今日はアルコール依存症で脳委縮して、頭がおかしくなった患者の話です。
年は60代か、まだ認知症がでるような年でもないのに、周りが迷惑するケースです。
●アルコールによる脳委縮とは
アルコールと脳委縮の関係は、厚生労働省でも示されています。
一般的に見られる脳萎縮の原因の一つにアルコールがあります。アルコール依存症のように明らかなアルコールの問題がある人には、脳萎縮が高い割合でみられることは知られていますが、依存症ではない一般の人でも飲酒量に比例して脳萎縮の程度が強くなることが最近の調査により示されています
脳委縮:e-ヘルスネット厚生労働省 より引用
私が10年前の40歳で脳CTを取った時、脳の前頭葉に若干隙間があり、ギザギザになっていました。
主治医は「40歳で脳委縮が始まっているのは珍しい」といわれ、相当な量のアルコールを飲んでいたことが発覚しました。
メンヘラ男。アルコール依存症歴11年、25歳でうつ病、39歳でアルコール依存症とうつ病を再発、さらに双極性障害になりメンヘラに。断酒に失敗し広島の瀬野川病院、呉みどりヶ丘病院などの精神病院・閉鎖病棟に10回も入院。精神障害者手帳2級、障害年金2級。断酒・入院・うつの体験談、どうやって飲まないで生きていくかのノウハウを書いていきます。
※なお、筆者の体験談は事実のままですが、断酒会の事例は架空の人物ものとします
新たな精神病患者が入院してきた
新たな精神病患者が入院してきた。60代か、その後半か、年はそんな感じだ。
彼の風貌はとても変わっていた。真っ白な白髪頭は天然パーマ、黒のスーツの上着をはおり、そして下は青いジャージのズボンを履いている、という奇妙キテレツな恰好だった。
ほぼアルコール依存症に間違いない。(後日、アルコール依存症の勉強会に来ていたので間違いなかった)
彼は長年の飲みすぎがで脳が委縮しているのか、認知症なのか、どちらも発症しているのか、独り言をずっという。独り言をいう患者は、夜がとにかく困る。うるさくて眠れたもんじゃない。
アルコールによる脳委縮か、ひとり言をいう
その風貌、白髪の天然パーマが似ていることから、皆は彼のことを「ベートーベン」と呼んでいた。もちろん陰で。
彼はとにかく、独り言が多かった。人がいようがいるまいが、誰かにむけて何かを喋り続けている。ロレツが回っておらず、なにを言っているのかがさっぱり理解できない。かろうじて聞き取れた単語も、支離滅裂。
「ワシはもうれきこさじまわれのに、あの人がこんおあかいんけじゃいあけの・・・・・・」
こんな感じでずーっと独り言を言い続ける。最悪なことに、彼は私のとなりの保護室に入れられた。
隣部屋、ひとり言がうるさい
隣の保護室でえんえんと独り言をいいつづける。うるさくてたまったもんじゃない。
そうだ、何か歌をうたおう。こちらも声を出せば、向こうの声が気にならないにハズ。イライラしながらも、声をふり絞って歌ってみまた。
「♪ふたりでぇー ドアをしぃーめぇーてぇー
ふたりでぇー 名前けぇーしぃーてぇー
そのときぃー こころは、なにかをぉー
はぁーなぁーすぅー だろーおぉーぉー」
(尾崎紀世彦「また逢う日まで」 作詞:阿久悠)
狭い保護室の壁に声が反響して、カラオケのようでなかなか気持ちいい。しばらく歌って、少しいらだちが静まってきた。となりの独り言もいつのまにか止んでいる。
さあ、睡眠薬も飲んだし、寝てしまおう、と布団をかぶったとたん、となりから「歌のようなもの?」が聞こえてきました。
「ふぅたぁりでぇぇ~ どぅあぉうぉしぃ~めえ~てえええ~
ふぅたぁりでぇぇ~ なぁむぁえくぇ~しぃ~てええ~」
しまった。同じ歌!いかん、こりゃどうにも、まったく逆効果だった。
※このころはまだ尾崎紀世彦さんは存命でした。まさか同じアルコール依存症でひとり孤独死するとは・・・・・・
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アルコール依存症で脳委縮、独り言がうるさい まとめ
厚生労働省は、アルコール依存症でなくても大量飲酒者は脳委縮すると述べています。
認知症ににもなりやすいようです。
健康に長生きするためには、お酒の量を減らすべきです。
長年、大量のお酒を飲み続けると、脳の細胞が死んでいき、脳萎縮に
⇒アルコール依存症の末期症状、脳萎縮は進行すると人間じゃなくなる
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