部屋の中にポツンと置いてあるポータブルトイレ。部屋には鍵がしてあったためトイレにいけず、夜中、ポータブルトイレに小便をした。が、夏なのに冷房の効いていないぬるい部屋。朝、それはとてつもない悪臭を放っていた。
ポータブルトイレの、自分の小便の臭いは我慢できない。
私「小便の臭いが我慢できない!普通のトイレに行かせてくれ!夜、施錠するのもやめてくれ!」
と看護師にお願いした。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
精神科の患者のたち
私はこれまでに精神病院に入院して、わかった事。
それは「精神病院内でうまく生活する」 = 「精神科患者の敵を作らない」ことだ。「気がふれたような患者たち」の中で、それらを敵にするとろくなことが起こらない。
- しょうもない事で激怒して怒鳴る患者。
- どうでもいい事で恨まれて仕返ししてくる患者。
- なんでもない事で因縁をつけてくる患者。
夜、寝ている時に襲われたらたまったものじゃない。危険な患者なのか、安全な患者なのか、精神病患者の接し方を考えなければならない。
「マロさんは害がない。ケンカもしない。安全な人だ」
他の精神病患者にそう思わせれば良い。
精神科の患者の接し方
喫煙所で、タバコを吸っている患者たちに、次々と話しかけいく。
私「こんにちは、マロといいます。昨日上がってきました。よろしくです」
患者「ああ、こんちは。ぼくはオオノです」
私「ぼくはうつとアル中で入院ですわ。オオノさんは、何の病気ですか?」
患者「ぼくは、統合失調症です」
相手の病名を聞いておくのも大事だ。普通は自分の病気を隠したがるが、こちらの病名をカミングアウトすれば、むこうも言わざるを得ない。返報性の原理だ。そして、精神病患者の接し方を頭で考えておく。
この患者は、安全。
この患者は危ない。
危ない患者とは話をしないように、近づかないようする。
精神病患者の分類
薬物依存、アルコール依存症患者
基本的に、これらは「普通の人たち」で安全だ。薬やアルコールが切れた状態なので、そこらへんにいる普通の人たちなのだ。
脳神経系の病気
コジマさんのようなパーキンソン病も同じだ。身体が不自由してても、性格は普通の人なので問題ない。ゆずってあげたり、ドアを開けるなどしてあげると感謝される。
自閉症、認知症の重い人
※軽い人は実家で生活するので入院はしない
これらの人たちは、基本的に「人と交流」することをしたがらない。
するとすれば、「何か欲しい」時だけ。「何かのテレビ番組を観たい」「お茶が欲しい」そのような時だけなのだ。なので、彼らも「危険性がない人たち」とする。
そもそも、会話ができない、なりたたない人が多い。看護師から何か指示が出た時のみ、それに従う。そうでない場合、彼らは「自分の世界」だけで過ごしていく。
統合失調症患者
重度の統合失調症の患者たちはよく考えて接しないといけない。統合失調症の場合、頭の中で「現実」と「妄想」が混じっている。突然おかしな行動をする場合がある。
昔は精神分裂病といわれていたが、差別的なので呼び方が変わった。
最近は少なくなったが、ニュースで
「『ころせ』と声が聞こえたので、幼児をころした。母親は統合失調症を患っていた」
というのを聞いたことがあるかもしれない。
これは統合失調症患者が、精神科で「治療」を受けていなかったので重度の症状におちいったケースだ。精神科に入院するとちゃんと「治療」を受けるため、そこまで酷くなることはない。
が、おかしなことをいったり、おかしな行動をする人は、たまにいる。
一般的な統合失調症患者との接し方
家族などが統合失調症患者に接する時にどうすればよいか。
味方であると伝える
統合失調症は100人に1人がなりうる病気で、わりと身近な病気です。幻覚幻聴がでるため本人はとても不安を感じ、周囲に不信感をもっている場合が多い。まず病気の症状を理解することが大切だ。また回復することもちゃんと伝える必要がある。
統合失調症は薬物療法、非薬物療法で治す
統合失調症はエビリファイ、セロクエル(クエチアピン錠)などの薬を投与して治療する。また薬物療法以外では、「精神科リハビリテーション」を組み合わせて治療の効果をあげる。
統合失調症との話し方
(回復を促す家族の接し方 すまいるナビゲーターより)
統合失調症患者の例
むかし統合失調症の患者が私へ、こういいました。
「工藤静香はのう、キムタクとホンマは結婚しとらんのんで。
あれはテレビの作り話じゃけ。
本当は工藤静香はわしと婚約しとるけ、もうすぐわしと結婚するけえの」
真顔で言うのです。
こういう時は、どう反応するべきか。
そういう時、彼の「妄想」は彼にとって「現実」なので、否定をしてはいけないのです。「ふうん、そうなん」と、適当に相づちを打って、とにかく否定はしないことです。
重いパーソナリティー障害系
「パーソナリティー障害」は以前、ざくっとまとめて「人格障害」と呼んでいました。現在はどう呼んでいるかはわかりません。
(パーソナリティー障害 厚生労働省)
これは、浅く付き合う分、世間話程度は問題ないです。ただ、深く関わってはいけません。例えば、何かを貸したり借りたり、何かの会話のの中で、向こうが気分を害したとします。
普通は、我慢するか、文句をいうかなのですが。
人格障害系が「気分を害した」場合、感情を制御できなくなるのです。
- 大声で泣いたりわめいたりする。
- 相手を罵倒する。
そのぐらいなら、まだいいのですが。昔、オバサン患者2人が話をしている時、ふいにパーソナリティー障害系のオバサンが激高しました。
コップを手に取り、相手の女性へ、まるでテレビのワンシーンのように水をバシャーッと顔にかけ、その辺のラジオを地面に投げつけたのです。そしてツカツカと相手に近づき髪の毛を引っ張りあい、女子プロレスかのごとく乱闘を始めたのです。
止めようか、と一瞬思いました。
しかし「見ているほうが面白い」とも思ったので、その女子プロレスを観戦することにしました。殴るなど、危険になったら止めようと思い、リングサイドで観戦です。生の本番の女子プロレスは面白い。もちろん、駆け付けた男性看護師たちが2人を囲んですぐに引き離しました。
というわけで、私は彼らを「危険な人達」に分類していくのです。
まとめ 精神科における統合失調症患者との接し方・話し方
閉鎖病棟内では、狭い空間で3カ月もの長い間生活するため、人間関係が重要です。安全に生活するため、精神病患者の付き合い方を知っておくべきです。
- 薬物中毒・アルコール依存症患者は、酒などが切れると普通の人間に戻るため、普通の付き合い方ができます
- パーキンソン病など脳神経系の病気の人も安全です
- 自閉症、認知症の重い人たちは自分の世界の中で過ごしていくため、そもそも人間関係がなりたちません
- 重いパーソナリティー障害や統合失調症、特に統合失調症の場合、頭の中で「現実」と「妄想」が混じっているため要注意です。妄想を否定したりせず、適当に相づちをうって逃げるべきです。
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