私はアルコール依存症ですが、その前にうつ病に疾患していました。うつ病がつらくてずっと飲んでいたら止まらなくなり、アルコール依存症と診断されました。アルコール依存症になったのはうつ病が原因ともいえます。
逆に、アルコールが原因でうつになる人もいます(アルコール性うつ)
そして、うつ病とアルコール依存症両方がある人は、うつ病のつらさとアルコールの酔った勢いで自殺する危険性もあります。
このような体験をしました。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
うつ病の体験談
私は20代に、残業250時間が4か月も続く、という地獄のような激務にあい、不眠症からうつ病になりました。
当時はシステムエンジニアで、川崎市の富士通本社に出向して働いていました。馬車馬のように働かされ、徹夜、徹夜の日々で、月の休みは1日あるかないか。徹夜の繰り返しが4か月も経つと、次第に夜眠れなくなり、不眠症からうつ病を発症してしまいました。
そして運が悪いことに、前妻と離婚しました。
うつ病とアルコールは危険
仕事と離婚であまりにもつらいので、毎晩浴びるほど酒を飲んでいました。
抗うつ剤と睡眠薬をウォッカなどの強い酒で胃に流し込んでいました。酒を飲んだらうつ病は治らないのですが、そんなことはまったく知らないため、気を失うまで飲んでいました。
本来は以下のようにアルコールを飲んではいけません。
アルコールは長期的には、抑うつ傾向を高める効果をもたらします。
特定非営利活動法人アスク アルコール関連問題 より引用
一時的に気分がアップしたように感じても、連用すればむしろ、うつの症状を強めてしまう結果になるのです。
毎日があまりにも辛くて、睡眠薬140錠を一気飲みして自殺をしようとしましたが、未遂に終わりました。
お酒の危険性
依存症対策全国センター より引用
飲酒は自殺のリスクを高めることが指摘されています。酔った状態では冷静な判断をすることが難しく、衝動的な行動をとりやすくなり、自殺行動に走る危険性が高まります。
そして運よく再婚できました。その再婚が精神的によかったのか、うつ病は3年ほどで完治しました。
⇒うつ病は治療で治る!抗うつ剤が不要になりうつ病が完治
禁煙薬チャンピックスでうつ病が再発する
ところが、30代終わりにタバコを止めようと禁煙薬・ファイザー製薬のチャンピックスを飲んでいたところ、いきなり2回目のうつ病を発症しました。
脳に作用する禁煙薬の副作用とのことで、説明書にも「うつ病歴のある人は飲んではいけない」と書いてあるそうです。医者ならちゃんと確認するのでしょうが、薬をもらったのは会社の診察室。保健婦しかいなく、そのような確認はありませんでした。
⇒チャンピックス(禁煙補助薬)の副作用!うつ病が再発!体験談
仕事でプレゼンテーション中に急に心臓がバクバクと鼓動をはじめ、身体がガクガクと震えだし、どうにも様子がおかしいためアシスタントに代わってもらいました。次の日、ベッドから起き上がれなくなりました。数日間寝たきりで過ごしました。
その後、どうにもならないためむりやりクリニックを受診すると「入院したほうが良い」といことで、うつ病で精神科に2カ月入院しました。
その後退院し、なんとか頑張って会社にはいきました。しかしうつ病はそう簡単に治りません。頑張りたくても頑張れず、仕事になりませんでした。
うつ病社員の症状
うつ病会社員は、頑張りたくても思うように動けず、次のような行動になります。
- 会社を遅刻する、あるいは休む
- できる仕事の量が少ない
- 残業をせずに早く帰る
- 休日出勤などができない
はたから見れば、楽をしているように見えるでしょう。しかし、うつ病患者本人はとてもつらいのです。
うつ病会社員は一日中このような気分に襲われています
- いつも理由のない不安感、恐怖感に襲われている
- なにもやる気がでない
- いつも気分が沈んでいる
- 楽しいことをまったく感じない
- 精神安定剤、抗うつ剤を常に飲んでいないと、意識があるだけで辛く耐えられない
アルコール依存症の体験談
またうつ症状が酷くなり、ベッドから起き上がれなくなります。トイレ以外は寝たきりです。とにかく不安感、恐怖感を紛らわすため、また酒を浴びるほど飲むようになってしまいます。
※薬と酒を一緒に飲むのは厳禁です。作用・副作用を強めたりします
ベッドの下にいつも焼酎1升パックを常備しているような状態です。1ヵ月くらい寝たきりで酒を飲み続けた結果、起き上がると、手が震え、足がガクガクと震え、まともに立てない状態になっていました。かかりつけの精神科にいくと、「あなたはアルコール依存症になっています」と診断されます。
結局、うつ病が元でアルコール依存症になりました。
⇒アルコール依存症の症状とチェック方法 酒を飲みすぎてませんか?
