「看護師を呼べっ」と叫んだ。

意識ははっきりしていた。

瞬間的に頭に浮かんだのは

『てんかん発作』 と思われてはまずい。運転免許がなくなる。再就職できなくなる」というものだった。

とにかく「てんかん発作で失神」はまずい。

身体中はビグビグとけいれんしていたが、脳内はフル回転していた。

この状況をすべて記憶しなければ、意識を失っていないことを証明しなければ・・・・・・

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突然の発作に対する看護師の対応

瞳孔のチェック
瞳孔のチェック

すぐに男性看護師が2人、喫煙所に駆けつけてきた。

私は仰向けになって全身の筋肉の引きつりを感じながら、天井の一点を見つめていた。

看護師のひとりがペンライトのスイッチを入れ、その光でぼくの目を照らし左右に振った。

「金田一さん大丈夫ですか、判りますか!」

声はでなかったが、意識はあるためペンライトの光を目で追うことはできた

右に左に動く看護師の手、その先の光を無心に追った。

「担架を!」

もうひとりの看護師に命令するかのように言った。

6人の男性看護師が喫煙所にドタドタと乱入してきた。

そのうちひとりが、紺色のビニール製のような、布のようなものを持っていた。

なんだか大ごとになってきた。

これが双極性障害による発作だとは、もう少し後で知ることになる・・・・・・

看護師に担架で運ばれる

担架
担架

男性看護師のうちひとりが、紺色のビニール製のような、布のようなものを持っていた。

それを横目で見ていた。

広げると、たたみ1畳ほどの大きさだった。

どうやったのかは、そこのところは記憶にない。

いつのまにか地面に紺色ビニールが引き、私はその上に乗せられていた。

右側の、私の頭が位置する所に取っ手がついており、足先の部分、その中間の腰の位置する部分と、いくつものの取っ手がついていた。

左側も同じ。

6人の看護師が、それぞれの取っ手をもち、紺色ビニールごとぼくを持ち上げた。どうやら「即席担架」らしい。

看護師に担架で運ばれていった。

そのまま6人と担架の上の私は、喫煙所を出て、その前の詰所の中を通り、かけあしで診察室へ入ったようだ。

6人の先頭、担架の私の頭の部分を持っていた看護師が、詰所の看護師にぶつかり

「あ、すいません」

と言ったのを記憶している。

とにかく覚える。

気を失ったと診断されたらまずい。

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診察室にて

血圧測定
血圧測定

てんかん発作の診察

そのまま担架ごと、診察室のベッド上に仰向けに寝かされた。

腕にビニールが巻かれ、血圧を測られた。

同時に、体温も測られた。

すぐに当直の、白髪の年配の医師がかけつてきた。

左手を引っ張られた。

金田一さん、チクッとしますよ

そういうと、左腕のどこかに注射を打たれるのを感じた。

筋弛緩剤

筋弛緩剤の注射
筋弛緩剤の注射

その時はもうけいれんが収まっており

何の注射ですか?

筋弛緩剤ですよ

と会話もできた。

筋弛緩剤を打たれてしばらくはけいれんもなく、なにげな会話もできたことから「特に問題はない」と判断されたのだろう。

金田一さん、デイルームで少し休んでて下さい

と言われ、そのまま自力で歩いてデイルームの窓際のソファーに座った。

ただただ、いまだに自分に何が起こっているのかその考えたが、理解できなかった。

あのけいれんのような、発作のような症状はなんだったのだろう

状況を記憶に焼き付けるのが精一杯だった。

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再び発作が起こる

再びけいれん発作で倒れる
再びけいれん発作で倒れる

2~3分休んで、自室に帰ろうと立ち上がった。

しかしあとで思えば「もっと十分に休んでおけばよかった」と後悔することになる。

立ち上がって自室に向けて3歩進む。

足が硬直し、身体が前のめりになった。見ていたデイルームの景色が、その下の床へと変わっていった・・・・・・

ガツン、と音がしたような気がした。

目の前が真っ白になり、チカチカした。

また発作で倒れた。

それからが地獄の始まりだった。


まとめ アルコール性てんかん?!急に発作が起きてけいれんする

後々考えると、「アルコール性てんかん」ではなく「双極性障害(躁うつ病)」による発作だった。

私には「うつ病」と「アルコール依存症」があり、その治療で入院していた。

しかし「うつ病」は治るどころかさらにひどくなり、「双極性障害」になってしまったのだ。

うつ病はSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)などで気分を上げてやれば自然と治る。

うつ病が治った体験酸
うつ病は治療で治る!抗うつ剤が不要になりうつ病が完治

うつ病はわりとクスリで治療しやすいものだが、双極性障害は上げると「躁状態」になってしまうため、治療が難しいのである。

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