双極性障害の発作とけいれんで保護室、生死をさまよう 体験談3-12

けいれん発作

私はアルコール依存症で精神病院の閉鎖病棟にいくたびか入院しました。

この記事は、精神病院で起こったことや体験談を書いたものです。


(つづき)

私が見ていたデイルームの景色が、その下の床へと変わっていった・・・・・・

ガツン、と音がしたような気がした。

●筆者筆者

 


メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。

※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします

床に倒れ込む

目の前が真っ白になり、目がチカチカした。

床に座り込んだが、また、手足がけいれんしてピクピクとうごめく。なんでこうなるんだ。

誰かが呼んだらしく、2、3人の看護師が駆けつけてきた。

大丈夫ですか?

の問いに、うなずくことはできた。

今日は保護室で休んどきましょう

そう言って2人の看護師に支えられ、保護室のほうへ向かった。

それからが地獄だった・・・・・・

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再びの保護室

精神病院の保護室
精神病院の保護室

また保護室の牢獄か・・・・・・また自由がなくなる、げんなりした。

また保護室の、あの、牢屋に閉じ込められた恐怖がよみがえる

身体が震えるほど嫌だった。

とりあえず、シーツのかかってない裸のふとんへと寝ころんだ。

しばらくすると、またけいれんが始まった。

腕の筋肉がピクリピクリと動き、ピクリの度に腕が持ち上がる。

ふとももの筋肉もビクリビクリと動き、足が硬直する。

いったいなんなんだ、これは。

私のアル中の医学知識にはない症状だ。

わけもわからず、度々起こるけいれんに耐えていた。

しばらくすると、看護師がご飯ののったトレイをもってきた。

今晩はカレーライスだった。

この病院のカレーは美味しい。

一応、広島の瀬野川病院だ、と宣伝しておく。

夕飯はすべて吐いた

カレーライス
カレーライス

久しぶりのカレーだ。

話にきくと、ルーから手づくりのカレーとのことだ。

けいれんだとか倒れたりとかいろいろあったせいで食欲はないが、食べてみた。

スプーンでご飯とルーをすくい、口の中に入れてみる。

カレーの味を感じたとたん、吐き気がしてきた。

なにも入ってない胃袋から何かがこみあげてくる。

急いで保護室のトイレに行き、口の中のものをすべて吐いた。

透明な胃液のようなものがこみあげてくる。

その透明な胃液も、すべてトイレに吐いた。

その後も吐き気がずっと続き、結局カレーは一口も食べれなかった。

コップのお茶を少し飲んだが、これもすぐに吐き気を誘発し、またトイレで吐いた。

何も食べないと看護師になにか言われるため、トレイにのったカレーとご飯をトイレに流した

タバコを吸いたくなったが、保護室でドアには鍵がかけられており、勝手に吸えない。

看護師が来るのを待った。

30分くらいして、男の看護師がやってきた。

看護師は食べた量をチェックし(本当は一口も食べれなかったが)食後の薬とお茶を勧められた。

タバコは、と問うと「まだ調子が悪いのでダメ」と言われた。

閉鎖病棟では自由に吸えたのに、急に禁煙になった。

なんでだ。

飯も食べれず、タバコも吸えず、精神的にまいってきた。

天井を見ながら、時が過ぎるのを待った。

30分おきぐらいに、手足がけいれんする。

さっきから、これはいったいなんなんだ。

睡眠薬が来たので飲み、寝ようとした。

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睡眠薬をもらい横になった

発作
発作

睡眠薬が来たので、もらって飲んだ。

今日は一日疲れた。

けいれんで倒れ、担架で運ばれ。

さらにけいれんで倒れ、また保護室の牢獄に入った。

カレーライスを食べたかったものの、吐き気がして嘔吐した。

物がたべられない。

タバコも規制されて吸えない。

睡眠薬をもらって、やっと眠れる。

タッパーに水をもらい、ひと安心して横になった。

何も飲めない

喉が渇いている。

さっき睡眠薬と一緒に水を飲んだが、足りない。

タッパーのフタを空けて、ごくごくと喉へ流し込んだ。

すると、急に胃が持ち上がるような感じがして、部屋の奥の便器にかけこんだ。

トイレにドアなどはない。

飲んだ水がすべて胃から噴出した。

しまった。

白い睡眠薬の錠剤も一緒に出てしまった。

汚らしい便器、洗う水道もないため、錠剤を取るわけにもいかなかった。

水さえも飲めないのか・・・・・・

これではもう、とん服の睡眠薬をもらうしかない。

鉄格子の隙間から外にスリッパを出して、看護師にきてくれるよう合図した。

通りかかった看護師がスリッパを見て気づくはずだ。

ここの保護室はそういうルールなのだ。

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まったく眠れない

手の震え
手の震え

ところが、しばらくするとまたけいれんが始まった。

上腕の筋肉が、ピグッピグッと引きつり、手が勝手に持ち上がる。

太ももの筋肉も、ビグッビグッと引きつり、足が硬直する。

どうしたんだ。

なぜこうなるんだ。

私の身体はどうなっているんだ。

横になっていても、たびたび痙攣が起きる。

睡眠薬はさっき吐いてしまった。

眠れない。

通りがかりの看護師がスリッパに気付き「どうされましたか?」と尋ねてきた。

私は睡眠薬を吐いてしまった事情を説明し、とん服をもらった。

タッパーの水を口に少し含み、飲みこんだ。

看護師は仕事が終わると行ってしまった。

しばらくすると、また胃が持ち上ってきて吐き気になり、水も睡眠薬も吐いてしまった。

睡眠薬は胃にない。

度々けいれんがおこる。

眠れない。


気がつくと窓が明るくなってきた・・・・・・

食べられない

吐く
吐く

朝になり、しばらくすると、看護師が朝食をもってきた。

パンと牛乳、味噌汁がトレイに乗っている。

パンの包みをあけ、付属のマーガリンを塗って一口食べてみた。

また胸が苦しくなり、胃が持ち上がり、吐いた。

内臓が、まったく食物を受け付けない。

腹は減っている。

喉は渇いている。

一睡もしていないため眠りたい。

しかし、飲めない、食べれない、眠れない。

三重苦だ。

苦しい。

地獄の保護室だ。

食べるのはあきらめて、また横になった。

もしかして生死の堺の72時間をここで過ごして死ぬのか?

変な考えまで浮かんだ・・・・・・

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