酒を飲み続けて、突然身体が麻痺して動かなくなる、そんな体験をしました。
- アルコールを大量に飲むと、切れたときにてんかんの様なものが起こる
- 双極性障害(躁うつ病)で、薬を飲まないとてんかん発作がおこる
このどちらかだったのでしょう。
脱走生活がもう10日ほどになっていて、酒は飲み続けるが、薬はまったく飲んでいなかったのです。
●てんかん発作について
泡をふいて倒れ、意識がなくなってしまうほどの発作が「大てんかん発作(全般発作)」といいます。
意識はずっとあるのですが、身体が数分固まるだけでそれ以外の症状はなく動けなくなってしまうだけなのを「小てんかん発作(単純部分発作)」といいます。私には後者が起こりました。
●警察署の保護室に軟禁される
何も犯罪を犯してない私は、単に泥酔しているというだけで福岡県警に軟禁されます。警察署の保護室でアルコールが切れかかったためか、幻覚まで見え始まめます。
⇒アルコール依存症の幻覚が見えてしまった体験談 閉鎖病棟脱走記(10)



メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
タバコを吸って倒れる



警察署で、8時間に及ぶ「泥酔保護」が終わった。
しかし、精神病院から逃亡したせいで、妻が「行方不明者捜索願い」を警察に出していた。それは広島から、福岡まで県をまたいでも効力があるらしい。
そのせいで、次は「行方不明者保護」でまた保護室に入れられるとのこと。ニコチン切れの私は、担当の警察官に「タバコを1本吸わせてもらえないか」とお願いした。
それは意外とOKだった。
福岡県警の建物の外に出てすぐに、灰皿が置いてあった。警察署でも喫煙者は迫害を受けているようで、少しおかしかった。
肌寒い3月の夜、私と若い警官は、署の外で灰皿を囲み、返してもらったタバコに火をつけた。警察官も自分のタバコに火をつけていた。自分が吸いたかっただけかもしれない。
また8時間は吸えないのだろう。
火を着けたタバコの煙を、めいっぱい肺に吸い込んだ。・・・・・・ところが、予想だにしないことが起こった。



まず、約10時間ぶりのタバコで頭がクラクラし・・・・・・そして、急に指が、腕が、足が、身体中の筋肉が固まって動かなくなった。
なんだこれは。
私はタバコの煙を吸い込んだだけ。しかも1ミリというもっとも軽いタバコだ。しかし、手を動かそうとしても動かない。身体中の筋肉が固まっている。
タバコの火が根元まで近づいてきた。灰を落とそうにも、手が動かない。なんなんだこれは。
そばにいた若い警察官は初めのうちは気がつかなかったが、何分も固まっているので、さすがに様子がおかしいと気がついた。
「マロさん、大丈夫ですか!」
肩をゆり動かされると、足も体幹も動けない私は、地面に崩れ落ちた。
今思えば、アルコール離脱症状のひとつのアルコールてんかんか、または躁うつ病の薬を10日も飲んでいなかったため、そのせいで発作が起きたのだと考えられる。
警察官のとっさの反応
私はタバコを指にはさんだまま崩れ落ちたため、警察官がとっさに私の手をはたいてタバコを払い落した。さすがに警察官だけあって、危機管理は素早い。
そして、駆け足でほかの警察官を呼びに行った。
「どしたとね?」
「タバコを吸ったとたん、急に倒れたと」
「救急車よばんね」
そんな会話が耳に入った。
額にあたる、3月の夜のアスファルトは冷たかった・・・・・・



救急車隊員の対応



ピーポーのサイレン音とともに救急車が到着した。真夜中の赤色灯の赤いキラキラはきらびやかで綺麗だった。
救急隊員がタンカとともに2人降りてきて、
「今、どこに居るか分かるか」
「今日は何月何日か」
「意識はしっかりしているか」
矢継ぎ早に聞かれた・・・・・・
救急車に乗せられる
身体はなんとか動くよう戻ってきたため質問に生返事をしていると、そのままタンカに乗せられ、救急車の荷台、というか、救急患者のっけ部、というのか、とにかく後ろの部分に乗せられた。
ピーポーのサイレン音とともに、救急車は夜の闇のなかを走り出した・・・・・・
隊員に
「救急車は結構ゆれるから、気分が悪くなったら言ってください」
と言われたが、本当にすごくゆれた。
こりゃあもう、トラックの荷台に乗っているのと変わらない。
恐らくは同じようなサスペンションなのだろう。
こちらはいかに言っても病人、救急患者なので、せめて乗り心地がよいエア・サスを付けてほしい、とも思わないでもなかった。
あまりにひどくゆれるため、吐きそうになってきた。
「あとどのくらいで着きますか?」と聞いてみた。
「あと5分くらいですね」 との回答。
この5分が、30分くらいに感じられるほど、荷台の寝心地、というのか、乗り心地、でいいのか、とにかく悪かった。
我慢が限界のころ、救急対応の病院に到着した・・・・・・
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