アルコール依存症からうつ病へ
アルコール依存症からうつ病になる人もいます。酒を飲んでいれば普通の状態でいられるが、酒が切れると気分が下がり、なにもやる気が起きなくなる。長期的に大量のアルコールを使用した人がアルコールを切ると、うつ病のような症状になります。アルコール性うつと呼ばれています。
酒をやめるとうつ的になるため、また酒を飲む。悪循環のはじまりです。
飲めば一時的に抑うつ状態が麻痺しても、酒が切れると抑うつ状態になるためさらに飲む。夜も寝酒がないと眠れないため、大量のアルコールを摂取して寝る。私の場合は、常に枕元に焼酎ストレートをコップ1杯用意していました。
うつ、アルコール、自殺は死のトライアングル
そもそもうつ病患者は毎日がつらく、「消えて無くなりたい、死んでしまいたい」と常に思っています。それに大量飲酒が加わると大変なことになります。
アメリカの精神科医カプランによると
全自殺者の75%がうつかアルコール問題を抱えているか、その両方
日本では、国立精神・神経センター精神保健研究所「自殺予防総合対策センター」の調査より
- 自殺する前の1年間にアルコール問題があった
- 40~50代の男性で働いている人が中心
- 81.2%がアルコール依存もしくは乱用していた
うつ病でアルコールを大量摂取して酔った勢いで・・・・・・死のトライアングルの完成です。
私も冒頭で述べたように、自殺しようとして酩酊させ、睡眠薬140錠を一気飲みしました。
⇒うつ病で飲酒して酩酊すると、翌日アルコール性うつに!悪循環のはじまり
うつ病になったらアルコールを避けること
うつ病の辛さを紛らわすためにアルコールを大量に飲んでいると、アルコール依存症になる危険性が高まります。また、薬の副作用が強まったり、アルコール性うつのせいでうつ病が治りにくくなります。うつ病にアルコールは厳禁です。不安感が強ければ、病院で精神安定剤を処方してもらいましょう。
木村神経科内科クリニックの木村先生が「酒の害に比べれば、薬の副作用など100倍マシじゃ!」と言われてたのが記憶に残っています。
大量飲酒者は酒を減らすこと
アルコールを毎日大量に飲酒している方で、酒が切れると調子が悪くなる人は、アルコール依存症になりかけの可能性があります。酒の量を減らす、休肝日を設ける、あるいは禁酒してみましょう。
⇒毎晩晩酌する人が禁酒をするための4つの方法とメリット・デメリット
まとめ うつ病とアルコール依存症併発の体験談|飲酒で症状が悪化する
うつ病とアルコール依存症には密接な関係があります。
うつがつらくてアルコールで誤魔化し、アルコールによるうつ症状でまたつらくなる。仕事がまともにできない、家族生活もまともにできず、離婚、孤独死してきた人を何人も見ました。
とにかく酒を切って病院でもらう抗うつ剤をきちんと飲む、仕事の負担を減らしてもらうのが一番です。抗うつ剤を飲んでも、仕事のストレスが多いとうつは改善しないからです。
限界が来る前に休職してしばらく休むのも一つの手段です。最近はネットに詳しく出ているため、正しい知識をつけましょう。
筆者は知らずに酒と抗うつ剤を大量に飲んでいたため、うつ病がなかなか治りませんでした。
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