アルコール依存症の末期症状 脳萎縮が進行すると人間じゃなくなる

アルコール依存症の末期症状、脳萎縮

このような方は危険です!

  • 「アルコールをやめろ」「酒をやめろ」と家族に言われても隠れて酒を飲んでいる
  • もはや仕事もせず、親や妻にパラサイト(寄生)して朝から晩まで酒を飲み続ける
  • 親や妻が作った食事をろくに食べずに酒を飲み続ける

このような状態は完全にアルコール依存症です。精神病院にそのような人がいましたし、断酒会に来ているお母さんの息子さんがそのような感じでした。こうなると手の打ちようがなく、アルコール依存症本人の体には様々な症状が出てきます。今回は脳や神経に対してのアルコールの害についてです。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

脳萎縮とは

脳委縮のCT画像
脳委縮のCT画像

長年アルコールを飲み続けると、前頭葉から脳細胞が死んでいき、脳が縮んで脳萎縮が起きます。右側のCTが脳委縮していますね。

以前から大量に飲酒する人には脳が小さくなる脳萎縮が高い割合でみられることは知られていました。
最近の調査によれば、飲酒量と脳萎縮の程度には正の相関が見られることが報告されています。すなわち飲酒量が増えるほど脳が萎縮するということです。

e-ヘルスネット  より引用

脳委縮はアルコールで脳細胞が死んでいく

脳委縮とは、脳が縮んで頭蓋骨の中がからからのスズのようになってしまう恐ろしい症状です。前頭葉は思考、記憶、判断、決定、感情コントロールするなど人間らしい働きをつかさどる部分ですが、この部分の細胞がじょじょに消えていき、人間らしさがなくなってくるのです。

脳委縮のひどい症状を精神病院で見た

精神病院で見たアルコール依存症患者の症状は、60代くらいで、恰好は上は黒いスーツでズボンはジャージに運動靴、ずーっと独りで喋り続けていました(独り言)。他の誰とも会話することはなく、呼ばれたらやっと食事を食べにくる、もう人間としての行動がとれないような人がいました。

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脳細胞は復活する

脳細胞は復活する
脳細胞は復活する

昔は脳細胞が死ぬと二度と復活しない、といわれていましたが、近年の研究ではある程度は元にもどって復活することがわかったようです。

脳の細胞は死んでしまうと2度と元に戻らない。
-かつてはこのように信じられていましたが、今世紀になって、脳細胞は再生することが明らかとなりました。 

国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター  より引用

実は筆者が10年くらい前にCTを取った時に前頭葉にスキマができていて、医師に「40代でこんなになるのは珍しい」と言われました。それほど大量の酒を毎日飲んでいたようです。

都市伝説:人間は脳細胞の10%しか使っていない

このような神話がある(さまざまな意見がある)ため、「死んだ細胞の代わりの残りの細胞を使えばいいじゃないか」と思い、入院してからはひたすら小説を読んで脳を使いまくりました。効果のほどは不明です。

断酒すれば脳細胞は再生する

脳細胞が再生するのは事実らしいので、ひたすら文章(ブログ)を書くことで脳を使いまくりました。これも効果のほどは不明ですが、書いてると「ああ、ブログ書いてるとボケないな、認知症になりにくいんだろうな」と思うくらいは脳を使います。

アルコール性認知症

アルコール性認知症のおばあさんと介護士
アルコール性認知症のおばあさんと介護士

主に脳萎縮によって引き起こされる認知症ですが、脳梗塞といった脳血管障害の場合もあります。断酒会の息子さんがそうでしたが、症状としては、うつ状態で寝てばかりだったり、物忘れ、見当識障害(ここはどこで何月何日かわからない)、作り話などがあります。 50歳で高齢者のような症状がでるのです。

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ウェルニッケ・コルサコフ症候群

ウェルニッケ・コルサホフ症候群
ウェルニッケ・コルサホフ症候群

アルコール性認知症と区別が難しい症状ですが、多量飲酒で食事を摂らない場合にビタミンB1(チアミン)不足になり発症します。

小脳の働きが悪くなって立ったり座ったりしたときに体がふらついて倒れてしまったり、手足を思う通りに動かせなくなる症状のことです。チアミンを大量に点滴することで命は助かりますが、そのまま放置すると死んでしまう病気です。

健忘を主とする病気で、理解力や計算などの能力は比較的保たれますが、記憶力が著しく低下する病気です。病気になる前の記憶が失われたり(逆行性健忘)、新しいことを覚えることができなくなったりします(前向性健忘)。

e-ヘルスネット   より引用

精神病院で見たのは、3~4人で話しをしていると、アルコール依存症の彼が急に気を失って倒れて寝てしまうのです。看護師を呼び、ベッドで寝かせて名前を読んだりほっぺを叩いたりしても反応なし。看護師が医師を呼び、同じことをしても反応なし。

10分くらいすると突然起き上がり、 「んー? 何かあったん?」 と平気な顔でいうのです。似たようなことがたびたび起こるのです。病院だからよかったものの、自動車や自転車の運転中だとどうなったでしょう。

筋力の衰え

アルコールの飲みすぎで筋肉の衰えで転ぶ
アルコールの飲みすぎで筋肉の衰え

これは例の断酒会の息子さんですが、寝て酒ばかりのんでいるため起き上がってまともに歩くことができず、2階の彼の部屋から「ドターンッ」「ドターンッ」と転ぶ音がよく聞こえるそうです。

また、トイレにもまともにいけず、おもらししたり、トイレから「ドターンッ」と転ぶ音がするのだとか。まだ50歳すぎでこんな状態になるのです。

アルコールは筋肉を分解する

そこまで酷くなくても、朝から晩まで飲み続けていると筋力が衰えるのは目に見えてますね。大量のお酒を飲むと、コルチゾールというホルモンがが出て、筋肉を分解します。また酒の代謝のため肝臓がフル活動するので、たんぱく質の代謝が後回しになり、筋肉が増えにくくなります。

歯がボロボロで部分入れ歯に

アルコール依存症専門の呉みどりヶ丘病院に入院した時のこと。晩飯の後、洗面所で高齢の患者が入れ歯を洗うのですが、それに混じって40代の患者も部分入れ歯を洗うのです。一人二人ではなく、何人もです。これは酒漬けの生活だと歯を磨かなくなり、そのような生活を何年も送った結果だと考えます。

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アルコール依存症の末期症状「脳萎縮」 まとめ

アルコール依存症の脳、神経、骨に関する恐ろしい症状をおさらいしました。
脳萎縮や末梢神経障害は怖いです。飲み続けると、40~50代でこのような症状がでてきます。 アルコール依存症でなくとも、大量飲酒の方も同じことです。とりあえず病院で脳の検査を検査をうけることをオススメします。

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